(091) 無限の組み合わせの中から意味のあるものを探す:挑戦し、失敗することの意味
2020年11月12日(木)
皆さん、こんにちは。
この前の大学院ゼミは久しぶりに興奮しました。なぜかというと、新しいデータの見せ方をしてくれた院生がいたからです。決まりきったデータ分析手法ではなく、分析手法を組み合わせて新しい見せ方を提案してくれたのですね。で、興奮した。こんな感じの研究的興奮って久しく味わってなかったものです。
研究はマンネリになったらダメ
いつのまにか、マンネリになっていたようです。ああ、そのリサーチ・クエスチョンなら、質問紙はこう作って、データはこう取って、分析手法はこれね、という感じでパターンにハマっていた。何度かそういう「研究パターン」についてのレクチャーもゼミの中でしてきました。
しかし、それはあまり良くないですね。なぜ良くないかというと、研究にパターンのような王道があって、その型にはめるにはどうしたらいいか、というようにゼミ生が考えるようになるからです。もちろん良い研究の典型例というのはあります。だけど、自分のRQをそれに当てはめるにはどうしたらいいかと考えようになったらダメなのです。
それは「2要因分散分析をマスターしたので、それにうまく当てはまるような研究テーマはないですか?」と聞くようなものです。これは、『教育工学をはじめよう』という研究の入門書に出てくる例です。ハンマーを持つと世界が釘に見えてくる、という例え話があります。道具を手に入れると、それに支配された見方で世界をみてしまいがちになります。しかし、実際にはその逆で、現実世界が先にあって、そのあとに道具が工夫されてできてくるのです。
リセットしてゼロから考え出す
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