【道具と工夫】(6) KP法(紙芝居プレゼンテーション)を使う
2024年11月9日(土)
KP法(紙芝居プレゼンテーション)とは川嶋直氏が考案したプレゼンテーションの方法です。A4判の白紙コピー用紙を横長に使い、そこに大きくメッセージやキーワードを書き、話をしながら順次ホワイトボードに貼り出していくという方法です。標準的には次のようにします。
KPシート10〜15枚で1つのテーマ(KPセット)を構成する
KPセットはひとつで2〜5分で話し終える分量
5人から30人くらいにプレゼンする場面で有効
詳しくは、川嶋直『KP法 シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション』(みくに出版, 2013)を参照ください。
たとえば、この授業はインストラクショナルデザインの実践編的な位置づけで、受講生に90分の授業を企画してデザインしてもらうというものです。4人で1グループを組んで、4週間に渡って制作を進めるというプロジェクト学習です。
4週間の作業の割り当ては次のようになっています。
テーマを決める/材料を集める
シナリオを作る/ワークを考える
KPシートを10枚で作る
4つのグループ同士で相互にKPプレゼンテーションをする
最後のプレゼンテーションの段階で、KP法を使ってみました。今回は、10枚のシートを使って5分でプレゼンテーションをするという条件で行いました。
結果としてはKP法によるプレゼンテーションは使いやすいということがわかりました。200人の授業ですので、KPシートを貼り出すホワイトボードは用意できません。しかし、KPシートを手持ちで見せるだけでも効果があります。また、話を提供する方はKPシートがあるおかげで迷わずに話すことができますし、話を聞く方もシートを見ることで理解が速くなります。
大人数の授業でも、またスライド投影ができない授業でも、KP法は発表の方法として広く使えるのではないかと思います。
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