【教える技術】「あなたが自立するために私はなるべく手助けしません」は間違っている
火曜日は「教える技術/学ぶ技術」のトピックで書いています。
教育の大目標として「自立する」ということがよく掲げられます。これはスローガンとしてなら良い言葉です。一人でできるようになること、ひとり立ちできるようになることは教育の大目標としては最適なイメージです。
しかし、自立するということは目標設定としては良くありません。具体的ではないからです。自立するということは、助けなしに何かができるようになった結果としての状態を示しているだけです。ですから、目標設定としては常に「何かができるようになること」という形で記述されるべきなのです。
「自立する」を目標に掲げると、妙なことが教える側に起こります。たとえば「あなたが自立することが目標なのだから、私はなるべく手助けしないようにしますね。自分で考えて、自分で行動してください。それがあなたが自立するための近道なのですから」ということを言ったりします。
これは一見、筋が通っているように見えて、実は間違いです。正しくは「あなたが自立することが目標ならば、自立できるまでは手助けが必要です」となります。ここでいう「手助け」というのは、訓練、トレーニングのことです。最終的に自立するためにはトレーニングを受け、それを続ける必要があるのです。
自立することを最終目標に掲げるのであれば、効果的なトレーニングをしなくてはなりません。それこそが、「手助けする」ということにほかなりません。
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