4-お勧めの本

【本】K. J. ガーゲン・M. J. ガーゲン『現実はいつも対話から生まれる:社会構成主義入門』:個人主義から関係性の世界へ

木曜日はお勧めの本を紹介しています。

今回はK. J. ガーゲン・M. J. ガーゲン『現実はいつも対話から生まれる:社会構成主義入門』(ディスガヴァー・トゥエンティワン, 2018)を取り上げます。

■要約

私たちの目の前にある現実は自分が存在する以前からある自明のものに見える。しかし、社会構成主義では、私たちがそれを現実として見るときは常にある1つの文化の伝統から話していると考える。たとえば人の死を、「身体機能の停止」「天国に行った」「生の苦しみから解き放たれた」「生まれかわりのサイクルの1つ」などと語る。どれが正しいというのはない。特定の文化の文脈で語るときその意味が生成される。

■ポイント

個人主義が社会に入り込んだのはせいぜい300年くらいである。個人主義は誰もが自分のことを考えているという前提で、利己心が人生の中心となり、評価や競争を生み出す。一方で人を思いやるためには道徳的訓練が必要となる。対して構成主義では「個人」ではなく「関係」が社会の基盤を構成すると考える。

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