【研究】13 個性記述的アプローチはその人にとっての「意味」を明らかにする
水曜日は「研究すること」のトピックで書いています。
前回は、ひとつのケースを細かく調べて記述していくという「個性記述的アプローチ (idiographic approach) 」について説明しました。それに対して、たくさんのケースを調べて一般的な法則を明らかにしようとする「法則定立的アプローチ (nomothetic approach) 」があります。
■ 個性記述的アプローチと法則定立的アプローチの違いを、口調理論に当てはめて説明してくれませんか。
□ 口調理論というのはどういうものでしたっけ。
■ 子どもに「早くしたくして」というような場合は「命令口調」。それに対して「待っててあげるから」というと「信頼口調」とするものです。
□ ああ、そうでした。親の声がけによって、子どもが行動したりしなかったりするというのが出発点ですね。
■ はい。
□ 命令口調が習慣になっていて、そのたびに「何回言ってもあの子はやらない」と愚痴を言っている状態では研究ではありません。
■ 確かにそうですね。
□ でも、たまたま声がけを信頼口調にしてみたら、不思議なことに子どもの行動が変わったことに気づきます。これはもしかしたら親の声がけによって子どもの行動が変わるかもしれないと思って、そこに注意して観察してみる。これが研究のスタートです。
■ でも、子どもが宿題をやるかやらないかはいろいろな要因がありますよね。
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