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【研究】基本的心理欲求理論に基づく授業評価尺度の予備的開発

2024年9月20日(金)

金曜日は研究の話題で書いています。

2024年9月15日(日)に、日本教育心理学会総会のポスターセッションで研究発表をしてきました。タイトルは「基本的心理欲求理論に基づく授業評価尺度の予備的開発」です。

この研究は、Deci & Ryan(1985)の基本的心理欲求理論(有能感,関係性,自律性)を授業評価に応用して、授業や研修の評価尺度を作ろうというものです。ARCS動機づけモデルを基礎にした授業評価尺度は広く使われていますし、私自身も使ってきました。ここでわざわざ新しい尺度を作ろうというのは次の意図があります。

基本的心理欲求が満たされているような授業・研修は,参加者の学習に対する動機づけを高めていると考えられるからである。こうした尺度は一般的に使われている授業評価の項目(たとえば「授業の内容に興味を持ったか」「授業に満足したか」など)のように参加者からの視点で授業を評価するのではなく,参加者自身が授業の中でどのように感じたかを測定するという点で,一味違った授業や研修の評価尺度になりうる。

参加者自身が授業・研修の中でどのように感じたかを測定しようとする、というところがポイントです。

今回の結果では、因子分析には少しデータ数が足りないことと、一部の質問項目が基本的心理欲求理論の3次元(有能感,関係性,自律性)にうまくわかれなかったところがありました。2025年の発表では、皆さんに使っていただけるような尺度を確定したいと思います。

発表論文原稿

スライド資料

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