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【ブログ】看護シミュレーション教育とメンタルモデルの生成
2022年7月22日(金)
2022年7月9日(土)に福岡女学院看護大学を訪問しました。看護シミュレーション教育の様子を見せてもらうためです。病院内を再現した部屋にシミュレーション用の人形が何体もありました。人形とはいっても、さまざまな機能が内蔵されていて、値段は数百万から数千万円するものです。
この人形を使って、さまざまなシナリオの想定の中で、自分がどのように患者を観察し、対話し、状況を判断して、とるべき行動を決めていくかということを実習します。
その実習の様子を見せてもらって、私の頭の中には「メンタルモデル」という認知心理学の古典的な用語が浮かんできました。メンタルモデルとは次のようなものです。
頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を表現したもの
シミュレーション教育の最終的なゴールは、適切なメンタルモデルの生成と身体的運動スキルの獲得です。そのためには、リアリティのある人形シミュレーションによる訓練は効果的です。しかし、適切なメンタルモデルを生成するための議論と検討を実習の中に組み込むことが必要です。それがシミュレーション教育のもうひとつのキモであり、ここではこのことが重視され、授業プロセスに組み込まれていました。
この領域の研究は、インストラクショナルデザインの中で、メリルの第一原理、コルブの経験学習モデル、ロールプレイ、バーチャルリアリティによる訓練、などにつながるものです。古くはシャンクのゴール・ベース・シナリオもあります。
ポイントは、失敗のできない緊張の中で学ぶべきものを、失敗してもよい安全な環境の中で学ぶという点にあるような気がしています。
その意味で私の「レッスン/ゲームモデル」にも通じるものがあると感じています。このモデルは、なぜ真剣なゲームでは練習のレッスンのように打てないかという問題意識から出発しています。
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