【アドラー実践講座】#01 アドラー心理学とはどんな心理学か。
月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。
今週から、早稲田大学エクステンションセンター中野校で、アドラー心理学実践講座が始まります。毎週木曜日の19:00〜20:30で、全8回で開かれます。毎週、仕事帰りの受講生が中野のエクステンションセンターに集まって、講座が進められます。
エクステンションセンター中野校でのアドラー講座は2014年から始まりましたので、今年で4年目となります。毎講座満席となる50人前後の方に参加していただき、スタッフ一同うれしく思っています。
ただ、中野まで通って受講できるのは首都圏内の方に限られるという制約があります(とはいえ、過去には仙台や名古屋から通ってきたすごい人もいましたが)。そこでこのnoteの毎週月曜日に、開催中のアドラー心理学実践講座の内容を紹介していきたいと思います。それで、中野の講座を受講している雰囲気を味わっていただければと思います。また、地方で講座を開催していただける可能性を検討していただく材料にしてもらえればとも思っています。
今回は第1回目「アドラー心理学とはどんな心理学か」です。
アドラー心理学とはどんな心理学なのでしょうか。アドラーの著作 "The Science of Living"(生きることの科学)の冒頭にこのように書かれています。
個人心理学とは、一人の人間の人生を全体的にとらえようとする学問であり、その人すべての反応、動き、衝動の中に、人生への態度が正確に表れていると考える。(桜田直美訳『生きるために大切なこと』)
「個人心理学 (Individual psychology)」というのはアドラーが自分の心理学につけた名前です。引用からアドラー心理学は、人生を全体的にとらえようとする科学だということがわかります。とすれば、アドラー心理学は心理学というよりはもっと広く、生きるための科学とした方がいいかもしれません。
私たちは、学校でいろいろなことを学びますが、自分の人生をどのようにとらえるか、また自分が生きていくということはどういうことなのか、ということは教えてもらっていません。現代の科学は専門化、細分化されているために、人が生きることの意味を丸ごと扱うような学問は成立しにくいといえるでしょう。その意味で心理学は唯一それを扱える学問領域なのですが、初等中等教育では教科としては教えられていません。
アドラー心理学が再発見、再評価され、広まってきた背景にはこうしたこともあるのかもしれません。現代の心理学は発展とともに、専門化され、緻密になりましたが、反面、人が生きることの意味を正面からとらえるにはやりにくくなったともいえます。
同じ本には、また次のようにも書かれています。
人生と直接関係のある科学においては、理論と実践はほぼ不可分になる。
アドラー心理学は、「個人」としての人を全体としてとらえ、その理論化を図ろうとしています。しかし、それは抽象的な理論であるだけでなく、常にそれぞれの生き方において実践され、試されていくのだとしています。それが「生きることの科学」としてのアドラー心理学です。
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