![2-教える技術19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/15950061/rectangle_large_type_2_c47c7039017dae96a84a0c1f02244679.jpeg?width=1200)
【研究を教える】(1) 研究を教えることの難しさ
火曜日は「教える技術/学ぶ技術」のトピックで書いています。ちはる塾おとなの研究コースからのスピンオフ企画として、「研究を教える」というテーマで連載します。
高校までの勉強と大学との大きな違いは、大学には「研究する」ということが含まれていることでしょう。実際、多くの大学では卒業論文を卒業のために必須としています。卒業論文というのは何かを「研究して」書くものです。卒業論文を書くために、ゼミという少人数制のクラスに入り、2年間ほどをかけて研究を進めていきます。
さらに大学院に行くと、コースワーク(カリキュラムで決められた科目)の割合が減り、研究の割合が増えていきます。修士課程では、修士論文のための研究をします。そして博士課程では博士論文のための研究がほぼすべてを占め、コースワークはほとんどありません。
そんなわけで、研究するということが大学・大学院のキモであるといってもいいでしょう。しかし、その一方で、ゼミという形式で研究することを学生に指導するのは難しい仕事です。私はもう30年ほどゼミで研究指導をしてきて、毎年ゼミ生に卒業論文を書いてもらってきました。しかし、いまだに研究指導がうまくいったという実感を持つことがないのです。
30年をかけて、それなりに研究指導のシステムを作り上げてきたことは確かです。そのシステムに従えば、その場の考えでゼミ指導をするよりも数倍効率的に研究を進めることができます。しかし完全にシステム化しきれないところもあります。それが研究という行為の特殊なところでもあり、創造的なところでもあるのかなと考えています。
この連載では、研究を教えることの難しさについて書いていきたいと思います。
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