【本】アンジェラ・ダックワース『やり抜く力 GRIT』
2017年2月3日
(木曜日はお勧めの本を紹介しています)
■要約
「努力」は二段階に渡って効く。第一段階で、私たちは自分の「才能」に「努力」を掛け合わせて「スキル」を身につける。第二段階では、そうして身につけた「スキル」を使ってさらに「努力」することによって大きな「達成」と成果を得る。努力を続ける力を「グリット」と呼ぶ。この本ではグリットを高める様々な工夫を紹介する。
■感想
この本を読んでいくと、自分のグリット(やり抜く力)はどれくらいだろうと知りたくなるだろう。
84ページに、やり抜く力を測る「グリット尺度」が紹介されている。これは「私は努力家だ」「いちど始めたことは、必ずやり遂げる」「興味の対象が毎年のように変わる(逆転項目)」のような項目が10個あり、それに対して「まったく当てはまらない」から「非常に当てはまる」の五段階で回答すると、自分の「グリット・スコア」が計算できる。
私自身、正直に回答して計算してみた。その結果グリット・スコアは、2.3だった。アメリカ人のデータで見ると、この値は10パーセンタイルよりも下である。つまり、私のグリットは「下から数えて10%の中」に入っている!
私は「やり抜くことのできない人」であった。それでも、この本を「最後まで読んだ」のである。どうだ!
それはともかく、この本には達成のためのさまざまな工夫が紹介してあり、自分でそれを試して見る価値は大いにあるだろう。たとえば、
・目標を刈り込んで集中すること
・意図的な練習は一日3〜5時間までにする
・自分の仕事が社会にとってどのように役立つのかを考える
・成功を予測するのは成績ではなく、活動の継続
・偉大な選手になるには偉大なチームに入ること
ふむ。
グリットもまあいいだろう。しかし、自分のグリットが最下位であることが明らかになった今、私は「反グリット尺度」=「やり抜かない力」を開発しようと決心している。まあ、これもすぐに諦めるだろうが。
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