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ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研…
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹…
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2025年2月の記事一覧

【質問】『科学的エビデンスに基づく最適の教え方』という本

2025年2月19日(水) 質問『科学的エビデンスに基づく最適の教え方』という本が出版されたようです。目次や紹介にはインストラクショナルデザインという文字はなさそうなのですが、全く別の概念なのでしょうか 回答「インストラクショナルデザイン」を「効果的、効率的、魅力的な教育手法に関するモデルと理論」と定義するとしたら、『科学的エビデンスに基づく最適の教え方』(2025, 東京書籍)はインストラクショナルデザインの実践編と位置づけられるでしょう。おすすめです。 1989年の

【アドラー教科書】(43) 私的感覚を知る

2025年2月18日(火) 第2部 感情と信念第6章 私的感覚と共通感覚6.1 私的感覚を知る 私的感覚とは、個人がプライベートに持っている自己、他者、世界についての仮想的な価値観です。私的感覚は本人が生まれてから長い時間をかけて作ってきたものですので、本人にとっては無意識的なものであり、ふだんは自覚することなく生活しています。 自分の私的感覚は、感情によって意識することができます。なぜなら、感情は、自分の私的感覚によって生み出された仮想的目標と、現実に起こった出来事と

【ブログ】白秋ゼミ予行演習の3回目を開いた

2025年2月17日(月) 白秋ゼミ予行演習の3回目を開いた2025年2月15日(土) 「白秋ゼミ」は大人の生活と遊びを考える会です。トーク、遊び、持ち寄り懇親会という段取りで月一回UR部屋で開いています。3月までは予行演習で、4月から正式にスタートします。 その白秋ゼミ予行演習の3回目。トークは「旅をすること」、遊びは「遅すぎる書き初め」、料理は「たこ焼き」で開催。対面参加は9人、Zoom参加は良寿さんとエンマリさんの2人。 14時から始めて、21時までワイワイと楽

【雑談】 『上手な教え方の教科書、実践編』の見本が届く

2025年2月16日(日) 『上手な教え方の教科書、実践編』が刷り上がって、見本として10冊届いた。前の本である『上手な教え方の教科書 入門インストラクショナルデザイン』が2015年8月の出版なので、10年越しで『、実践編』を出すことができた。 もう少し薄いイメージだったけれども、実物はかなり分厚い。今回はマンガも入っていないので、それだけの分量を書いたということになる。正式には2月17日に発売。

【ファーストコンタクト】2017年5月の記事を無料公開しました

2025年2月15日(土) 2017年5月のすべての記事を無料公開しました。もしよろしければどうぞ。 記事の一覧はこちらです。 2017年5月のハイライトなんの意図もなく、スピードも回転もない球を相手に与えれば、それは相手にとって攻撃のチャンスボールとなります。ですからそういう球を打ってはいけないということです。それは直接負けにつながります。また、Nothing Ballを打っている限り、ただ返すだけのテニスになってしまい進歩も上達もないでしょう。 Q#13 向後先生

【研究】現代における人生の課題としての仕事

2025年2月14日(金) 今回は、『個人心理学ジャーナル』2014年所収の「現代における人生の課題としての仕事」という論文を紹介します。この論文は、仕事を個人のパフォーマンスとしてだけではなく「人生の課題(ライフタスク)」として捉えること、そこには同僚による「勇気づけ」が重要であることを主張しています。 Work as a Life Task in Contemporary Times Eva Dreikurs Ferguson The Journal of Indiv

【本】内田樹『下流志向』:無時間モデルから親密圏へ

2025年2月13日(木) 内田樹『下流志向』(講談社文庫, 2009)をKindle Unlimitedで読んだ。ポイントは次の3つで、相互につながっている。 市場の無時間モデル:消費者自身はその属性を問われない匿名性を持つ 教育の逆説:逆に教育のアウトカムは棺を覆うまで評価できない リスクヘッジとしての親密圏:本当の自分は共同的な作業を通じてまわりから追認される

【質問】educational technologyの訳語はどう決まったか

2025年2月12日(水) 質問教育工学が学習工学とならなかった理由や、educational technologyであってlearning technologyでない理由、インストラクショナルデザインが教育設計学と訳され学習設計学と訳されなかった理由のにはどんなものがあるのでしょうか。 回答Educational technologyに「教育工学」という訳語をあてることについて、東洋(1976)は次のように書いています。 東 洋「教育工学について」日本教育工学雑誌 v

【アドラー教科書】(42) 仮想的目標から感情へ

2025年2月11日(火) 第2部 感情と信念第5章 感情のしくみと目的5.3 仮想的目標から感情へ 私たちはいつでも「仮想的目標 (fictional goal, guiding fiction) 」を無意識的に持っています。仮想的目標は、主観的な成功したときの理想イメージです。この仮想的目標に合致するように、状況に合わせて「その場のゴール (immediate goal) 」を随時作り出します。「こうなったらいいな」や「当然こうなるだろう」というイメージです。 しか

【ブログ】旭川3泊の旅

2025年2月10日(月) 【旭川1日目】羽田から旭川へ飛ぶ2025年2月4日(火) テニスレッスンをしてから、夕方に羽田から旭川へ飛ぶ。ANAとAir Doの共同運行便。席は8-9割埋まっていた。旭川3泊の予定。

【雑談】趣味の成果を形にして残す/講演や研修での配付資料のフォーマット

2025年2月9日(日) 趣味の成果を形にして残す林 望『結局、人生最後に残る趣味は何か』の中に、趣味の成果を形にして残すこと(句会を催して合同句集を作るなど)の話が出てくる。白秋ゼミでも「エッセイ集」を作るといいんじゃないか。アドラーゼミでも「ゼミ論集」ができたらいいなあ。

【ファーストコンタクト】2017年4月の記事を無料公開しました

2025年2月8日(土) 2017年4月のすべての記事を無料公開しました。もしよろしければどうぞ。 記事の一覧はこちらです。 2017年4月のハイライト『素人のように考え、玄人として実行する』ということは重要です。研究トピックを考えるときは「素人」のように考えることです。素人は常に具体的な問題から出発します。日常生活の中から「これはなんとかならないか」「もっと良い方法があるんじゃないか」という問題を見つけ出すことです。それが研究トピックにつながっていきます。 あと半年

【研究】十代の子育てプログラムを作るための統合的アドラーアプローチ

2025年2月7日(金) 今回は、『個人心理学ジャーナル』2014年所収の「十代の子育てプログラムを作るための統合的アドラーアプローチ」という論文を紹介します。 An Integrative Adlerian Approach to Creating a Teen Parenting Program Kimberly Allen, Rasha El-Beshti, Autumn Guin The Journal of Individual Psychology, Volu

【本】内田樹・岡田斗司夫 FREEex『評価と贈与の経済学』

2025年2月6日(木) 内田樹・岡田斗司夫 FREEex『評価と贈与の経済学』(株式会社のぞみ, 2013)をKindle Unlimitedで読んだ。二人の対談で、話題は多岐に渡る。その中でも、岡田の提案する「拡張型家族」という共同体の考え方は面白い。