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「描く」こと。

ぬり絵コンテストが開催されているのを知って、久しぶりに12色の色鉛筆を購入して塗ってみることにした。
子どもでも大人でも対象になるような内容のぬり絵である。

色鉛筆は手軽な画材ではあるが、使い方によって写真と見まがうような立体感も出せる画材である。
塗ってみるとなかなか難しい。矛盾のない陰影のつけ方や画題の材質(建物、植物、布など)の質感を出すための塗分けなどに頭を悩ませる。
「この程度なら小学生でも塗れるのではないか」という思いとの戦いであった。
実際、絵は昔から得意で、小学生の時は36色くらいの色鉛筆を持っていて、学校のポスターなどの絵を描いていた。
中学では美術部に入っていた。
しかし、描いていく上での"限界"に気づいた。画力が伸びないのと、「自分がそれを描く意味」を見出せなかったからだ。

技法を極めれば上限はない。何より絵画はどこを頂点とするべきかという問題がある。実物そっくりにうまく描くなら写真で十分だ。
歴史上でも、写真技術が発見されたころの西洋では、「絵画はどうあるべきか」の原点に立ち返り、ピカソやマティスが活動した。
絵画ならではの表現で、自分が伝えたいことを伝える絵でないと意味がないと私は考えている。

趣味であっても、自分に足りない部分を突き付けられるように感じることがある。期日までの間、自分なりの塗り方や技法に向き合ってみたいと考えている。

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