「見えている」ということ
興味を惹いた写真展があったので、品川にあるキヤノンギャラリーへ見にいった。
鶴巻育子写真展「ALT」(オルト)。
視覚に障害のある人がどのように見えているのかを写真で表現したという。
眼病や眼科検診の啓発をきっかけに、一部の病気についてはどのような視野になるのかは何となく知っていた。
しかしそれよりも、いろいろな症状があるのだと知った。
そして障害がなかったとしても「見える」ものは人によって異なり、限られるものだ。
同じものや同じ景色を見ていても、着目した点が人によってまるで違うということもある。その、見ていた部分以外の記憶は曖昧になる。問題なく見えていても「見ていない」、認識していないとでもいうべき状態。
私は昔から、本筋と関係ないかもしれないが細かいことや気になるものに目が行きがちだった。
運動会や遠足の記憶も、周りの人との会話や自分がしたことについての記憶がほとんどない。土の感触や遠い山の色ばかり記憶にある。
なのでおそらく同級生と昔のことについて会話をしてもかみ合わないだろう。
小学生の時、目の前にいる同級生について、「この人は人間という生物で、生きてて動いてるんだよな」と考え出してしまい相手をじっと見つめていて気味悪がられたこともある。
「人は情報の80%~90%を視覚から得ている」(展示の作家メッセージより)といわれるが、案外視覚は不確かなものなのかもしれない。
なお展示会は2024/11/11まで開催。詳しくは↓
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