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勝手にボート部OBOG訪問 第1弾 ー大阪市立大卒 太田さん

現役時にふと思う、「ボート部での経験って具体的にどんなことに役立つのだろうか」。なんとなくコミュニケーション能力や忍耐強さを思い浮かべてみる。確かにボート部での経験で身につく、もしくは更に磨きがかかる部分はあるだろう。では実際に社会人として働く先輩方に言わせると具体的にどんなときに「ボート部での経験が活きているな」と思うのか、コギカジが「勝手にボート部OBOG訪問」と称して直撃した。

ボート部で過ごした先にはどんな将来が待ち受けているのだろうか。

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【インタビュイー情報】
お名前:太田さん
ご職業:※お勤め先の事情で非公開
出身大学:大阪市立大学
ボート暦:10年

そもそもなぜ太田さんは大学でボート部に入部したのか、そんなお話からインタビューは始まった。

1.セレクション制度を持つ競合私立大学を倒すため国公立大学への進学を志した

僕は中学生の時にボート部に入部したんです。そこから大学生までボート部だったので、ボート部歴は10年にもなりますね。大学でもボートを続けたかったので大学選びで見ていたのは、もちろんボート部があるかどうか。加えて僕は国公立大学でやりたかったんです。将来の選択肢を持ちたかったこと、そしてセレクションで優秀な選手が集まる私立大学に勝ちたかったんです。僕自身、初めから強い組織で戦うよりも、ボート未経験者集団を育てて強くしたいという思いがありました。だからボート部としては日本有数の歴史がありながらもセレクション制度がない大阪市立大学への進学を決めたんです。

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ジャイアントキリングに燃えた4年間
(お勤め先の事情でお顔が映らない様にしています、以下同)

2.市大ボート部の変わり目を体感

僕が入部した時の市大は、関西のレースを目標にしており、関西で勝てても全日本級のレースでは勝てていませんでした。そこで選手間で話し合い、全日本級のレースで入賞するという目標に変えたんです。監督やコーチの立てた目標ではなく、選手自らが立てた目標だったため、選手一人一人が自分ゴト化しており、それ以来、練習の質・量共に上がりました。僕が2年生の時に全日本新人(2012年)M4+で8位入賞。その後も着実に力をつけていった後輩が全日本選手権(2015年)M4+で準優勝するまでになりました。僕が在籍した4年間の間に市大は全日本級レースでも通用するレベルになったんです。同じ志を持った先輩、同期、後輩がいたからこそ目標を高く持ち、視座を押し上げることができ、戦績に反映していったんです。

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自身が在籍した4年間で市大は躍進した

3.ボート部の魅力は「人との繋がり」

今年のオックスフォード盾レガッタに僕は高校のOBクルーで出場しています。3回目の出場ですが、今年はクルー全員が母校清風高校OBで揃えることができました。レース出場は仲間が集まるきっかけを与えてくれます。そこにボートの魅力があると思うんです。こうしてレースでかつての仲間に会えることは、僕にとってよい刺激になっています。当時の思い出や現在の話をすることで、ボート部の“熱さ”が蘇ります。今でも当時のように集まれる仲間と出会わせてくれたボートには感謝しています。

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ボート部で出会った仲間は一生の仲間

4.現役に贈る言葉

僕はCOXでの経験が社会で活きているなと感じることがあります。社会に出るといろんな歳の方と接する機会が多いです。意見交換や組織として動く際にまとめ役として働きかける場面が多く感じます。それはCOXとしてクルーをまとめつつ艇速を上げるために様々な視点を持ち続けた経験によると自負しています。現役でCOXを務めている選手には、社会人になったら、経験を活かしてリーダーシップを発揮してもらいたいです。また、ボートは「礼に始まり、礼に終わる」スポーツです。紳士的なスポーツであるボートを通じて、人間性も是非磨いていただければと思います。

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コミュニケーション力と人間性を育むボート

5.インタビュー後記

ボート部の4年間で得られる財産の一つは「一生の仲間」ではないだろうか。卒業を境に一度は各々の進路へと進むが、レガッタや関係イベントをきっかけに再び集う時、現役当時の“熱い気持ち”を蘇らせてくれる。現役時はその熱さ故にぶつかることもあるだろう。だが、自分自身の周りで本気でぶつかれる相手はどれほどいるだろう。想像してみるとそこにはボート部の仲間がいる。OBという視点だからこそ見える大切な存在を太田さんのお話を通して認識できた。

それでは、次回もお楽しみに!(K)

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