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『彷徨う意味』#18 見えないものと失くしたもの


 想像すればそこにある欠けて見えない部分。それを無いものにするのは見えるものしか観えない目。過ぎた時間とすぐに思い出せる記憶、それが自分のものでなくても、誰かの目になって想像したっていい。

 生きてきたようにしか終われないのだろうか。見えなくなりそうな中、小さく赤い飴玉をあの子へ。私ではなく、あの子の頬が膨らんで、失くした分だけ増える世界。はじめから欠けていたんじゃない。歪な欠片が溶けてできたあの飴玉を返してあげたい。


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