![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22500372/rectangle_large_type_2_650e557923295c803c7666a3f60c59e5.jpeg?width=1200)
離婚は事件か
先日の素敵な出会いの思い出にまだ浸っている
仕事の話をしていて、いつもどおりの流れでつぶやいたら、立ち止まった
離婚事件やってます
弁護士ならあるあるなフレーズだけども、違和感だったらしく、ツッコミをいただく
離婚って事件なの?
新鮮である
110番をすると、事件ですか?事故ですか?と聞かれるが、どっちも警察の助けを得るケースだったりもするし、厳密な違いがあるのかもしれない
離婚は事件か?
裁判所に申し立てがされ、裁判所で審理され、係属すると「事件」と呼ばれるし、事件番号が付されるから、弁護士が扱うのは離婚事件というところだけども、法律上の身分関係の変動にとどまらない離婚という現象の実態は、果たして事件で済ましてよいのやら、思考訓練が鍛えられる
離婚すれば解決ってものじゃないでしょう
一応、愛し合って結婚したとして、どこかで不和が生じ、離婚を決める
その思いが合致できれば協議離婚できるかもしれないし、条件面含め合致しなければ、協議の舞台を裁判所等に移行することになる
どういう展開かはいろいろあるものの、どこかで離婚が成立する
その前後で別居がある
ふたりが一つの家族として暮らしていた生活からふたつの家族に別れる
金銭面の公平な是正はあるかもしれないけど、基本的には、財政が独立することになる
感情はともかくふたりで協力して成り立っていた生活を切り離し、ひとりで生活を回さなければならなくなる 自立
元々仕事があって、拠点も変わらない状況があれば、影響は小さく済むかもしれないが、場合によっては、離婚を契機に仕事を始めなければいけなかったり、住居地が新しくなることもあるだろう
慣れない新生活は、離婚が成立したという清々しく晴れやかという一面ばかりではないだろう
そこに至るまでの過程にあったあれこれが尾を引いているかもしれないし、心身の不調を引きずることもあるだろう
立ち直って、ふっきれて、過去のものとして整理できるときというのは、離婚成立日よりだいぶ先になる場合もあるだろう
離婚という現象は、成立した瞬間の点というよりも、一連の線という評価がふさわしいかもしれない
ジグザグ・凸凹・いばらの道になるかもしれないその全貌にふさわしい呼び名としては、ライフアクシデントではないか、と自然にたどりつく
育休後アドバイザーとしての学びの中で、キャリアと妊娠出産育児の両立を実現することのあれこれを教わるのだけど、介護との両立支援も重なることがあるというのが最近の指摘としてある
結婚・新しい家族の誕生・老いる親・・・それだけでも大変ではあるけども、ある意味通常想定される苦労にとどまっているともいえる
介護よりも終わりが見えやすいのが子育てであり、各年齢に応じた大変さはそれぞれではあるけども、いつか卒業を迎える
それよりも介護の期間は長いかもしれないけど、それでも、一定期間での区切りはある
さて、順風満帆ばかりとはいかないのが人生である
まして、もはや離婚は受け入れられやすい社会に変容している
誰にとっても、起こり得るのが離婚だ
どういう離婚になるかは、個別事情により幅広い展開が予想されるだろうけども、瞬間的に解決するものでもない
ライフアクシデントとして起こり得ること、なるべくなら回避できるよう努力を尽くすことももちろん大切ではあるけども、不可避となったときでも、傷浅く前進していくことが望ましい
そのためには、最終的に短期間で自立を果たしていくこと、それを叶えるのは、やはり自己肯定感ではないだろうか
好きで結婚したからこそ、苦しく悩ましい
自己否定と向き合わなければいけなくなる
それでも自尊心を大切にした思考さえあれば、適切解を模索しやすいのではないか、と実感する
相手のいることではあるけども、自分の理想に向かって、これから別れようという相手とすら協調関係を築くことだって不可能ではない
子どもがいる場合は、なおさらである
夫婦関係の解消たる離婚を節目としても、そのあとの子育ては続くのであり、その実働だったり費用については分担しあえる関係を構築できることが、子どもにとってはもちろん、自分にとっても利益がある
世界は知恵を工夫してその選択を可能にしていくことを実現している
共同親権
これがないということが日本の親の生きづらさの原因だろう
親権を失った場合に限らない
たとえ親権者であっても、それが単独の場合、世界に類をみないほど困窮するのが日本のひとり親である
真面目に働いていたとしても貧困なのである
子育てに専念していても、ある程度の生活保障があることも世界にあるのに
不合理な社会の実像は政治の責任なのに、そこを追求することもなく、ひとり我慢して抱え込んでしまいがちなのも、自己肯定感の不足に起因するだろう
若者の自己肯定感についても、世界に比して劣ることが指摘されている日本である
相談するだけで、心が軽くなったと言われるリーガルサービスを提供すること
それが、自己肯定感を取り戻す第一歩という手応えがある
それは立ち上がる力になることもある
長期にわたる苦労を余儀なくされても、全貌を把握し、計画的に対処できていけば乗り越えられることもある
未来を描く力をサポートすることで選択肢を手に入れること
自分で選んで解決したときが最も大きな前進に思える
その他のライフアクシデントを恐れる必要もなくなる
子育てが楽しくなる
離婚後子育て応援弁護士として、改めて気が引き締まる
子どもの命と心と未来を守るのだ
いいなと思ったら応援しよう!
![弁護士古賀礼子](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/5898245/profile_8acc21ae0fdcd2c40a57988d1ad14232.jpg?width=600&crop=1:1,smart)