共同親権研究 訴状を読んで 子ども
訴状を読み進めている
リプロダクティブ権にはじまり,親権・監護権の人権性に関する論証
そのつづきは?
6 また,原告らはこの訴状において,一方親が,他方親の同意を得ずに子を連れ去ること(引き離すこと)は,他方親の基本的人権であるリプロダクティブ権,親権及び監護権を侵害する行為であると同時に,連れ去られる子の人権(両親から共同親権,共同監護を受ける権利。さらには,子が両親と同じように触れ合いながら成長する権利。それらも親の親権及び監護権と同様に,憲法13条の幸福追求権及び人格権の一内容として保障されていると解釈されるべきである。)をも侵害する行為であることを主張するものである(「第三者の所有物を没収する場合において,その没収に関して当該所有者に対し,何ら告知,弁解,防御の機会を与えることなく,その所有権を奪うことは,憲法の容認しないところである。かかる没収の言渡しを受けた被告人は,たとえ第三者の所有物に関する場合であっても,被告人に対する付加刑である以上,没収の裁判の違憲を理由として上告をなし得ることは当然
である。」と判示した最高裁大法廷昭和37年11月28日判決参照。)。
子が両親から共同親権,共同監護を受ける権利,さらには子が両親と同じように触れ合いながら成長する権利を有していることは,後に引用する日本が平成6年(1994年)に批准した児童の権利に関する条約においても,規定されていることである。
原告に,子どもの立場の方はいないようだけど,子どもの権利も司法試験受験生にもおなじみのあの判例を参照しながら,盛り込んでいる!!
7 日本の国内法には,一方親による他方親の同意を得ない子の連れ去り(引き離し)(以下では単に「子の連れ去り(引き離し)」と記載する場合もある。)を防ぐ法律規定が不存在であることについて(法の欠缺1,2及び3について)
(1) このように,子の連れ去り(引き離し)が,連れ去られる(引き離される)側の親の基本的人権(①リプロダクティブ権,②親権,③監護権。)を侵害する違法な行為であることは明白である。
それにも拘わらず,国会(国会議員)はその違法な行為を防ぐ立法措置を執っていないのである。
そして,国会(国会議員)がその立法措置を執ることを怠っていることが,「立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や,国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり,それが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合など」(最高裁平成17年9月14日大法廷判決)に該当することは明白である。
また,国会(国会議員)がその立法措置を執ることを怠っていることが,「法律の規定が憲法上保障され又は保障されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合など」(最高裁平成27年12月16日大法廷判決(平成25年(オ)第1079号損害賠償請求事件(女性の再婚禁止期間違憲訴訟))に該当し,国家賠償法上違法な立法不作為であることは明白である。
子の連れ去りが,人権侵害であるのに,法の欠缺(けんけつ)があるのは,違法な立法不作為であるという論証につづく
詳細は次回!
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