知らぬ存ぜぬまた明日
僕には解らない。
明日、明後日、明明後日。
良く耳にし、そして良く口に出す言葉。
僕達は当たり前のようにその日が来ると思っている。
もしかしたら病に倒れて明日が保障されなくなるかもしれないし、はたまた大地震が起こって明日どころか今日すら迎えられなくなるかもしれない。
そんな、日常。そんな、危うさを孕む、日常。
誰にも先のことは分からない。だから未来を恐れて今を台無しにしてはいけない。皆そう云うんだろう。
でも、僕はそうは思わない。いや、思えない。
だって、何が起こるのか分からないということは紛れもない事実で、それを恐れ、怯えることの、何がいけないというのか。
久し振りに再会した人と別れなければならない際、自分はこの人とまた会えるのだろうか、いやもしかしたらもう二度と会えないかもしれない。
大切な人と一緒にいても、こんな幸せがいつまで続くのだろうか、もしかしたら急に明日何かが起きて粉々に崩れ去ってしまうかもしれない。
皆だって、そんな風に思ったことがあるはずだ。
それなのに、何で。
何で...
―――バイバイ、また明日。
嗚呼、何で、何でそんなに、無知で甘美な言葉を吐くのだろうか。
僕には、分からない。
end