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夜と鍋とキスの話
キス。
接吻。
口づけ。
ちゅー(……いきなり子供っぽくなって、すみません)
それは。
好きなひと同士がすること。わたしとこころがすること。
よくすること。本当に……よくすること。
年の瀬迫る、ある冬の夜のこと。
ユリイカの寮のわたしの部屋で。
おこた(炬燵です)に入って、湯気の立つ土鍋を挟んで、こころと向かい合って。こころは「ほふほふ」と美味しそうに鍋の具を頬張っていて、わたしも箸で鍋の具を摘まんで。
持ち上げて。
ふと。
……思いました。
(わたし達、いくらなんでもキスしすぎじゃないかな……)
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