香道具が置かれた場所②:『室町殿行幸御飾記』を中心に
前回の記事では、大学院で研究していた将軍の邸宅の一部であった「会所」と部屋を掛け軸や花瓶、香炉や茶わんといった美術品で飾る行為「座敷飾」の広い意味での関係性について書きました。なかなか続きが書けず時間が空いてしまいましたが、今回は『室町殿行幸御飾記』(むろまちどのぎょうこうおかざりき)と呼ばれる室町時代の座敷飾りを書き残した史料をもとに、どのような香道具が飾られていたのかご紹介したいと思います。
『室町殿行幸御飾記』とは『室町殿行幸御飾記』(以下仮に『御飾記』と称します)は