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「感動のおもてなし」の正体

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プロポーズのご相談。
我々にできることは、チェペルを貸し切って、シャンパングラスを用意して、バラの花びらを散らして、告白と同時にフラッシュモブ発動で…あとは何が出来るかなぁ~(ワクワク)
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『お客様の期待を越えて感動させる』これがサービスマンとしての在り方だ!!アイディア能も存分に生かせるぜ!

いつ、どこで金銭感覚を捨て置いたサービスマンの基本概念が植え付けられてしまったのかは、今では、明確な記憶はありません。

ただ、きっと私だけではないはず…。
いつ来るか分からない備え。「期待を越えてやるぞ!どっからでも要望来い!」と身構えて、頭を柔らかく準備しているサービスマンw

ここまでやったら、きっとお客様はロイヤルカスタマーになって…。と期待していました。

が…。私はある本を読んで非効率であることに気づくのです。

やればやるほど顧客ロイヤリティが増す!って幻想

この結果を見て、皆さんはどう思いますか。
約9万人のアンケートから導き出された調査結果です。

実業之日本社「おもてなし幻想」より(綺麗に撮れなくてすみません…。)

以前の記事「Vol.2 『おもてなし』のゴールって?」でも書いた通り、『おもてなし』という行動を通して、顧客ロイヤリティを高め、お客様に他社推奨をしていただくことをゴールと定めました。

そして改めて、タイトル下の図をご覧いただくと衝撃的な結果が見えてきます。なんと…期待を上回るサービスをしても、顧客ロイヤリティは横ばいで高まらない!

「おもてなし側にいる私」には到底信じがたいこの結果ですが、顧客アンケートから導き出された答えならば、簡単に否定できるものではありません。「期待を満たされたときのロイヤリティ」と「期待を上回った時のロイヤリティ」は変わらない。という事が示されています。

ふむふむ。

つまり、効率的に顧客ロイヤリティを積み上げるには…、各ホテル、旅館で明言している約束事を滞りなく、完結させることで十分。という事か。

でも、それじゃ~つまらないよな~。

と考え続けて、私なりの答えの組み合わせです。

効率よく顧客ロイヤリティを得るための4つの流れ

①約束の全う

WEBサイトに書かれていること、電話で直接スタッフが話したこと、口コミなどで人伝にお勧めされていること、これらは全てお客様の期待になります。まずは、徹底的にここを遂行することが大切です。
 ・ウェルカムドリンクは抜けもれなく提供しているか
 ・チェックインに時間に遅れはないか。
 ・メインのお食事は写真以上の見た目か
 ・ブランド寝具は、くたびれていないか
 ・温泉の泉質、温度はブレていないか
 ・館内は綺麗に美しく整理されているか
この約束事が果たせなかった場合は、期待も満たされていないので当然、顧客ロイヤリティは獲得できません。複数の事業所に異動し勤務しましたが、やはり「慣れ」という悪魔はそこかしこに潜んでいます。ルーティンを明確化し、チェックシートと共に毎日続けることが、約束の全うの第一歩。

②お客様に努力をさせない

努力とは「身体を動かす、考えさせる、気を遣わせる」などです。
努力させないために、見ればわかるような館内案内、滞在中の行動予測、疑問に思ったときの解決ツールなどを整備します。さらに、お客様からの電話、内線での問い合わせに対して「待たせる(電話の保留)」、「電話対応の人が変わる」「一旦電話を切って、確認して折り返し」という事も「ストレスを与える=努力させる」に当たります。

サービス側と顧客側で受け取り方のズレがあるのが、電話越しのスタッフを変わるという行為。スタッフは「お客様にとって、最適な回答が出せる専門部署につなぐことで明確な答えを一発で出してもらえる」と思っていますし、効率的です。しかし、本来なら「その電話で答えを出してくれるのが一番」ではないでしょうか。

私は気づきながらも、案内のミスを恐れ、この領域に組織を動かすことは、まだ一度も出来ていませんが、やっている一流ホテル、旅館は沢山あります。ユーザーライクで考えるならば、本来電話に出たスタッフが「全ての受答えを出来る」ことが一番いいですよね。

③洞察力を磨く

これ、私はちょっと得意です(自慢げwww)
【観察→想像→推測→実行】この反復です。割と若いころに出会った本に書かれていました。そして、幾度となく失敗をして積上げたもので「正解率の高い「お客様のなんとなく」」が分かるようになりました。(逆に、失敗した時の切り返し方もうまくなりましたww)

  • 観察 … 自分のテリトリーに入ったお客様は絶対把握が必要です。

  • 想像 … 年齢、目的、好み、衣服からのタイプなどパーソナライズ。宿泊者?日帰り利用?記念日?コースの食事慣れてる?初めてのデート?などなど

  • 推測 … 待ち合わせ?寒い?暑い?のどが渇いてる?家族旅行?本当は格好つけたいけど何か迷ってる?などなど

  • 実行 … 気づいたことで、動けるかどうかが一番大切ですね!大体最初は外れます。ただ繰り返さないと磨かれないのも事実。

④約束以外のスタッフの行動

①で書いた通り「約束の全う」が期待です。それ以外の全部が実は「期待以上」なんです。気張って大それたことをする必要はありません。約束以外のスタッフの行動を強化すれば、効率よく顧客ロイヤリティが得られる訳です。

『感動のおもてなし』の正体

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某ホテルは、ウェルカムドリンクはありません。
しかし、その日はひどく暑く、上着を脱いで、ネクタイを緩め、ハンカチで汗を拭きながら到着されたお客様に氷が入ったコップ一杯のお水を差しだす。
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これをされたら、嬉しいですよね。

私たちサービスマンにとっては水を出すことは当たり前であっても、それに気づきルールを越えてくれたことに、人の心は動くのだと思います。

これが『感動』の正体なのではないでしょうか。

サービスを志すと、どうしても華やかなリッツカールトンやディズニーの様な世界に憧れます。しかし、組織の体制も違えば、規模もルールも違います。だからと言ってあきらめるのではなく、今の自分がいる場所で出来る『感動のおもてなし』がある!という想いを今回はまとめました。

いずれ別記事で書きたいのですが、ルールやマニュアルは、この効率よく顧客ロイヤリティを得るための作戦でもあるのではないかと思う瞬間もあるのです。

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