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父、五ヶ月ぶりに我が家に帰る。しかし敷居は車椅子でまたぐ。

在宅介護Uターン 介護編1

ーー 文字数:1,633文字 3分くらいで読めます。

本来はそもそもの疾患である潰瘍が治ったら退院しなければならないらしいのですが、腰椎圧迫骨折しているので身動きが取れない父です。


そんな中途半端に放り出されても……
そこで病院のソーシャルワーカーさんに相談しました。
リハビリもしてくれる病院を探してくれる事になりました。

しかし、相談した時にも言われたのですが、この条件はなかなか見つかりません。

気をもんじゃいましたけど、結局、同じ病院のリハビリ病棟へ移ることができました。

はなからそうしてくれればいいものを。何か都合というか決まりがあるらしい。

まあ、もうどうでもいいです。

おかげ様で、父はリハビリの甲斐あって、つかまり立ち、補助器具を使っての歩行などができてきたみたいです。この調子でいってくれたらなんとかなりそうだと、胸をなでおろしました。

しかし、思わぬ落とし穴が潜んでいました。

父がコロナに感染しました!

ということで、リハビリが中止になり、ふりだしに戻ってしまいました。

入院できる期間にも決まりがあるそうで、1月に入院してから約4か月後の4月27日。父は退院しました!

しかし、帰宅せずにそのままショートステイと言って、約一か月、簡易的な面倒を見てくれる施設へ。面会もできませんから、さぞかし困惑したことでしょう。

そうこうしている間にモロモロ整えなくてはなりません。介護申請して認定を受けて、介護ベッドに車椅子の利用手続きなどなど、妹が全部手配してくれて準備万端?

そして、退院してから半月後の5月13日。

敷居は車椅子でまたぐことになってしまったけれど、父帰宅しました!

それに合わせて、わたしも前日の夜に帰省。

当日の午前8時45分ころ、指定の時間通りに車が到着し、出迎えました。
後部ハッチが開き、車椅子に乗った父が後ろ向きで降りてきました。

顔をみると目がどんよりと曇っていて顔はやつれ生気がありません。

それにしても介護スタッフさん雑です。
庭を通った車椅子ごと、いわゆる土足状態で家の中に上げてしまいました……

妹が目を細めました。

引きあげたら開口一番「 おいおい、なんだあれ。地面の上、通ってきたタイヤで家の中にあがってきたぞ 」

―― ホント信じらんなーい。

それはもう置いておいて、気になるのは父の様子です。意識と呂律それなりに怪しいです。お正月に会ってから5か月半。随分と変わり果てたもんです。

会話も、かみ合わずにおりました。

―― 不安だ。

それから妹家族も一緒に総勢5人で昼ご飯を食べました。
取り合えず、ご飯がおいしいと言ってむしゃむしゃ食べています。食欲は旺盛。

これ、大事ですよね♪

その後も、妹は粘り強く父に話しかけます。

そんなこんなで父も少し自分を取り戻してきました。

片付けの際にみつけた昔の写真を出して父に見せました。頭を使ってもらうために色々と質問もしました。考えるのではなく、思い出そうとする作業がいいみたいですね。嚥下機能の低下予防と、脳の活性化のため、なにしろ質問してしゃべらせたい。
のですが、

何故かわたしの質問に妹が横から答えています。

―― 連携プレー失敗

でも、時間がたつにつれ、父の様子が違ってきました。家に帰宅した実感もわいてきたかもしれません。この2泊3日で来た時と比べてかなり生気を取り戻しました。顔つきも見違えるくらいに蘇りました。

しかしながら、思考がしゃんとしてきたからか、施設に戻ることを納得しません。

そりゃ、そうですよね。

やっと帰ってきたと思ったら2泊だけして、また施設へ逆戻りですからね。そう思うとかわいそうです。でも、一人にしておけるはずもありません。
何度も駄々と屁理屈をこねまくりましたが、妹と二人掛かりで、いえ、9割方は妹が言ってきかせました。

そして三日目の昼過ぎ、お迎えがきて父はまた施設へと戻っていきました。

車に乗せられていく背中がやけにしょぼくれていました。

こういうの見るとダメですよね……

父上、勘弁してね。

次の記事ではこの2泊3日の中からエピソードを一つピックアップして書きたいと思います。


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