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【ごときす】ゲーム『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』のレビュー

ゲーム『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』、通称ごときす(以下ごときす)は、2022年6月2日にMAGES.から発売されたゲームである。

プラットフォームは任天堂SwitchとPS4となっているが、今回Switch版を購入したので簡単なレビューをしてみたい。

なお、販売元のMAGES.からは実況に関する行為は禁止と発表されている事から、当noteでは概要については触れるものの、具体的なセリフや詳細な展開について触れる事は出来ないので、その点はご了承願いたい。

販売形態

まず初めにごときすの販売形態からだが、3形態用意されている。

・通常版
・限定版(売切れ?)
・Amazon.co.jp限定スペシャルボックス(売切れ)

ざっくりとまとめると

「通常版:ゲームのみ」
「限定版:ゲーム+ボイスCD」
「スペシャルボックス:ゲーム+ボイスCD+アクリルパネル時計+ボイスCDの台本」

という内容になっていて、下に行くほど豪華になっている。

更に初回出荷版限定で、ゲーム内の静止画が多数収録されたPDFファイルが添付されている。

この中から今回は、初回出荷の限定版を購入した。

ごとなつ

ごときすの話に入る前に、このゲームの前作品となった「ごとなつ」についても簡単に触れておく。

ごとなつは「五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~」というタイトルで販売されているゲームであり、2021年3月25日に発売されたごとなつの前作品となっている。

そんなごとなつは、夏休みに五つ子の無人島にある別荘に旅行にいく事になったが、トラブルで2週間帰る事ができなくなり、無人島生活を送る中で五つ子との関係性を深め、さらに勉強を教え、帰ってからテストに合格させるというゲームとなっている。

ゲームシステムとしては、スケジュールを立て、料理を一緒につくったり、イベントパートで助け合い、その中で五つ子の好感度を上げていき、好感度によってスペシャルな動画やセリフ静止画を見る事ができるものとなっていて、展開によって全7ルート14種類のエンディングが用意されている。

また、主人公=自分の上杉風太郎をのぞき、ヒロインである五つ子やらいはフルボイスになっており、ファンにとっては垂涎の作品になっている筈なのだが・・・。

実際には買って2日で飽きてしまい、中古ソフト屋に売ってしまった。

当方は水瀬いのりさんのファンであり、プレイ1日目は五月のフルボイスを沢山聞くことが出来る楽しさはあったが、プレイ2日目にはゲームをすすめる事が辛くなり、たったの1回もエンディングまで進める事無く手放してしまったのだ。

その理由は以下からだった。

・ゲームのテンポ感の悪さ
・ゲームシステムの面倒臭さ
・同じ事を延々繰り返さなければならない作業感
・恋愛ゲームなのに没入感が全く生まれない

ネット上でもこの事は言われていたし、少なからず開発元であるMAGES.にはその声がいくつかは届いていたとも思う。

ではそれを受け、「ごときす」がどう改善されたのかを述べていく。

ごときす

原作漫画の五等分の花嫁では、文化祭後上杉風太郎は中野四葉に告白し結婚するシナリオになっているが、ごときすでは、この告白シーンで好きな五つ子に告白が出来るというifストーリーになっている。

ここで原作をもう1度思い出してほしいが、

<原作>
文化祭で四葉に告白
四葉との結婚式のシーン
最後に夢落ち(?)のような描かれ方があり、卒業旅行に行く直前で終話

このようになってるが、ごときすは以下の流れになっている。

<ごときす>
文化祭で〇〇に告白するif
夢落ち(?)の後、実際に卒業旅行に行くif ※ゲームのメインシナリオ
〇〇との結婚式のシーンのif

好きな〇〇に告白をする事からゲームが始まり、二人の関係を深めるために卒業旅行が先に描かれ、その後で結婚式が描かれる流れとなっている。

このようなシナリオになっている関係で、ゲームを始めるにあたり1番最初に誰に告白をするかを選ぶ事からゲームは始まる。

つまりゲーム開始時に勝ちヒロインは決まっているという形でゲームは進んでいく。

原作漫画ファンであれば誰もがそう思うと信じているが、五つ子がそれぞれの部屋で待っている時、そこに上杉風太郎が現れたとしたら…。

これだけで推し心は爆上がりになるはずだ。

その後、ゲームのメインステージとなる卒業旅行にストーリが流れていき、現地で風太郎が選んだ相手との関係性を深め、最後にキスをする事を目的に向け好感度を上げていくという内容になっている。

もちろん先に述べた通り、帰ってきてからの教会シーンもあるが、公式サイトでも触れられていないので、どのような内容になるかは秘密とさせていただく。

書き忘れたが、ごとなつに続き今作も、上杉風太郎以外はフルボイスになっている。

スペシャルCD

ゲーム内容からはそれるが、限定版とスペシャルボックスについているCDは簡単にいえばボイスドラマであり、ラブコメボイスドラマを聞いてニヤニヤするための特典である。

内容に触れる事はできないが、ある意味では間違いなくお宝ともいえる内容なので、是非何かの機会で限定版を手に入れて聞いてほしいところである。

主題歌

もう1つ脱線をして主題歌について触れておく。

ごときすでは五つ子声優による「君の笑顔みたいから」という主題歌を、ゲームの冒頭や、ゲーム収録されているサウンドプレイヤーで聞くことが出来る。

アニメ五等分の花嫁第2期OPテーマ「五等分のカタチ」を作曲した武田将弥氏の曲に、結城アイラ氏が作詞を担当しており、大変すばらしい聞き心地のよい楽曲に仕上がっている。

実は酷評してしまったごとなつもゲームサウンドは素晴らく、今回もごとなつに続けと素晴らしい楽曲に仕上がっているので、デジタル配信などで聞く機会があれば、是非耳にしてほしい。

ゲームシステム

さて本題のゲームシステムである。

ごときすでは、ごとなつで上がった反省点を改善すべく、以下の大改革が行われた。

・ゲームのテンポ感の悪さ
→選択肢のみとしてテンポ感を改善
・ゲームシステムの面倒臭さ
→ゲームシステムも好感度メータの1つを上げるのみで超簡単
・同じ事を延々繰り返さなければならない作業感
→スキップ機能の活用でサクサクと
・恋愛ゲームなのに没入感が全く生まれない
→フルボイス付き漫画形式とした事で没入感が生まれた

上の表記だけではわかりづらいかもしれないが、端的に言うとフルボイス付きのオリジナル五等分の花嫁if漫画になったと言って良い。

もっといってしまえば面倒臭いゲームはほぼ無くなっており、if映画を見ながら、シーンエンドになったらポチポチとボタンを押すだけの簡単操作でゲームシナリオを進めるゲームシステムとなった。

結果、サクサクとシナリオが進むので、1つのシナリオをフルボイスを聞いてしっかりプレイしても、半日あればゴールにたどり着けて位のボリューム感となった。

参考までに当方は、2日で2キャラのゴールを見る事が出来ている。

そもそも五等分の花嫁という題材を扱う以上、推しを見てニヤニヤしたり、〇〇に勝ってほしいんじゃ!や、〇〇のイチャラブをみたいんじゃ!という事をifに求める事は必然なので、キャラクターとの会話に特化したゲームシステムに大改革をした事は、理にかなった判断だと評価する。

とはいえ一応ゲームではあるので、簡単な設問選択肢や、ルート選択は出てくるし、その選択肢によって〇〇との関係が深まったり深まらなかったりはするのだが、ゲーム要素はこの選択肢を選ぶだけであって、表示される選択肢の中から常識的な内容を選べばミスる事も無いし、殆どの方はハッピーエンドルートにたどり着ける超簡単な内容になっている。

一方で、裏返せばちゃんとしたゲームを求めている人には向かないゲームとも言える。

例えば恋愛シミュレーション要素だったり、ちょっとしたアクション要素だったり、管理要素みたいな物を求めている方の欲は満たす事はできないと思われる。

(当方は満足しているが)そういった意味では、100点か0点かのように極端に人を選ぶゲームなのかもしれない。

シナリオ

このように割り切ったゲームだからこそ、大切なのはシナリオだ。

シナリオが陳腐だったり、急展開や無理展開すぎると、急に没入感が薄れて冷めてしまうし、一方で〇〇だけとイチャラブしたいといっても、その他のヒロインが全く関わってこなかったり関係無いシナリオにしてしまうと、それはそれで五等分の花嫁ではなくなってしまうので、良い具合での絡みは欲しいところだ。

だがそんな杞憂は(当方の感覚では)不要だった。

とにかくシナリオバランスは(繰り返しだが当方の感覚では)素晴らしく、飽きずに最後までシナリオを読み進める事ができる内容になっている。

使い回しのセリフもあるが、それぞれの姉妹別にちゃんとオリジナルのセリフが多数用意されていて、プレイする度に新鮮さを感じるシナリオは素晴らしいと思う。

やりこみ要素

簡単なゲームシステムだが、やりこみ要素も一応用意されている。

当方はまだコンプできていないので推測も含む記載になるが、選択肢によってキャラクター事にゴールが複数用意されており、全15種類のエンディングを見る事が出来るようだ。

五つ子は5キャラなので1キャラグッドバッドで10パターンとすると、全15種類というのは計算があわない。

一方で5キャラが3パターンのエンドとしてグッド・バッドはわかるが、だとすればノーマルエンド?というのが必要になってくるが、ノーマルってなんだ?と変な感じなので、全15種類のエンディングってどんなものだろうと、楽しみながらゲームプレイ中である。

そのエンディングコンプ以外にも、途中での設問選択やルート選択によって見る事ができるスペシャル画像が別途用意されていて、スペシャル画像をギャラリーとして全開放するというやりこみ要素も用意されている。

なので、遊びつくすとなれば推し以外のキャラも使って周回が必要なゲームではあるのだが、(上に書いた事の繰り返しとなるが)1度見たシーンはオートスキップ機能がついていて飛ばす事もできるのでサクサク周回しつつ、新しいシーンのみじっくり見るという楽しみ方で、無駄なダルさを覚えない点は出来が良いと思う。

まとめ

最後にまとめだが、はっきりいってしまえば万人におすすめ出来るゲームではない。

一方で、アニメ五等分の花嫁が大好きだったり、演じている声優が好きという方は、是非手に取ってほしいゲームである。

アニメファンであればニヤニヤが止まらないと思うし、大好きな推しキャラが大好きな声優の声で惚気てくれたり甘えてくれるわけだから、それはもう頬がゆるみっぱなしになるし、ゲームプレイ中の顔は他人には見せたくないほどである。

他の作品の話となるが、五等分の花嫁と同時期にジャンプで連載されており、アニメ化もされたラブコメ「ぼくたちは勉強ができない」では、本編で1名の勝ちヒロインが決まった後、原作者自らの手によって漫画でifストーリーが描かれ、全ヒロインの勝利ルートが描かれるという形でファンの推し心を満足させるという手法がとられた。

一方で五等分の花嫁は、作者である春場ねぎ先生が公言していた通り、1名のヒロインだけを選ぶというスタイルが貫かれ、漫画も完結をした。

それから2年。

ゲームという形であり、かつ、キャラクター作画も原作者である春場ねぎ先生の絵ではなかったが、すべてのヒロインが勝てるifルートがやっと描かれる事になった。

これによってある意味では「ラブコメとしての五等分の花嫁は完全に完結した」わけだが、当方が書いた別のnoteの通り、五等分の花嫁というコンテンツは、大人になってからの五つ子の日常という形では残り続ける事が出来るほどのインパクトを持つ作品だと思うし、この先も違った形のごとよめに出会える事を期待しつつ、それまでの間このゲームでニヤニヤしながらifの世界を堪能したいと思う。

そしてこのnoteを読んでくれたアニメごとよめファンのあなた!

(約束はできませんが)手に取っても、きっと損は無いゲームだと思いますよ!

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