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ことば

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言葉に関係する記事を集めました。
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2019年10月の記事一覧

【校閲ダヨリ】vol.6 であいと向き合ってみましょう

みなさまおつかれさまです。 今回は、先日ある方からご質問を受けたことを書いてみようと思います。 「であう」という言葉がテーマです。 まず、以下の文を見てください。 ・彼は、ここでサニーとであった。 この文を漢字変換するときに、サニーが意味するところが「人」であれば「出会う」でしょうし、 サニーという名前が付けられた「物」であれば「出合う」となるでしょう。(運命の人や物であれば「出逢う」となるかもしれません) 質問を受けたのは、サニーが物であった場合に「出会う」は使用可能

【校閲ダヨリ】 vol.8 誰も傷つけたくない。傷つく必要なんてない

誰も傷つけたくない。傷つく必要なんてない みなさんこんにちは。 突然ですが、子どもの頃の将来の夢って覚えていますか? 私は物心つく前に両親に「売れない女優!」と言うように仕込まれていました。売れると忙しくて大変だし、そもそもかわいくないと売れないから、売れない女優。なかなかひどいですね。 自分で考えられるようになってからは、お煎餅を経て、お花屋さん、ケーキ屋、という女の子の将来の夢ランキングにランクインしそうな一般的な将来の夢をもって、最終的には校閲者になりたいと思って実際

【校閲ダヨリ】 vol.9 差別・不快語 (重要なテーマなので前回のつづきです)

みなさまおつかれさまです。 前回のお便りでYが「〜屋」という言葉がもつネガティブイメージのお話をしました。今回は、それを踏まえた上で、差別・不快語に対するお話をしたいと思います。 差別・不快語とは、ある特定の集団や個人、マイノリティ等(マジョリティの場合ももちろんあります)に不快感を抱かせてしまったり、もとよりその存在を疎外・否定するかのような印象を与えてしまう言葉のことです。皆さんはこの言葉自体が意味するところはおおかた把握されていることと思います。 読者、ファン、クラ

【校閲ダヨリ】 vol.10 スモモ

みなさんお疲れさまです。 最近の校閲ダヨリが言葉の使い方で、すっぱり割り切れずもやもやむにゃむにゃしてしまうお話が続いていたので、ここらへんである程度すっきりできる、校閲のよくある、そして見落としやすくもある間違いのお話でも。 すもももももももものうち どうでしょう。有名な早口言葉ですが、すっごくわかりにくくないですか? 同じ文字が続くと非常に読みにくくなって、多くても欠けていても気付きにくいんです。これが行をまたいでいるとなおさら見落としやすくなってしまうので特に注意