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声をかけることから、始まる

2年前の今日は、
人生の夢のひとつだった「海水浴場の監視員」任務の 最終日でした。

ご縁が重なって、広島県の大崎上島という島で経験させてもらったのだけど、
行く前に想像 (妄想!) していたのは、
《 若者中心に いも煮状態の海岸で、ライフセイバーの救命TUBE持って目を光らせながら波打ち際を端から端まで歩いて往復を重ね(この時点で危険行為があるかも、ということが前提w)
時には はしゃぎ過ぎな若者たちに笛を吹いて注意する 》
などの、賑やか極まる状況。
= 危ないことをする人がいることが前提の世界


実際に待っていたのは・・・

少ない日は20人未満しか海に入っていない、
穏やかでのどかでコンパクトな半円状のビーチで、
主に3世代家族連れが楽しげにしっとりと水遊びをするのを見守るお役目。

のどか~~~~~~~

ビーチに下っていく坂道の途中に監視員小屋があるのだけど、
家族連れが降りてくるのが見えると、なるべくドアを開けて外に出て「こんにちは」と声をかける。

小屋の前にうずたかく積まれた浮き輪を見ての
「え、浮き輪無料で借りられるんですか?!」の声に、
「そうなんですよー!
その大きなヒョウ柄の浮き輪 一番人気ですよ~~~(勝手に一番人気にしちゃう)、お似合いですよ~~♡」と、
おじいちゃんに貸してみたり。


そうすると。

波打ち際を端から端まで歩きながら (時には腰ぐらいまで浸かりながら)
目が合えば、「こんにちは~♪」。
さっき監視員小屋の前で声をかけたご家族に再会すると、そこでさらに話が弾む。小さな子供がいるとなおさら!

トングとバケツを持ってプラゴミ(すんごいたくさん!!)拾いをしていると、「これもゴミ?」と拾って持ってきてくれる子ども達も。素敵すぎる。

1歳過ぎたばかりであろう赤ちゃんが、波が足に触れただけでギャン泣きしていたのが、次第に慣れてキャッキャと嬉しそうになっていく様子をずっと見ていられて(あ~幸せ♡)、
帰りがけ小屋の前を通る親御さんと赤ちゃんに「海デビューしましたね♪」と声をかけたり。

波打ち際が半円のような弧を描いているから
潮が満ちてくるとお椀の半分のようになって、
そこでちゃぷちゃぷ楽しんでいる人たちが、みーんな、大きな家族のように見えてくる。

賑わっている大きな海水浴場では生まれにくかったであろう「繋がり」が、
声をかけたことによって、そこかしこに芽生えていくような感覚。


そこから生まれるものは、

ここに一緒にいる間は、監視員でも海水浴客であっても、
この海水浴場で安全に過ごす共同体の一員である、という意識、
「ともに、責任を持ってこの場を安全に保っていく」という 感覚。

それによって、「危険な行為があること」を前提として視る、というよりも、
「この保たれた輪のなかで不慮の何かが起きないか」を意識を張って俯瞰して視ることができるようになる。

「監視員だけが目を光らせている」状況から、
「互いの安全に気を配りながら助け合って楽しむ」という輪(和)がうまれていく。

前提の意識が変わることによって、場の成り立ちも変わる。

それはまさしく、場づくりの時に大切にすることと一緒。

『 声をかけることから、始まる。』
ちょっと変化球だけど、これも「声の力」の1つだと感じています。

来年の夏にはまた、どこかの海水浴場で監視員やりたいなぁ。
のんびり長閑な素敵な海水浴場ご存知の方、教えてください~♡

声や、伝わる話し方について、連続講座や単発レッスンでお伝えしています。
何か気になることがあったら、上記ページよりお尋ねください ♪

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