声を「出すまでのこと」「出したあとのこと」、大切に大切に
こんにちは。
NHKキャスター歴17年、声と言葉の伝道師、石垣真帆です。
(↑なんだか初めて肩書をつけてみたくなった、急になぜ~~笑 )
今年も銀杏が落ち始めて、(←毎年早くなる気がする)
散歩しながらイチョウの樹の根元を横目でチラチラ、
大きい実をみつけては、何食わぬ顔してササっと拾って、
お家でレンチン、ホクホク楽しんでいる今日この頃です☺︎
このnoteでは、
私たちが生きていく中で いつも共にいる 「声」と「言葉」について
【声や話し方で気になることがある人に ヒントにしてもらえそうなこと】
【アナウンサーという仕事を通して、私自身が身に着けてきたこと】
【声と言葉の伝え手として日ごろの暮らしの中で感じること】
を、綴っています。
今回もぜひご一緒に☺︎
さて。
私は日頃
「声」「身体と声を使った表現」
「話し方・伝え方」
「その人らしい表現のしかた」
を、
企業研修や主宰講座、カルチャースクール、自主企画セミナー、プライベートレッスン、などなど
受け取られる方にあわせてお伝えしているのですが、
今回は、
国内および海外で活躍されている「日本語教師」の方々向けに
オンライン講座を開かせて頂く嬉しい機会がありました。
母国語が日本語ではない人に、
日本語を教える仕事をされている方々。
当然、しっかりとした日本語を、はっきりとした音で伝えられている。
そんな素敵な方々に向けて今回お伝えしたのが、
タイトルにある
「声を出すまでのこと」「声を出したあとのこと」に、
【きちんと意識を向けていますか?】
ということ。
「声を出すまでのこと」というのは、
① 息を吸って、
② 肺に空気が入って、
③ その空気が出て行こうとして声帯ヒダを震わせて、
④ それにより「ブーーという響き」が創られ、
⑤ 咽頭(喉)の部分でその「ブーー(響き)」が「声」に変わり、加えて 母音が創られ、
⑥ 口の中で子音も加わり、
⑦ 唇(もしくは鼻孔)から、めでたく出て行く
・・・までの一連のできごと。
( ↓ 過去記事もぜひ読んでみてください ♪)
人間って、
生まれた直後から声を出していますよね。
産声は、全人類にとって、その人が最初に発した「声」。
「生きている」証(あかし)。
だから、その産声以降、
声が出るのは「当たり前のこと」として、
あまり深く考えることもなく
日々暮らしている方も多いと思います。
でも、実は、上記リンク記事にあるように、
もーーーーーーぉのすごく 精緻で奇蹟的な仕組みの働きで、
私たちの声は創られているのです。
例えば。
音階の「ラ」の音を、1秒間、声にしてみてください。
「ラ~ ♪」
やってみましたか?
あなたが今、1秒間「ラ~ ♪」と素敵な声を響かせた間に、
あなたの喉ぼとけの内側にある声帯は、
1秒間に440回振動しているのです。
繰り返します、1秒間に440回振動しているのです・・・
もう、どうなっちゃってるのか想像もつかない、
自分の喉の中のことなのに・・・・
でも確実に行われているから、声が出ているわけで。
そんな、すごい事が行われているだなんて、
直接感じることはどうやったってできないけれど、
そのことを知って、自覚して、出す声は、
丁寧に響くはずだと、
私は感じています。
反対に
自覚なく、ただ”音”として
無造作に口から洩れるだけの声は
意図がないから、エネルギーも乗らない。
人の心を動かすことは難しいのではないかとも。
そして、声を出したあとのこと。
声を出したあと、というのは
自分の声が、唇から出て行ったあとのこと。
この、出て行ったあとの声が
相手に届くことになるので、
とても大事なことなのですが、
この、「唇から出ていったあとの声」のことを気に掛けている人が、
意外と少ないのです。
ここからが本番なのに~~~~!!(笑)
今回の講座では、
自分の声を事前に録音して 聴いてきて頂いたのですが、
殆どの方が、ご自身の声を
あまり嬉しく感じていらっしゃらないようでもありました。
ふだん、私たちは
頭蓋骨の中に響く「骨伝導」の音が加わったものを
”自分の声だ”と感じているのですが、
他の人に聴こえる声は、
その「骨伝導」加わっていない音になります。
だから、
録音を通すと、
普段聴き慣れている、頭蓋骨の「骨伝導」が加わった声ではない声を
聴くことになるので、
”自分が普段聴いている自分の声とは違う!!”
と、違和感を感じてしまうのですよね。
でも。
それが、紛れもなく
あなたが他の人に届けている「声」の「音色」なのです。
声に、良いも、悪いも、ない。
全ての声は、その人の「命の音」です。
でも、自分で
その声の音色だとか、喋り方のクセだとかを
「ちょっと・・・どうにかしたい・・・」と
思うのなら。
変えていくことは、できます。
もう少し言うと、
それを自覚的に、
相手にはどう伝わるのかに想いを至らせて
「声を出した後」のこともちゃんと見届ける、
ということが、とても大切だと思うのです。
少し大げさな言い方をすると、
相手にどんな風に届くのか、まで責任を持つ
ということ。
ちゃんと届いているか
伝わりにくくないか。
届いていなければ、ちゃんと届ける努力をする。
伝わっていなければ、伝わるように工夫をする。
自分の声を届けようとすることは、
相手を想うことに繋がります。
その、「相手を想う気持ち」が
きっとどうやら世界平和の第1歩なのだよなぁって
最近の私は感じています。
ちなみにですね、
私たちの声帯の響き、そこから生まれる声の音自体は
簡単には変わらないのですが、
「出し方」1つで全く違う声にしていくことも、できます。
(↓ またもや過去記事登場~)
ここまでツラツラ書いてきましたが、
実は、今回のセミナーでお話しさせてもらったことを、
受講して下さった方がご自身のnoteにまとめて下さっています♡♡♡
(とっても嬉しい !!!!)
本当に、とてつもなく素晴らしい文章力で、
すぅーーーっと入ってくる言葉を並べて愛溢れる表現をしてくださっています。
こちらもぜひ読んでみてくださいね!
(私のこのnoteより伝わるかも・・・^^)
それではまた!