ブレスの吐き方
こんばんは。こえさがすくじらです。
今回は、歌う時の息の吐き方のコツについてお話しします。
それではまいりましょう。
1. 肺の話
肺は、息を吸ったら空気が入るところですね。
これは、みなさんが知るところ。そして、今日1つ覚えて帰って欲しい事。それは、肺は「ほっとくと縮む臓器」、だということです。
これが故に、吸った息は、何も力をかけずにいると、肺自身の収縮作用で外に吐き出されてしまうのです。
2. 歌う時に意識する事
吸った息は、勝手に外へ出ていきます。これは、歌を歌う時にはどのような意味を持つでしょうか?
歌を歌う時、即ち、発声が行われるときというのは、当然、息を吐いています。そして、声をコントロールするということは、息をコントロールするということです。
コントロールすべき物が「勝手に」外へ出ていくのは、あまりよろしくなさそうですよね?
3. 制御するということ
下の図を見てください。
左側の図は、斜面を滑り落ちる箱を、斜面下側から支えている図です。
対して、右側の図は、同じく斜面を滑り落ちる箱を、斜面上側から更に押している図です。
より箱の滑り落ちる速度を制御できそうなのは、左側の図ではないでしょうか?また、右側で仮に制御が可能だったとして、元々の箱が滑り落ちる速度よりも「遅い速度」に制御することはできないでしょう。
息を吐く時にも同じことが言えます。
肺は全体的に縮むので内側、そして上の口が開いているので、どちらかと言えば上方向へ向かって力がかかっているでしょう。
先ほどの箱の速度制御に照らして考えると、力のかけ方は、内側・上方向の反対である、「外側・下方向」に力をかけることで、制御が可能になります。
理屈を考えればシンプルな話ですが、息を吐くという行為が余りにも当たり前すぎて意識をすることができていない、というのが実情ではないでしょうか?
お腹や胸を内側に絞り込むようにして発声している人は結構多いように感じます。もちろん、表現の仕方によっては、そのようにする場合もあります。
ただ、ベースの考え方としては、下図のようにイメージすると良いでしょう。
三角マークは、その位置における息の残り量を示しています。
左図では下方に、右図では上方に息がたくさんあるイメージです。(あくまでイメージの持ち方の話です)
左図のように息を残すイメージであれば、必然的に、外側・下方向に意識する事になると思います。直接的に、外側・下側に力を加えるイメージを持っても構いません。肺の位置はもっと上なのですが、下腹辺りで外側・下方向に意識するとやりやすいです。
このようにすることで、呼気量の調節がしやすくなります。
また、残呼気量の最後の最後まで速度コントロールができるので、フレーズの最後の処理がキレイになります。
逆に、右側のイメージを持つと、実際は上は空いているので、制御されていない呼気がドバっと出てしまいます。
両方とも試して、イメージ・力の向きによる呼気量のコントロール感の違いを体感してみて下さい。
4. まとめ
では、今回のまとめです。
1. 肺は縮みたがる臓器
2. 逆向きの力で制御する
3. 下腹辺りで外側・下方向に意識する
です。
では、次回もお楽しみに♬
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