婚活8日目
慶太と別れてから瑠璃は家に帰りお風呂にくつろぎながらスマホを触りR.Kと言うアプリをダウンロードしてみた。
『何これ!?自分の個人情報を入力するの』
そのアプリは名前・性別・趣味など一般のプロフィールなどとかなりの項目数があった。
あなたの学生時代の部活動は?
『剣道』
あなた一番お金を使っている物は?
『猫・食べ物』
無我夢中で情報を入れ続ける事2時間が経過した。
気が付けば、夜も更け深い眠りへとついた。
翌日、出勤でこの日は遅番勤務であった。
瑠璃は介護福祉士と働いて6年目となるベテラン?ではなく、同じ仕事はしているが度重なる人間関係などで職を転々としていた。
休憩中一人で食堂でお昼を食べていると周囲の声が耳に入って来る。
「うちの旦那さー。全く料理できなくてもう嫌になっちゃうわ。子供もそろそろ小学校にあがると言うのに家事の一つぐらい本当に手伝って欲しいわ。やることって言ったら子供を公園に連れて行くぐらいよ。もうーうんざりするわ」
パートのおばさんがさらっとそのような事を言う瑠璃は一人で昼食のまかないのうどんをすすりながら聞こえないふりをしていた。
当たり前であることがどれだけ幸せな事なのか彼女らにも知ってもらいたかった。
仕事が終わり、スマホをチェックするとR.Kと言うアプリから通知が入っていた。
『何かしら?これ通知なんて来るの?』
昨日、ダウンロードしたアプリはただダウンロードするだけで登録完了となり何もできず、使い方も記載すらされていなかったためこれには驚いた。
『今日のあなたのミッションは猫の餌を買いに行ってください?あら、切らしてたかしら?』
昨日、かなり多くの項目があったため何を入力したのかすら覚えていなかった。
『えーでも、買いに行かなきゃだめかー』
瑠璃の買っている2匹の猫は食べ物の好き嫌いが激しく、最寄り駅から徒歩30分の道のりに売っているキャットフードしか好まないのであった。
仕方なく、仕事帰りにこの距離を歩き買いに行ったのだが、キャットフードは1か月分は残っていた。
『何よー。全然残ってるじゃない。騙された~』
そして、次の日も遅番であったため昨日と同じぐらいの時間にスマホを開き通知を確認するとこのように記載されていた。
『アイシャドウの相場を入力してください?』
瑠璃は適当に金額を入力してみるが、毎回✖と表示されてしまう。