三遊亭天歌さんの告発に思うこと
私が落語を聴くきっかけとなった二人の噺家
私が落語を聴くきっかけとなったのは、桂朝丸師匠(現在のざこば師匠)と三遊亭歌之介師匠(現在の圓歌師匠)でした。桂朝丸師匠は私の通う高校の落語研究会が参加した落語発表会の審査員に2年連続で招かれ、それぞれお手本として「桃太郎」と「青菜」を口演しました。
そして、今のように寄席に通うきっかけとなったのは三遊亭歌之介師匠が主任の平成23年4月2日の新宿末廣亭昼の部でした。当時は何のネタをやったかなどはわかりませんでしたが、幸いにも同じ芝居を聴いた方がブログに上げていました。
扇「真田小僧」
歌太郎「子ほめ」
東京ガールズ「俗曲」
駿菊「弥次郎」
扇治「堀の内」
遊平・かほり「漫才」
扇生「強情灸」
左橋「親子酒」
和楽社中「大神楽」
錦平「壺算」
小ゑん「鉄の男」
猫八「物まね」
文楽「看板のピン」
仲入
歌る多「宗論」
笑組「漫才」
圓丈「新・蝦蟇の油」
歌武蔵「支度部屋外伝」
紋之助「江戸曲独楽」
歌之介「幕末龍馬伝」
この芝居での三遊亭歌之介師匠の「幕末龍馬伝」を聴いて寄席に通うようになりました。
三遊亭天歌さんのブログから察したトラブル
三遊亭天歌さんについては、黒門亭で「寺の冷蔵庫」というネタを聴いたのが印象に残っています。アンジャッシュの漫才風の落語で面白い新作を作る噺家さんだということで印象に残っています。この三遊亭天歌さんと三遊亭圓歌師匠との間のトラブルが週刊FRIDAYで報じられました。
実は、このトラブルについては、三遊亭天歌さんのブログでかなり早い時期に察知して、裁判所に事件が係属していないか確認を続けていました。事件が係属していないことだけは確認することができたものの、現状どうなっているのか掴めずにいたのがこれまでの流れでした。
寄席の客席の末席から一言
噺家さんは真打になれば弟子をとることができるようになりますが、落語協会で言えば、柳家喬太郎師匠のように弟子入り希望が多いであろうと思われるのに弟子をとらない師匠もいれば、林家正蔵師匠や柳家花緑師匠のように多くの弟子をとっている師匠もいます。その中で三遊亭圓歌師匠については、廃業する弟子が多いことが気になっていました。
最初の弟子の三遊亭ありがとうさんが二ツ目昇進が決まった後に廃業、三番目の弟子の三遊亭しあわせさん、四番目の弟子の三遊亭歌りんさんも廃業し、現在の弟子は三遊亭天歌さんと三遊亭歌実さんとなっています。それらのお弟子さんの廃業の詳細については、客席にいる者まで伝わってくることがありません。破門により廃業した柳家初花さんや体調不良のために廃業した林家扇さんのように廃業の詳細が本人のSNSで伝えられるという例は稀です。そのほとんどは、協会の公式ウェブサイトの所属芸人一覧を見て名前が消えていることで廃業していることを知るのです。
落語協会から離れて落語芸術協会に移った噺家さんはいらっしゃいますが、落語芸術協会の弟子入りの年齢制限は35歳までとなっており、40歳の三遊亭天歌さんは落語芸術協会に移ることはできません。また、弟子と師匠の絆は特別のものですから三遊亭天歌さんを受け入れてくれる師匠なら誰でもいいというわけでもないでしょう。非常に難しいと思いますが、三遊亭天歌さんが噺家を続けていきたいという気持ちがあるならばそれが叶えられるよう願っています。そして、三遊亭圓歌師匠の落語がきっかけで寄席見物に行くようになった私としては、勝手な願いになりますが、三遊亭圓歌師匠の落語を聴いても笑うことができないような結末にならないような解決がなされるよう願っています。