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訴え取下げ後もなされていたある審理 ~松本人志「性加害」名誉毀損裁判 3~

甲第6号証への閲覧制限請求について

 民事訴訟は、原告の松本人志さんが訴えを取り下げ、被告の株式会社文藝春秋と週刊文春編集長の竹田聖さんが取下げに同意する形で終結していましたが、実は民事訴訟の審理は訴えの取下げをもってしても完全には終わっていなかったのです。
 実は、甲第6号証の閲覧制限請求に対する決定が民事訴訟の取下げ時点ではなされておらず、民事訴訟が終結してから一月経過した12月の時点で決定がなされていました。結果は閲覧制限請求の却下でした。
 この甲第6号証は、ある暴露系のXアカウントのポストで、週刊文春に対して松本人志さんの性加害を告白したA子さん、B子さんの氏名を記載しているものでした。そして、甲号証ですから松本人志さんが裁判所に提出した書証となります。私は、てっきり彼女らを情報源として利用した週刊文春が彼女らの身の安全を考えて閲覧制限請求をなしたものであろうと何となく考えながら裁判記録を閲覧していましたが、請求者の欄を見て驚きました。「甲第6号証を閲覧することができる者を当事者に限る」旨の閲覧制限請求をなしていたのは松本人志さんで、週刊文春は一切閲覧制限請求をなしていなかったのです。松本人志さんは、A子、B子の身体等の安全が損なわれるおそれがあるとして自らの「性加害」を週刊文春に訴えた者に対して配慮していました。
 このことは週刊文春が情報源を守ろうとする意識が皆無であることを示していますし、週刊文春のこのような姿勢は、公人ではない木原誠二衆議院議員の妻を何らかの事件の容疑者のように扱ったいわゆる「木原事件」の記事においても、取調官のプライバシーを明らかにしてソースの貧弱さを補おうとしている姿勢と繋がるものがあります。
 それは、週刊文春が福岡の教師によるいじめでっち上げ騒動の時点から報道被害そっちのけで記事を書くという姿勢は一貫しているということでもあります。