名古屋高等裁判所金沢支部の判決で確定したとある民事訴訟の地方裁判所での本人調書
本人調書
裁判所書記官 村上(印)
(この調書は、第1回口頭弁論調書と一体となるものである。)
事件の表示 (略)
期日 令和3年7月12日 午後1時30分
宣誓その他の状況
裁判官は、宣誓の趣旨を説明し、本人が虚偽の陳述をした場合の制裁を告げ、別紙宣誓書を読み上げさせてその誓いをさせた。
別紙反訳書のとおり
以上
本人調書 原告X1本人 被告Y訴訟代理人の反対尋問
被告訴訟代理人「先ほど、しばき隊リンチ事件という言葉についてちょっとお話が出たと思いますけれども、しばき隊って、要はもちろん昔は実際に一応ちゃんとしばき隊って存在があるけれども、ただその一方で、いわゆるカウンター活動をやっている人たちですね、全体としてしばき隊とか、そういうしばき隊界わい、そういう呼ばれ方することも多いんですよね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「そうすると、いわば、狭義のしばき隊とそれから広い意味におけるしばき隊みたいな使われ方が二通りあるってことですね。」
X1「そういうことになると思います。」
被告訴訟代理人「乙20号証、21号証で、いわゆるしばき隊リンチ事件といわれている事件については、判決もうお出ししているんですけど、あれに出てくる当事者、被害者と加害者といわれている人たちというのは、全員がいわゆるカウンター、反差別活動に従事していた人ですよね。」
X1「いわゆるしばき隊リンチ事件の加害者と被害者が全員カウンターにいるということですか。」
被告訴訟代理人「はい。」
X1「そのとおりです。」
被告訴訟代理人「リンチって、どういう意味か知っていますか。」
X1「直訳すれば私的制裁。」
被告訴訟代理人「そうですよね。特に法的な根拠なく暴力を振るって、痛めつけることを言うわけですけれども、この事件で起きてることというのは、殴られた人っていうのは裁判所の命令などで法的な手段を経て殴られたわけではないですよね。」
X1「そうです。ただし、あのとき感じたのはいわゆる」
被告訴訟代理人「僕聞いてないんで。」
X1「よろしいでしょうか。あのとき高島弁護士が出したリンチという言葉に私が感じたのはいわゆる70年代の」
被告訴訟代理人「質問していないことに答えるのやめてください。」
裁判官「言ってください。」
X1「はい。あのとき高島弁護士がリンチ事件と言ったリンチというのは、私の受取ではいわゆる70年代の日本赤軍(筆者注:尋問ママ)同様の極左のリンチ事件を喚起させるような物言いだったので、隣地は違うと私は言いました。」
被告訴訟代理人「あなたはそういう立場なのね。そうするとカウンターに対する批判についてあなたはどういうふうに考えていますか。カウンター活動というのは、反差別活動としてあるんだけれど、それはやりすぎではないか、過激すぎるんじゃないかと批判があるのは御存じですよね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「そういう批判についてあなたはどうお考えですか。肯定的に考えているのか、それとも批判はあるけど結局受け止めなきゃいけないという考えか、それともカウンター活動を批判すること自体がとんでもないというふうにお考えなのか、どちらですか。」
X1「カウンターのやり方を批判するのはそれは議論ですので、いいかと思います。ただし現実問題として、カウンター批判が、いわゆる引き金となって差別が助長される、ヘイトスピーチがやっぱりあおられるという現実もあります。そういった意味では、カウンターの手法を批判するときは、和退社気を付けなければいけないと思っております。もちろん批判が駄目とは言いません。」
被告訴訟代理人「でもあなた『カウンター批判は差別を助長するの、もっと現実を見て勉強して欲しい。自浄作用?そんなの他人に求めるな。お前はどうなんだ?』ってツイートしてますよね。覚えていないの。」
X1「見せてください。」
乙第1号証(ツイート(2015.11.20))を示す
被告訴訟代理人「この@丙(仮称:X1のツイッターアカウントその1)っていう、これ、あなたのツイートですよね。」
被告訴訟代理人「これツイートしていること覚えてないですか。」
X1「覚えています。」
被告訴訟代理人「これはだから要するに、あなたのお考えの方としては、カウンターに対する批判はとんでもないものだというふうにお考えだと、そういうことじゃないですか。」
X1「もうちょっとゆっくりしゃべっていただけませんか。よく聞こえませんので。」
被告訴訟代理人「乙1号証のツイートですけども、このツイートはあなたのお考えをそのまま書いたということですね。」
X1「そうですね。」
被告訴訟代理人「乙2号証の@k3_neoprotesterというアカウント御存じですか、ツイッターアカウント。」
X1「見たことはあります。ちょっと誰かははっきり、ちょっと断言はできないですけれども。」
被告訴訟代理人「在日韓国人の方々が作っているユニットとしてのアカウントだという御存じないですか。反ヘイト活動、反差別活動とかカウンター活動についてよくツイートしてる。」
X1「思い出しました。確か、いわゆる高島弁護士が言っている、リンチ事件の被害者を支援すると言いましょうか、そういった立場の人だったと覚えております。」
被告訴訟代理人「例えば、インターネット上において、あなたは人のことを強い口調で侮辱罵倒するようなツイートしたことありますか。その人にダイレクトに宛てなくてもいいですよ。読んだら当然、その人侮辱されたと思うような。」
X1「ちょっと言葉が過ぎることはあったと自覚しております。」
被告訴訟代理人「あなたはツイートにおいて潰すという言葉について、誰かを潰さなきゃいかんということ言われたことありますか。」
X1「あります。」
被告訴訟代理人「潰すってどういう意味ですか。」
X1「まあ、黙らせるとか、そういったニュアンスで使いました。」
乙第5号証(ツイート(2018.8.20))を示す
被告訴訟代理人「『特に森奈津子、当事者かもしれんが、こんな奴は潰さないとダメだろ。運動の邪魔』これどういう意味ですか。『当事者かもしれんが』ってどういう意味ですか。」
X1「そのとき私が伝え聞いた情報では、森奈津子氏がLGBTの当事者だと聞いておりましたので、かもしれんなとツイートしました。まあもちろんそれは確認したわけではありませんが。」
被告訴訟代理人「運動の邪魔ってどういう意味ですか。」
X1「運動の邪魔というのは、そのとき確か、ちょっと年数、おととしぐらいかな、そのツイートしたの何年ですか。」
被告訴訟代理人「2018年8月。」
X1「2018年7月に自民党の杉田水脈氏がLGBTの当事者を差別するような発言がありました。それに対して、いわゆるカウンター活動といいましょか、抗議活動が起こったわけですけれども、森奈津子氏はその行動について、例えば旗の揚げ方が違うとか、別に揚げ方が間違っていたわけではないんですけれども、その旗を、LGBTの連合フラッグの上下逆だとか、いわゆる運動抗議している人たちが何ら間違っていないのに、あたかも間違った活動している、あるいは何も知らないでそいういう活動しているというとうな感じで、いわゆる嘲笑といいましょうか、そういうばかにするようなツイートをしたと記憶しています。それで、そういうちょっと私も頭にきまして、そういうツイートをしました。ただ、潰すという表現はちょっと誤解を招く表現だったと反省しております。」
被告訴訟代理人「森奈津子さんのこのツイートについてどう思いますか。森奈津子さんがこのツイートみたら、潰すというふうに。」
X1「どう思ったかはわかりませんけれども、まあこのツイート受けて森奈津子氏はまた、私の住所や所属している丁(仮称:勤務先の種別)をネットで公表しました。それによって、また嫌がらせがありました。
被告訴訟代理人「僕はあなたの認識を聞いているんですよ。誰かに潰すというツイートされた場合、潰すと言われた人はどういうふうに思うというふうに、あなたは思いますかと、あなたの認識を聞いています。」
X1「別に潰すと言われても何とも思わないと思いますが、私がもし潰すと言われても、それはそんな命の危険とかは感じません。」
乙第8号証を示す
被告訴訟代理人「こちら@戊(仮称:X1のツイッターアカウントその2)ですね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「『あーウンコウンコ、ウンコな意見だわ。これで弁護士だなんて笑っちゃうな。な、青葉』とあるんですけど、他人の意見をなぜうんこ呼ばわりしてるんですか。」
X1「そのどなたが、その弁護士である人が何かツイートしたかと思います。それがあまりにひどいツイートだったので、そういう表現をしました。」
被告訴訟代理人「そうすると、ひどい表現について、排せつ物呼ばわりしてツイートしても別に構わないんだと、それがあなたの認識なんですか。それぐらい普通の範疇。」
X1「あまりにもひどいツイートに対しては、思わずそういうツイートしてしまいます。」
被告訴訟代理人「先ほど、森奈津子さんの話の絡みでいくと、LGBTの差別の話がちょっと出たじゃないですか、LGBTについてあなた差別の発言したことありませんか。」
X1「ないです。」
乙第26号証(ツイート(2018.1.14))を示す
被告訴訟代理人「ちょっと、字が小さくて申し訳ないんだけど、@戊(仮称:被告のツイッターアカウントその2)ってこれあなたのアカウントですよね。
X1「はい。」
被告訴訟代理人「『タコヤくんお気に入りの美香さんだけれども、このツイートの画像を検索してごらん。おおよそ大和撫子には似つかわしくないもの出てくるんだけど、そもそも、この美香さん、女性なのかな』って書いてあるんですけど、これトランスジェンダーの人をばかにする表現だというふうに思いませんか。」
X1「思いません。私はそのつもりでツイートしていません。」
被告訴訟代理人「つもりじゃなくて、相手はどう受け取るかですよ。相手の美香さんっていう人ですかね、この人がこのツイート見た場合にどのように受け取ると思いますか。あなたの認識を聞いているんじゃなくて、この人が受け取ったらどういうふうに思われるかって、あなたの認識を聞いています。」
X1「分かりません。」
被告訴訟代理人「あなた他人のことをネトウヨ呼ばわりしたことありますか。」
X1「あります。」
被告訴訟代理人「ネトウヨってどういう意味ですか。」
X1「ネット上で保守的な言論する人たちのことです。ネット右翼の略です。」
被告訴訟代理人「保守的なってどういう意味ですか。」
X1「自民党寄りの、あるいは、外国人を排斥するようないわゆるヘイトスピーチをあおるようなそういった思想を持っている人たちです。」
ひこくそしょうだいりにん「それはあなたはじゃあ、あなたは己(仮称:h時刻Yのツイッターアカウント)っていうのは当時のアカウントですけれども、これがそういう自民党寄りの発言したりとか、それから差別発言するっているの、あなたご覧になったことあるんですか。」
X1「あったと記憶していますけれども。」
被告訴訟代理人「例えば、どういう発言ですか。」
X1「細かいことは覚えていませんけど。」
被告訴訟代理人「でも、ネトウヨ呼ばわりしたことありますよね。」
X1「はい、そうですね。だからネトウヨ呼ばわりしたということはそういうツイートをしたんだと思います。」
被告訴訟代理人「先ほど言った、いわゆるしばき隊リンチ事件という言い方しますけれども、あの事件について、加害者側ですね、暴力を振るった側の批判をするようなツイートされたことはありますか。」
X1「ツイートではしたことはありません。」
被告訴訟代理人「なぜしたことがないんですか。あなたはその暴力事件を聞いてもひどいなと、そういうふうに思わなかったんですか。」
X1「それよりも、起こっていもないそういうリンチ事件をあおることによって、カウンターの人たちが暴力的な集団というそういう認識が広まるのを止めようと思っていましたので、そこまでは加害者をひはんするまでには至りませんでした。」
被告訴訟代理人「起こってもいないと言っていますけど、人が殴られたという現実としてあるっていうふうに受け止められたんですか。」
X1「それはもちろん知っております。受け止めております。」
被告訴訟代理人「けがしてますよね、かなりね。」
X1「はい、そうです。」
被告訴訟代理人「顔腫れた写真御覧になりましたよね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「あれがねつ造だとか、フェイクと。」
X1「それは思いません。」
被告訴訟代理人「そしたら現に人が殴られてひどいけがをしている人もいて、裁判上も一応略式だけど、判決受けている人がいたり、民事、損害賠償しているのご存じですよね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「それなのに、なかったリンチ事件ってどういう意味ですか。」
X1「リンチ事件としてはなかったわけで、暴力事件としてはあったと認識しております。」
被告訴訟代理人「それどう違うんですか。リンチ事件と暴力事件というのは。その暴力って何か法的な暴力じゃないでしょう。要するに、70年代とかそういう何て言うかな、学生運動のもっと華やかし頃に起きたリンチ事件と同列のものとして扱われるのが嫌だったから。」
X1「そういうことです。」
被告訴訟代理人「要するに、あなたの方としては、実際に被害者のことの立場とかそれを慮るよりも、カウンター全体という立場がそうなるかということを考えた上で、これはもう加害者の側の方を批判するということは、カウンター運動にとってよろしくないと。リンチ事件って名前が定着するのもカウンターとしてよろしくないという判断から、被害者側ではなくて、加害者側の方を擁護するようなツイートされたとそういうことですか。」
X1「私、加害者用語するようなツイートってあまりしていないと思いますけれども、どうでしょうか。」
被告訴訟代理人「あまりしてないんだったら、したことはあるんですか。」
X1「ちょっと記憶がありません。加害者を擁護するとうなツイートがあればちょっと提示してほしいと思います。」
被告訴訟代理人「加害者側について、今回の問題を大きくすること自体について批判的なツイートしたことありますか。リンチ事件について大騒ぎすることについて、批判的なツイートしたことありますか。」
X1「リンチ事件と大騒ぎすることについて、それを批判するツイートということですか。それは、それを止めようと、変なイメージを付けられるの嫌だったんで、それはあります。」
被告訴訟代理人「その変なイメージ付けるのいやだというのは、要するにカウンターと言われる運動界わいに暴力的なイメージが付くのが嫌だった、そういうことですか。」
X1「はい、そうです。」
被告訴訟代理人「その人がけがしたことよりも、そっちのが大事だったと、そういうことですね。」
X1「そういうことは言っていませんけれども。」
被告訴訟代理人「言っていないかどうかじゃなくて、あなたの内心を聞いています。」
X1「私は暴力事件によって被害に遭われたことも重要なこと、重要って言いましょうか、非常にひどいことだと思っております。」
被告訴訟代理人「思っているけども、でもやっぱりカウンター全体のイメージを悪くすること考えていたら、ツイートするほどのことではないよねというふうにお考えになった、そうですね。どっちを選んだかって言うと、カウンター全体としての名目という、メンツ、イメージを守ることを優先したということですよね。ツイートの面においては、少なくとも。」
X1「メンツを守るというのはちょっと違うような気がいたします。」
被告訴訟代理人「イメージでもいいですよ。カウンターというもののイメージを守ることを優先したということですよね。被害者に対して同情的なツイートするよりも。」
X1「優先したとは違います。優先したわけではありません。」
被告訴訟代理人「現に加害者を批判するツイートはしていませんね。」
X1「ツイートはしていないかどうかはちょっと記憶がありませんけれども、ただ、友達との会話で加害者を批判したことはあります。」
被告訴訟代理人「ツイッターを通じて表明したことはないですね。」
X1「それはないです。」
被告訴訟代理人「先ほど奥様が今回の件で刑事告訴した人がいたという話、今回あなた方丁(仮称:勤務先の種別)に対する嫌がらせで刑事告訴した人がいたと言いましたけれども、それはY(仮称:被告)さんのことではありませんね。」
X1「違います。」
被告訴訟代理人「誰のことですか。」
X1「黙秘できますか。」
被告訴訟代理人「答えたくないなら答えなくても。」
X1「こたえないといけないです答えないといけないですか、それ。」
被告訴訟代理人「Y(仮称:被告)さんじゃないというふうに回答してもらえれば、こちらとして十分です。」
X1「Y(仮称:被告)さんではありません。
乙第23号証を示す
被告訴訟代理人「『『反差別』という差別が暴走する』というニューズウィークの記事なんですけども、読まれたことありますか。」
X1「ないです。」
被告訴訟代理人「こういうカウンターに批判的な文章には興味がないということですか。」
X1「決してそういうことではありません。」
被告訴訟代理人「あなたはツイッターのアカウントに @nopasaran2016 という方を御存じですか。」
X1「はい、知っています。」
被告訴訟代理人「 @ngo052 という方御存じですか。」
X1「はい、知っています。」
被告訴訟代理人「会って食事したことありますよね。」
X1「あります。」
被告訴訟代理人「そのときに愛媛県在住の合田さんのところに3人で電話を掛けたことありませんか。」
X1「私は掛けていませんけれども、どなたか、そのどちらかが電話したことは記憶しています。」
被告訴訟代理人「その場で、結構何回もしつこく電話しているの覚えてますよね。」
X1「そんなにしつこく電話していたような記憶はありませんけれども。」
被告訴訟代理人「今言われた @ngo052 という方なんですけど、今日、傍聴席にお見えになっていますか。後ろ向いていただいて結構ですよ。」
X1「来ていません。」
被告訴訟代理人「 @nopasaran2016 は来ていますか。」
X1「来ています。」
被告訴訟代理人「どちらの方ですか。」
X1「これ言わないと駄目ですか。」
被告訴訟代理人「ええ、言ってください。ワイシャツの色でも結構。」
X1「プライバシーに関することですので。」
被告訴訟代理人「プライバシーでも何でもありません。ここは法廷ですから、本名でもありませんし。」
原告ら訴訟代理人「異議があります。言いたくないことは言わなくてもよいはずです。」
被告訴訟代理人「言わなくていいってそんな尋問ルールあるんですか。言わなくてもいいことは言わなくてもいいなんて尋問ルールあるの初めて聞いたんですけど、本当に司法試験受かっているんですか。そんなのありえないですよ。答えてください。ワイシャツの何色の人ですか。白色のシャツの人ですか。傍聴席にいる。はいかいいえで答えてもらえば十分。」
X1「・・・」
被告訴訟代理人「じゃあ、ねずみ色のシャツを着ている方ですか。はいかいいえで答えてください。」
X1「・・・」
被告訴訟代理人「そうすると @nopasaran2016 、 @ngo052 という方々は、あなたの言うところのカウンターの仲間の方ですよね。」
X1「はい。」
被告訴訟代理人「カウンターつながりのお友達と認識してよろしいでしょうか。」
本人調書 原告X1本人 原告ら訴訟代理人追加尋問
原告ら訴訟代理人「まず高島弁護士が名前を付けたしばき隊リンチ事件の被害者の方についてなんですけど、被害者の方に対しては正直どう思っていらっしゃいましたか。」
X1「ひどく殴られたわけですから、大変な思いをされたなと思っています。」
原告ら訴訟代理人「それでは、高島弁護士がその写真を出したんですよね。」
X1「はい。」
原告ら訴訟代理人「その高島弁護士が写真を出したことについては、どう思いましたか。被害者の真意に沿うものだと思いましたか、思いませんでしたか、疑いがありましたか。」
X1「疑いがあった、分からなかったというのが正直なところです。本当に被害者の方が出したのかどうかというのは、ちょっと分かりませんでした。」
原告ら訴訟代理人「それでは先ほどもありましたけれども、リンチ事件と暴力事件の違いって何ですか。」
X1「暴力事件というのは、それこそ喧嘩、あるいは、もちろん個人同士のトラブルによるいわゆる暴力沙汰それは暴力事件だと思います。一方のリンチ事件というのは、いわゆる組織で起こった暴力事件、集団的な暴力事件、やっぱりリンチというものは、組織が背景にあると思います。」
原告ら訴訟代理人「例えば組織というのは、思想的な背景のある組織であるとか、学校組織であるとか、職場の組織であるとか、リンチは思想というよりは組織なんですかね。組織というよりは思想なんですかね、原因は。」
X1「組織と思想にあると思います。」
原告ら訴訟代理人「それではしばき隊リンチ事件と言われている傷害事件については、その組織の構造とは何ら関係のない事件であるからデマであるというふうにお考えだったんですね。」
X1「はい。そもそもカウンターは組織ではありません。」
乙第5号証を示す
原告ら訴訟代理人「それでは先ほど乙号証がいくつか示されましたけれども、まず乙5号証ですね。『森奈津子からはブロックされているので、詳しく知らなかったんだけど、森奈津子とその取り巻きとにかくダサいな。特に森奈津子、当事者かもしれんが、こんな奴は潰さないとダメだろ。運動の邪魔』ってあるんですけれども、特に森奈津子さんに対してはこの後、何らか言及したり、その後ありましたかね、記憶はない。」
X1「ないですね。特に、そのもうひとつの被告の方が出された、いわゆる言葉悪いですけれども、森奈津子とろくでなし子に対して、クソババアとと言いたくなるというツイートがあったと思います。それはそのあとでしょうか、ちょっとその辺記憶がないです。」
原告ら訴訟代理人「そうですね。乙4号証は2017年9月13日でその前ですね。」
X1「そうですか。」
原告ら訴訟代理人「森奈津子さんのどのような活動について、問題視をしていたんですか。」
X1「先ほどもちょっと言いましたけれども、いわゆるLGBTの人たちのいわゆる抗議活動、先ほど杉田水脈さんのLGBTの差別に対して抗議活動が起こった、そういう活動に対して、いわゆる先輩風を吹かすと言いましょうか、上から目線と言いましょうか、そういう感じでえらそうなものの言い方で、いわゆる一生懸命抗議活動している人たちをあざ笑ったり、何も知らない連中がやっているみたいな、そういうことを言うので。」
原告ら訴訟代理人「上から目線ということは、もしかして森奈津子さんってLGBTにとても詳しい方なのですか。」
X1「それはちょっと分かりませんけれども。」
原告ら訴訟代理人「フォロワー数、森奈津子さんって多いんですかね。」
X1「多いです。」
原告ら訴訟代理人「どのような活動で有名な方なんですか。」
X1「何か小説執筆していると聞いております。」
原告ら訴訟代理人「小説を執筆している有名人であると、森奈津子さんは。」
X1「はい。」
原告ら訴訟代理人「ろくでなし子さんも、言うまでもなく有名人であるということですよね。」
X1「はい。」
乙第1号証を示す
原告ら訴訟代理人「あと気になるのが、乙第1号証なんですけれども、『坂本氏の言動はヘイトスピーチじゃないし、カウンター批判は差別を助長するの。もっと現実を勉強して欲しい。自浄作用?そんなの他人に求めるな。お前はどうなんだ?』とカウンター批判は差別を助長するのとツイートされてるんですけれども、これだけ言ってるわけじゃなくて、この前後についてもカウンター批判について何か論考を展開されていた記憶はありますかね。」
X1「その前後のツイートはちょっとよく覚えていませんね。何かカウンター批判することによって、カウンターのやり方を批判することによって何かヘイトスピーチ、ヘイトツイート、要するに差別先導(筆者注:調書ママ)のツイートが起こったとか、そういう状況があったと記憶しています。あったのかも分かりません。申し訳ない。ちょっと記憶曖昧です。」
原告ら訴訟代理人「ちょっと記憶が曖昧だけれども、X1(仮称:原告の氏)さんのこのツイートはその状況に応じて、なされたツイートである、そういう風に記憶しているということですね。」
X1「はい。」
原告ら訴訟代理人「そしたら、そのすべてのカウンター批判は、すべての場合において、差別を助長するというふうに考えていらっしゃるわけではないですよね。」
X1「はい、そうです。」
原告ら訴訟代理人「それはもちろんそうだということですよね。」
X1「はい。」
以上