政治家女子48党の代表者変更登記の却下が不思議ではない点について
政党交付金の交付を受ける政党等の代表者変更登記の添付書類について
政治家女子48党の代表者変更登記申請を受任したと思われる可陽麻里布司法書士が政治家女子48党の登記申請について次のように述べています。
私は、政治家女子48党の代表者変更申請は難しいと思っていましたし、司法書士ではありませんが、法務局の見解は正しいと思っています。それは、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第7条の2第2項に基づき大津綾香さんの記名押印が必要であるからです。
つまり代表者の変更があった場合には、代表者の変更があったことを証する書面の添付が必要で、その書面には代表者等の記名押印が必要ということになります。誰が記名押印しなければならないかを事例を挙げれば次のようになります。
政党A 変更前の代表者 甲、乙 変更後の代表者 甲、丙 のとき
甲の記名押印が必要
政党B 変更前の代表者 丁 変更後の代表者 戊 のとき
丁、戊の記名押印が必要
したがって、政治家女子48党の代表者変更登記の申請には、党の規則で定められた代表者変更手続きがなされたことを証する書面に大津綾香さんと斉藤健一郎さんの記名押印がなされたものが必要となります。
判決等による代表者変更登記申請の場合
政党交付金の交付を受ける政党等の法人格の付与に関する法律には、判決等を証する書面による代表者変更登記の申請に関する条項がありません。したがって、登記官は法務省民事局に照会して回答を得るという形で登記申請を受理するか却下するか判断することになると思います。ただ、法務省民事局の回答を待つまでもなく明らかであろうと思われるのは、判決等を証する書面が給付の訴え、確認の訴え、形成の訴えのいずれかの訴えに対する確定判決、裁判上の和解調書、認諾調書、調停調書等確定判決と同一の効力を有するものでなければならない点です。政治家女子48党の代表者変更登記申請に関する判決等と思われるものは代表者の大津綾香さんがなした代表者確認の仮処分を却下する決定と斎藤健一郎参議院議員が代表者でないことの確認の仮処分を却下する決定のみですから、法務省民事局が登記申請を受理して差し支えない旨の回答をなすことは非常に難しいのではないかと思います。