イオンシネマ車椅子問題をめぐって散見する言霊信仰とブルーカラーへの差別意識
イオンシネマの社長との直談判を要求する中嶋涼子さんのポスト
れいわ新選組のシンパと思われる中嶋涼子さんの発信したポストが騒動を引き起こしています。
https://twitter.com/NakashimaMinion/status/1768551963111927926
分かりやすく言えば、中嶋涼子さんは現行法である障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律で国民に対して努力義務でしかなく、令和6年4月から施行される改正法においても義務付けとなっていない障がい者への合理的配慮を超えた配慮を求め、それがなされないから「イオンシネマの社長を出せ」とおっしゃっているわけです。そして、イオンシネマはそのような無理難題に対して謝罪をしてしまうという最悪の対応をしてしまいました。
木村草太東京都立大学教授の場合
これに対して、的外れの見解を述べているのが木村草太東京都立大学教授です。イオンシネマにおいては車椅子用の座席がほぼ設置されており、すべての映画を車椅子で鑑賞することができるようになっているわけですが、中嶋涼子さんが合理的配慮を超える配慮を求めたプレミアムシートで車椅子の対応ができていなかったというだけに過ぎなかったわけですが、車椅子席の位置について独自の見解をおっしゃっています。
私は映画観賞やスポーツ観戦等によく出かけますが、私の行く映画館の車椅子席は会場を横切る広い通路のほぼ真ん中に設置されていることが多く、木村草太東京都立大学教授がおっしゃるような映画館は少数派であると感じているのですが、ひょっとして木村草太東京都立大学教授は映画をあまりご覧になられないのでしょうか。
かつても合理的配慮を超える配慮を求めていた中嶋涼子さん
この中嶋涼子さんですが、かつても映画館で合理的配慮を超える配慮を求めていたことが明らかになっています。
中嶋涼子さんは通行人に介助をお願いしていますが、これは次のように頼んでいるということになります。
「私をスクリーンまで移動させてください。介助未経験であると思われる通行人のあなたのその際の義務は、私と介助するあなたの双方が怪我などがないようにすることです。」
ただ、車椅子の介助を行った経験のある私としては、自分が怪我をするおそれがあるだけでなく介助をなそうとする車椅子の方を怪我させてしまうおそれのある車椅子を階段状の座席の上に運ぶという行為をなすことはできません。もしものことがあった場合にお互いが不幸なことになるからです。中嶋涼子さんが通行人に介助をお願いしたときに誰も怪我などをすることがなくてよかったと本当に思います。
ブルーカラーに対する差別意識が根底にあるとしか思えないリベラル仕草の方々
これに対して、リベラル仕草をなさるしばき界隈の野間易通さん、東京新聞記者の草山歩さんが「お前は階段にお礼を言うのか」と言わんばかりの批判をなさっています。
野間易通さんはミュージックマガジン元副編集長で、次に移籍した報雅堂でも雑誌の編集をなさり、現在も編集者を名乗っているホワイトカラーですし、草山歩東京新聞記者は厳しい入社試験の選考を通過したホワイトカラーのエリートですが、建物や設備が誰かが作ったものであるという想像すらできないところを見るとブルーカラーへの差別意識が根底にあるのではないかと邪推せざるを得ません。
実は言霊信仰にとらわれているリベラル仕草の人々
これは、野間易通さんや多くの東京新聞記者のようにリベラル仕草をなさる方に共通するのですが、彼らの多くが日本と欧米を比較して日本は遅れているという主張をなさるのですが、彼らの言動の奥には日本古来の言霊信仰を強く感じます。
今回のイオンシネマ車椅子騒動でも、全てのスクリーンが障がい者が負担なく映画を鑑賞することができるものとなることが中嶋涼子さんらの目標であるはずなのですが、そのような社会への移行期である現在において、障がい者の負担がないことを前面に出したのが今回の中嶋涼子さんの行動であるとしか考えられません。
つまり、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律などが遠い将来に目指しているであろう障がい者がそうでない者と同じように負担なく様々なサービスを享受することができる理想が前提にあって、その社会で自らがなす言動をそのままなしているのが中嶋涼子さんですし、その言動を全面的に支持しているリベラル仕草の方々なのです。これはまさに言霊信仰そのものです。それは、普天間飛行場の辺野古移転案において「米軍基地のない沖縄」という理想を前提として基地をなくすことだけを主張し、基地負担を徐々に減らしていくという辺野古移転を蹴って結果として普天間飛行場周辺住民の負担に目を向けていない事例にもあらわれています。
このリベラル仕草の方々は、「日本は欧米に比べて遅れている。だから日本はダメだ」という主張が多いのですが、実は最も古い日本の体質である言霊信仰を体現しているという皮肉な結果となっています。
令和6年4月改正の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の運用に関する政府作成の「合理的配慮」の判断基準
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の運用に関しては、政府から具体例をあげて詳しい説明がなされています。今後の議論のためにリンクを張っておきます。