ダメな人がなしたダメなクラウドファンディングの例
木野寿紀さんがなした反差別メッセージ放映のためのデジタルビジョンプロジェクト
木野寿紀さんがなした反差別メッセージ放映のためのデジタルビジョンプロジェクトは実は二番煎じで、最初に行ったのは菅野完さんと岡田ぱみゅぱみゅさんでした。この最初に行ったプロジェクトは、在日特権を許さない市民の会などのデモのスケジュールに合わせて極めて短期の間に、ほとんど予算のない中で行われて、どなたがデジタルビジョンで反差別メッセージを伝えたかははっきりと覚えていませんが、津田大介さんなどがメッセージを伝えたように記憶しています。
有田芳生参議院議員(当時)の参議院の院内集会という大々的な場で華々しく発表されたのが木野寿紀さんの「二番煎じ」のデジタルビジョンプロジェクトでした。「二番煎じ」であるにもかかわらず、派手な舞台で発表するという企画力の無さを勢いで誤魔化すかのような手法には発表の段階から不安しか感じられませんでしたが、案の定失敗することになります。それは、銀行口座の管理人という立場を利用してカンパ金を横領した菅野完さんの行為によるものでした。
実はこの週刊金曜日お知らせブログの記事も非常に取材の甘い記事です。それはクラウドファンディングを行っていた団体が菅野完さんの横領を把握した時期の認識が甘すぎるという点です。菅野完さんのポストが止まったのは菅野完さんが企画して進めていた差別撤廃東京大行進の打ち上げの状況を報告した平成25年9月23日のポストからで、シンポジウム参加中もポストしていたという菅野完さんのXのポストが止まるということに大きな違和感を私は感じていました。同様の違和感を感じていた人はいたようで、菅野完さんが意味不明のポストを発信した平成25年年末にある方から情報が流れてきました。その内容は「菅野完さんのポストが止まったことで取材チームができた」、「取材の結果、菅野完さんが公金に手を付けたことがわかった」というものでした。この情報には週刊金曜日のお知らせブログの報道よりも酷い内容が含まれていましたが、ここではその内容は伏せます。ただ、その後に公開された週刊金曜日の記事の正確性を一部疑うには十分でした。なぜならば、週刊金曜日お知らせブログでは横領の事実の発覚が平成25年10月初頭であるにもかかわらず、菅野完さんのポストが止まったのが平成25年9月23日であったからで、横領が発覚してポストを止めたのであれば10月に入ってからでなければおかしいというのがその理由でした。むしろ、もっと前に横領によりパージされていたが「武士の情け」で菅野完さんが企画していた差別撤廃東京大行進の開催日まではポストすることを認めていたという推論すら成り立ちそうなものでした。
そして、年明けになってなされた菅野完さんのポストが意味不明なポストを発信し、それに対する木野寿紀さんのレスがその推論を後押しします。木野寿紀さんはポストを発信することを止めてほしいと菅野完さんに呼びかけ、「菅野完さんがもう仲間ではないこと」、「深刻な女性問題と金銭問題を起こして運動から離れた」旨をポストしました。この点からも平成25年9月23日の時点ですでに菅野完さんが反差別運動からパージされていたと考えるのが普通で、密室で行われて調査に手間がかかるであろう女性問題よりも、通帳を確認すれば明らかである菅野完さんの金銭問題が先に発覚したであろうという推論は多くの方の同意を得られるのではないかと思います。
そして、この横領事件の木野寿紀さんの対応は最悪でした。何が発生したかについて伏せ、前述のように誰が行ったかを公表したのです。しかも、菅野完さんがクラウドファンディングに関わっていたことはほとんどの者は知りませんから、菅野完さんの「金銭問題」がクラウドファンディングに関連するものであることはわからないわけです。そして、ほとんどの者がクラウドファンディングで何が起こったのかわからないうちに、在日特権を許さない市民の会などのデモが下火になったとして集めたお金は類似の活動を行う他の団体に寄付することとなりました。ただ、事前にクラウドファンディングのお金が横領されていたことが公表されていたとすれば、この決定の際に批判的な発言が少なくなかったであろうことを考えると、
「菅野さんによる募金の私的流用はあったが、最終的には全額が間違いなく変換されており、本人が深く反省していることから、流用の事実については公表しない」
という木野寿紀さんの判断はクラウドファンディングを行う立場の人間として失格で、菅野完さんが深刻な金銭問題を起こしたととっくにポストで公表していた時点で菅野完さんに対して宥恕したという発言も何の説得力も持ちません。
菅野完さんがなした生活保護に関する新聞広告掲載のためのクラウドファンディング
売れっ子の漫才コンビの片割れの親族が生活保護を受給していたことで、自由民主党の片山さつき参議院議員が中心となってその人物を批判していたときに菅野完さんが始めたのがCivil Action Japanでした。それは毎日新聞への意見広告で結実することになりますが、最悪だったのは菅野完さんの企画の進め方でした。徐々に募金が集まってくると菅野完さんの浮かれたポストが目立ち始めました。「何々の代理店から企画が持ち込まれた」などと述べる菅野完さんのポストは不安を感じさせるには十分でしたが、ここではまだ誠実にクラウドファンディングの運営がなされていたと思いました。
そして、クラウドファンディング最終盤において事態が一変します。菅野完さんは募金額と意見広告掲載費用を明らかにすることなく、残金のみを公表することを発表しました。その理由は意見広告を掲載する際に広告代理店との間で機密保持契約を締結しており、意見広告掲載費用を明らかにすることができないというものでした。そのため、菅野完さんとの間で機密保持契約を締結した者にのみ意見広告の会計書類を閲覧させ、そうではない者に対しては公認会計士などによる監査を受けて「問題ない」旨の意見書を受け取って公表することによって、会計報告に代えたいというものでした。そして、その発表直後に小倉秀夫弁護士から監査を行ってもよいという申し出が菅野完さんに対してなされ、菅野完さんから小倉秀夫弁護士は立場的に近いからもっと中立的な人を選びたいという回答がなされました。この時点でこのクラウドファンディングには何の疑念もありませんでした。
しかしながら、Civil Action Japanの会計に対する監査は12年を経過する現在においてもなされることがありませんでした。そればかりでなく、会計書類を閲覧した方から菅野完さんが片山さつき参議院議員が衆議院議員時代に選挙区としていた静岡県で発行されている静岡新聞への掲載を考えていたことが述べられるなど、意見広告掲載を特定の国会議員に対する落選運動に近い運動にしようとしていたとしか考えられない意図が明らかにされました。
また、会計書類を閲覧した方から菅野完さんが木坂麻衣子さんが行った「謝謝台湾」プロジェクトについて厳しい批判がなされていたことも明らかにされました。菅野完さんは、「謝謝台湾」で募金を管理していた通帳の記帳内容を明らかにしたことについて、「批判を恐れてこのようなやり方をしているからいけない」、「こいつは嫌な奴だが言っていることは正しいから募金するという意識を育てなければならない」と会計内容を全面公開することを批判していました。なお、菅野完さんが木野寿紀さんの企画したクラウドファンディングで募金を横領するのは約1年後です。
ただ、このクラウドファンディングの募金額は意外な形で明らかになります。それは菅野完さんの動画からでした。
選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんが行った取材費用のためのクラウドファンディング
これまで紹介した二つのダメなクラウドファンディングは、主に運営面でコンプライアンス的な問題のあるものでしたが、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんのクラウドファンディングは使途にコンプライアンス的な問題のあるものとなります。
クラウドファンディングの使途をドラッグストアやスーパーの駐車場への迷惑駐車のエクスキューズとして使用するというのは、浄財を寄せてくれた方に対する冒涜であると思いますが、言い訳にもならない寝言を述べる選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんに対する批判は私のnoteですでになしてきました。
菅野完さんと選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの共通点
この記事をまとめていく中で菅野完さんと選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんに共通点があることに気づきました。それはクラウドファンディングで集まった募金額について他人と比較して自慢する発信をなしていたといいうことです。菅野完さんについては、暇空茜さんに対して前述のような発言をしていることで明らかですし、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんについては、このポストで明らかであるといえるでしょう。これらの発言は、発言者が募金をただの「目盛り」としか考えていない思考が透けて見えるものであると言えるでしょう。
クラウドファンディングで集まった募金というものは、目標達成のためにどれだけ足りないかという「目盛り」であると同時に、募金をしてくださった方の様々な思いが詰まっているものであると思います。その募金を「目盛り」としか考えられない発言をなす者がコンプライアンスの問題を起こすのは当然であると思います。