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ダメな人がなしたダメなクラウドファンディングの例

木野寿紀さんがなした反差別メッセージ放映のためのデジタルビジョンプロジェクト

 木野寿紀さんがなした反差別メッセージ放映のためのデジタルビジョンプロジェクトは実は二番煎じで、最初に行ったのは菅野完さんと岡田ぱみゅぱみゅさんでした。この最初に行ったプロジェクトは、在日特権を許さない市民の会などのデモのスケジュールに合わせて極めて短期の間に、ほとんど予算のない中で行われて、どなたがデジタルビジョンで反差別メッセージを伝えたかははっきりと覚えていませんが、津田大介さんなどがメッセージを伝えたように記憶しています。
 有田芳生参議院議員(当時)の参議院の院内集会という大々的な場で華々しく発表されたのが木野寿紀さんの「二番煎じ」のデジタルビジョンプロジェクトでした。「二番煎じ」であるにもかかわらず、派手な舞台で発表するという企画力の無さを勢いで誤魔化すかのような手法には発表の段階から不安しか感じられませんでしたが、案の定失敗することになります。それは、銀行口座の管理人という立場を利用してカンパ金を横領した菅野完さんの行為によるものでした。

すると記事を発表した同日夜、かつて存在した反人種差別運動団体「People’s Front Of Anti-Racism」(以下『PFAR』、14年9月30日活動終了)の運営メンバーであった木野寿紀氏がネット上に、カンパ金着服に関する事実を公表した(リンクはここから)。これによると、PFARによる「反レイシズム・メッセージ・プロジェクト」(人種差別団体のデモ行進に対して、新大久保駅近くの大型街頭ビジョンで反レイシズムのメッセージを放映するなど)のために寄せられたカンパ金106万7601円のうち、90万470円(口座からの出金手数料を含む)を菅野氏は着服。同団体の銀行口座の管理人であるという立場を利用し、13年5月7日から9月9日までに同額を出金した。10月初頭にPFAR内で着服の事実が発覚したが、菅野氏に確認を求めようとしても連絡が取れなかったという。11月3日になって、菅野氏から着服した全額が同口座に返還された。

返還されたカンパ金はその後、「国際人種差別撤廃デー記念デモとシンポジウム(14年 3月21日)」「東京レインボープライドパレード(同年4月27日)への参加」「東京大行進2014(同年11月2日)の開催費用の一部」に使用されたという。木野氏は、〈PFARの口座へお寄せいただいた募金全額が正しく本来の使途に使われたことは間違いない〉と強調している。

週刊金曜日お知らせブログ「『日本会議の研究』の著者・菅野完氏によるカンパ金着服の経緯が明らかに」

 実はこの週刊金曜日お知らせブログの記事も非常に取材の甘い記事です。それはクラウドファンディングを行っていた団体が菅野完さんの横領を把握した時期の認識が甘すぎるという点です。菅野完さんのポストが止まったのは菅野完さんが企画して進めていた差別撤廃東京大行進の打ち上げの状況を報告した平成25年9月23日のポストからで、シンポジウム参加中もポストしていたという菅野完さんのXのポストが止まるということに大きな違和感を私は感じていました。同様の違和感を感じていた人はいたようで、菅野完さんが意味不明のポストを発信した平成25年年末にある方から情報が流れてきました。その内容は「菅野完さんのポストが止まったことで取材チームができた」、「取材の結果、菅野完さんが公金に手を付けたことがわかった」というものでした。この情報には週刊金曜日のお知らせブログの報道よりも酷い内容が含まれていましたが、ここではその内容は伏せます。ただ、その後に公開された週刊金曜日の記事の正確性を一部疑うには十分でした。なぜならば、週刊金曜日お知らせブログでは横領の事実の発覚が平成25年10月初頭であるにもかかわらず、菅野完さんのポストが止まったのが平成25年9月23日であったからで、横領が発覚してポストを止めたのであれば10月に入ってからでなければおかしいというのがその理由でした。むしろ、もっと前に横領によりパージされていたが「武士の情け」で菅野完さんが企画していた差別撤廃東京大行進の開催日まではポストすることを認めていたという推論すら成り立ちそうなものでした。
 そして、年明けになってなされた菅野完さんのポストが意味不明なポストを発信し、それに対する木野寿紀さんのレスがその推論を後押しします。木野寿紀さんはポストを発信することを止めてほしいと菅野完さんに呼びかけ、「菅野完さんがもう仲間ではないこと」、「深刻な女性問題と金銭問題を起こして運動から離れた」旨をポストしました。この点からも平成25年9月23日の時点ですでに菅野完さんが反差別運動からパージされていたと考えるのが普通で、密室で行われて調査に手間がかかるであろう女性問題よりも、通帳を確認すれば明らかである菅野完さんの金銭問題が先に発覚したであろうという推論は多くの方の同意を得られるのではないかと思います。
 そして、この横領事件の木野寿紀さんの対応は最悪でした。何が発生したかについて伏せ、前述のように誰が行ったかを公表したのです。しかも、菅野完さんがクラウドファンディングに関わっていたことはほとんどの者は知りませんから、菅野完さんの「金銭問題」がクラウドファンディングに関連するものであることはわからないわけです。そして、ほとんどの者がクラウドファンディングで何が起こったのかわからないうちに、在日特権を許さない市民の会などのデモが下火になったとして集めたお金は類似の活動を行う他の団体に寄付することとなりました。ただ、事前にクラウドファンディングのお金が横領されていたことが公表されていたとすれば、この決定の際に批判的な発言が少なくなかったであろうことを考えると、

「菅野さんによる募金の私的流用はあったが、最終的には全額が間違いなく変換されており、本人が深く反省していることから、流用の事実については公表しない」

という木野寿紀さんの判断はクラウドファンディングを行う立場の人間として失格で、菅野完さんが深刻な金銭問題を起こしたととっくにポストで公表していた時点で菅野完さんに対して宥恕したという発言も何の説得力も持ちません。

菅野完さんがなした生活保護に関する新聞広告掲載のためのクラウドファンディング

 売れっ子の漫才コンビの片割れの親族が生活保護を受給していたことで、自由民主党の片山さつき参議院議員が中心となってその人物を批判していたときに菅野完さんが始めたのがCivil Action Japanでした。それは毎日新聞への意見広告で結実することになりますが、最悪だったのは菅野完さんの企画の進め方でした。徐々に募金が集まってくると菅野完さんの浮かれたポストが目立ち始めました。「何々の代理店から企画が持ち込まれた」などと述べる菅野完さんのポストは不安を感じさせるには十分でしたが、ここではまだ誠実にクラウドファンディングの運営がなされていたと思いました。
 そして、クラウドファンディング最終盤において事態が一変します。菅野完さんは募金額と意見広告掲載費用を明らかにすることなく、残金のみを公表することを発表しました。その理由は意見広告を掲載する際に広告代理店との間で機密保持契約を締結しており、意見広告掲載費用を明らかにすることができないというものでした。そのため、菅野完さんとの間で機密保持契約を締結した者にのみ意見広告の会計書類を閲覧させ、そうではない者に対しては公認会計士などによる監査を受けて「問題ない」旨の意見書を受け取って公表することによって、会計報告に代えたいというものでした。そして、その発表直後に小倉秀夫弁護士から監査を行ってもよいという申し出が菅野完さんに対してなされ、菅野完さんから小倉秀夫弁護士は立場的に近いからもっと中立的な人を選びたいという回答がなされました。この時点でこのクラウドファンディングには何の疑念もありませんでした。
 しかしながら、Civil Action Japanの会計に対する監査は12年を経過する現在においてもなされることがありませんでした。そればかりでなく、会計書類を閲覧した方から菅野完さんが片山さつき参議院議員が衆議院議員時代に選挙区としていた静岡県で発行されている静岡新聞への掲載を考えていたことが述べられるなど、意見広告掲載を特定の国会議員に対する落選運動に近い運動にしようとしていたとしか考えられない意図が明らかにされました。
 また、会計書類を閲覧した方から菅野完さんが木坂麻衣子さんが行った「謝謝台湾」プロジェクトについて厳しい批判がなされていたことも明らかにされました。菅野完さんは、「謝謝台湾」で募金を管理していた通帳の記帳内容を明らかにしたことについて、「批判を恐れてこのようなやり方をしているからいけない」、「こいつは嫌な奴だが言っていることは正しいから募金するという意識を育てなければならない」と会計内容を全面公開することを批判していました。なお、菅野完さんが木野寿紀さんの企画したクラウドファンディングで募金を横領するのは約1年後です。
 ただ、このクラウドファンディングの募金額は意外な形で明らかになります。それは菅野完さんの動画からでした。

それ、拡散力っていうの。
俺、まだあれやで、フォロワー3000人ぐらいの時に、1000万ぐらい募金集めて新聞広告出してるで。
あれ2012年やったかな。
今からちょっと10年前やね。

肥モンnote「東京都監査委員が住民監査請求の結果を公表 7~住民監査請求監査がわかっていない菅野完さんが暇空茜さんを『クズの詐欺師の言っていることと同じ』と批判してしまう」

■募集中の案件

現在、#civilactionjapan では、会計監査をおこなっていただける公認会計士を募集しています。
無論、私も、いい年をこいたおじさんなので、公認会計士の知人は数人おりますし、仕事でもお世話になっています。しかし、今回のこの件は、「ネットを通じてこの話を知り、この趣旨に賛同した」人々で動かしたいなと考えています。
ですので、わがまま身勝手は十分承知の上で、このようなお声がけをしています。
もし、「我こそは!」という公認会計士の方がいらっしゃれば、お声がけ頂きたく。

Civil Action Japan「5月29日経過報告」

選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんが行った取材費用のためのクラウドファンディング

 これまで紹介した二つのダメなクラウドファンディングは、主に運営面でコンプライアンス的な問題のあるものでしたが、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんのクラウドファンディングは使途にコンプライアンス的な問題のあるものとなります。

石川県知事選や金沢市長選などの取材は、合計で6万2649円となりました。ほとんどが高速道路代、ガソリン代、ホテル代、駐車場代となっており、ドラッグストアやスーパーの駐車場に車を止めた場合には、何かしらの買い物をしておりますが、そのお金は駐車場代として計上されています。

チダイズムnote「【選挙ウォッチャー】2022年3月の総括と4月の計画。」

 クラウドファンディングの使途をドラッグストアやスーパーの駐車場への迷惑駐車のエクスキューズとして使用するというのは、浄財を寄せてくれた方に対する冒涜であると思いますが、言い訳にもならない寝言を述べる選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんに対する批判は私のnoteですでになしてきました。

 選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、「子ども連れで3時間や4時間止めるのがザラ」と「停める」と書くべきところを「止める」と書くなど、放送作家としてそれなりの収入を得ていたとおっしゃっているうえ、単著で書籍を発行しているというご自身のキャリアからはとても考えられない用語を用いていらっしゃいますが、子ども連れで3時間や4時間停めるご家族は買い物や買い物客用に提供されているショッピングモールの施設を利用するために駐車しているわけです。管理者がどのような方が利用するために駐車場を設置したかを考えれば適切な利用かどうかは明らかです。管理者は、買い物をする人、買い物をしようとしている人、施設を利用しようとする人のために駐車場を設置しているのであって、車を駐車して代表取締役を務める一緒に面白いことをする株式会社の業務を行い、そのエクスキューズで商品を買う人のために設置しているのではありません。そもそも、会社の業務のために駐車場を利用する場合には、プライベートでの利用と比較してもはるかに大きな倫理性が求められることぐらいわからないのでしょうか。つまり、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんにはジャーナリストとしてだけでなくまともな社会人として最も重要な資質である「常識」というものを持ち合わせておらず、その原因として社会経験が著しく乏しいのではないかと考えるほかなくなってしまうわけです。

肥モンnote「年齢の割に社会経験が乏しいことが明らかになった選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さん」

 選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、有料駐車場がなく選挙取材が難しい場合にどうすればよかったのでしょうか。選挙ウォッチャーちだい
こと石渡智大さん以外の人は答えが簡単にわかると思いますが、駐車場の管理者に事情を話して駐車する許可を得て駐車すればよいのです。その際の交渉の中で何円の商品を買うからと条件を提示するのは構わないでしょう。駐車場の管理者が認めている利用目的にそぐわない利用をしようとするのであるから、管理者の許可を得るというのは当然の思考であると思いますが、このような簡単な命題に対して迷惑駐車という最悪の回答を出してしまう選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、これまでの決して短くはない社会人生活において何を学んできたのでしょうか。

肥モンnote「年齢の割に社会経験が乏しいことが明らかになった選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さん」

菅野完さんと選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの共通点

 この記事をまとめていく中で菅野完さんと選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんに共通点があることに気づきました。それはクラウドファンディングで集まった募金額について他人と比較して自慢する発信をなしていたといいうことです。菅野完さんについては、暇空茜さんに対して前述のような発言をしていることで明らかですし、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんについては、このポストで明らかであるといえるでしょう。これらの発言は、発言者が募金をただの「目盛り」としか考えていない思考が透けて見えるものであると言えるでしょう。

岡本がクラファンやっても10万円も集まらないだろ? 社会的な信用がないっていうのは、どっちだね?

@chidaisan

 クラウドファンディングで集まった募金というものは、目標達成のためにどれだけ足りないかという「目盛り」であると同時に、募金をしてくださった方の様々な思いが詰まっているものであると思います。その募金を「目盛り」としか考えられない発言をなす者がコンプライアンスの問題を起こすのは当然であると思います。