東日本大震災と自由民主党の国会対策に対する歴史改竄
東日本大震災発生の際の菅直人内閣と野党であった自由民主党の対応については、菅野完さんも東日本大震災という災害時に与党の足を引っ張ったことを評価するという方向で触れていましたが、野間易通さんもまた意見の方向性は別として、事実関係については同様の見解をお持ちのようです。
ただ、東日本大震災発生時点ですでに菅直人内閣そのものがレームダック化しており、一刻も早く退陣すべきであると考えていた私からすれば、菅野完さんや野間易通さんの事実関係の認識は大いに異なります。東日本大震災の対応で防災服に身を包んで必死に対応する内閣総理大臣の姿は内閣支持率にいい意味で影響するでしょうし、現実にも「寝ろ枝野」などと枝野幸男内閣官房長官が寝ずに対応しているであろうことを好意的に扱うポストがXでしばしば見られました。そのような未来を想像していた私は、東日本大震災が結果として菅直人内閣の延命に繋がるのではないかと感じていました。
その中で菅降ろしのため動いていた自由民主党もまた東日本大震災への対応のために方向性を変えることを余儀なくされました。政局となっていた菅降ろしを一時取りやめて長らく与党として政策に携わった経験を活かして菅直人内閣を支える方向に舵を取ったのです。
ただ、菅野完さんや野間易通さんの歪んだ目から見れば、自由民主党が東日本大震災の対応に忙殺される菅直人内閣の足を引っ張ったというように認識されるようです。お二人に非常に好意的な見方をすれば、自由民主党が入閣を断ったことを足を引っ張ったと感じたのかもしれませんが、大連立構想自体が菅直人内閣総理大臣が政局とすべく仕掛けたものであることが明らかですから、大連立構想を断ったことが足を引っ張ったことにあたるはずもなく、お二人の見解はまさに歴史を改竄したという意味で歴史修正主義者と批判されるべきものであると私は考えます。