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いわゆる「旧宮家の皇籍復帰」はすでに破綻している ~ゴー宣DOJO「伝統ではない 男尊女卑だ!」を踏まえて 1~

ゴー宣DOJO「伝統ではない 男尊女卑だ!」に参加しました

 1月25日に都内某所で行われたゴー宣DOJO「伝統ではない 男尊女卑だ!」に参加してきました。ここから不定期にここでの議論などから私が考えることを述べていきたいと思います。

立皇嗣宣明の儀に対する私見

 立皇嗣宣明の儀については、高森明勅師範が厳しく批判なさっていましたが、政府がなぜこのような儀式を行ったのかという点に私は着目します。宮中祭祀においては、祭祀を行う天皇と宮中でそれを見守る皇太子のみが行い、他の皇族は参列するという形で行われます。上皇陛下が譲位してからの宮中祭祀は天皇陛下のみが宮中に入り、秋篠宮殿下をはじめとする皇族は参列する形で行われていました。つまり、皇太子がいないことによって天皇以外の誰も宮中祭祀を知らないという状態であったわけです。立皇嗣宣明の儀は、このような現状に危機感を抱いた政府が皇嗣である秋篠宮殿下が宮中祭祀に加わることができるようにするためになされたものではないかと私は考えています。

いわゆる「旧宮家の皇族復帰」はすでに破綻している

 男系継承を主張する者が安定的な皇位継承のための手法と考えているのが戦後皇族から離れた11宮家の末裔の男系男子を新たに皇族とするいわゆる「旧宮家の皇族復帰」です。この案では、法律などによって新たに皇族とする案と、皇族との養子縁組によって皇族とする案が唱えられていますが、法律などによって皇族となった者は非常に軽い印象である上にこの案では皇位簒奪が容易になされやすいという欠点があるので難しく、養子縁組によって皇族となる案は男系男子による継承を唱えている関係で当主が男性である天皇家、秋篠宮家、常陸宮家に限られます。そして、天皇家、秋篠宮家と養子縁組した際には皇位継承順位が変わりますし、常陸宮殿下はご高齢です。つまり、ごく普通の家族の形態となる養子縁組が存在しないのです。

当主は皇族で配偶者と子が国民という家族分断を強いられかねない女性宮家

 そして、現在女性宮家の議論がなされていますが、男系男子の継承を絶対と考える者の一部に、女性宮家は当主が皇族、配偶者と子が国民という家族形態を強いる方がいらっしゃいます。そして、不思議なことにこう唱える少ない方が選択的夫婦別姓に対して家族の一体感を損なうとして反対しているのです。氏が異なると家族の一体感が損なわれると主張する方が身分が違ったままの家族の一体感が損なわれないと主張しているも同然なのですが、ご自身の主張をどのように整理なさっているのでしょうか。