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広河隆一さんの記事が名誉毀損にあたるとして株式会社文藝春秋が敗訴

過去何度も繰り返されてきた名誉毀損の裁判事例

 日本の害悪といえる株式会社文藝春秋がまたやらかしてしまったようです。

文春オンラインに掲載された記事で名誉を毀損されたとして、フォトジャーナリストの広河隆一さんが文春オンラインを運営する文藝春秋に550万円の損害賠償などを求めた裁判で、東京地裁(小池あゆみ裁判長)は1月22日、同社に55万円の支払いを命じる判決を言い渡した。記事の削除や謝罪広告の掲載は認めなかった。文藝春秋は控訴する意向を示した。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)

●2019年に「レイプされた」と訴える記事が掲載

判決などによると、文藝春秋が運営するウェブサイト「文春オンライン」に2019年12月27日、<「あの人は私を2週間毎晩レイプした」広河隆一“性暴力”被害者が涙の告発>という見出しの記事が掲載された。
記事では、広河さんの海外取材に同行した女性が、帰国するまでの2週間、毎晩ホテルの部屋で広河さんから「レイプ」されたなどといった証言が記載された。
これに対して、広河さんは2023年、「レイプ」という言葉を使用した記事の見出しと内容が、暴行や脅迫を伴う「強制性交等罪」に該当する行為を示すとしたうえで、そうした意味のレイプの事実はなく名誉を毀損されたとして提訴していた。
文藝春秋側は裁判で、記事が掲載された当時、「レイプ」という言葉は「強制性交等罪」に限定されるものではなく、経済的または社会的な関係上の地位の差を利用したような性行為(2023年に改正された刑法における「不同意性交等罪」)を含む概念として一般に認識されていたと反論した。

●裁判所「当時、レイプは強制性交等罪と理解される」
東京地裁は今回、見出し部分だけを見た場合と、見出しに加えて記事本文を読んだ場合を分けて検討した。
まず、見出し部分について、「レイプという表現は、多義的に用いられる場合もあるものの、本件記事の掲載当時の一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、通常は、強制性交等罪に該当する行為をしたという意味に理解されるものというべきである」と指摘。
そのうえで、一般の読者が記事の見出しだけを見た時は「女性に対し強制性交等罪に該当する行為をした人物であるという印象を抱く」と判断。見出し部分だけに不法行為が成立するとした。
一方で、見出しと記事本文の両方を読んだ場合は、全体としては、相手方が望まない性交渉を行っていたという不同意性交等罪を基礎づける事実を摘示したと理解するべきとした。
そのうえで、取材内容等から、記事全体から摘示された事実については、記者が少なくともその重要部分について真実であると信じるにつき相当の理由があるとして、不法行為の成立を認めなかった。
なお、記事に記載された内容が「真実」であると認められたわけではない。
記事削除と謝罪広告については、見出しと本文を読めば、「一般読者は、原告が不同意性交等罪に該当する行為をしたことが摘示されていると理解するものと認められ、その場合は不法行為に該当しない」などとして、いずれも認めなかった。

弁護士ドットコムニュース「広河隆一さんに『レイプされた』記事、見出しは名誉毀損…文藝春秋に55万円賠償命じる 東京地裁」

 広河隆一さんがご自身の立場を利用して女性に対して望まない性行為を強いていたことについては報道がなされたとおりですが、広河隆一さんが暴力や薬物等によって強制性交にあたる行為をなしたということはどの報道でも触れられていませんでした。そして、株式会社文藝春秋のなした行為はこれまでの裁判においても否定され続けてきました。
 伊藤詩織さんが山口敬之元TBSワシントン支局長にデート・レイプ・ドラッグによってレイプの被害にあったとする著書については、民事訴訟の当事者尋問における伊藤詩織さんの証言から危ういものを感じていました。伊藤詩織さんは二軒目の寿司屋のトイレで意識を失い、後に友人の看護師からデート・レイプ・ドラッグというものがあると聞き、薬物によるレイプであると確信して著書を出版することになったわけですが、尋問の中で山口敬之さんと訴訟代理人の弁護士がその寿司屋で聴き取りを行っていることが明らかにされました。そこで明らかになったのは意識を失った伊藤詩織さんの姿ではなく、多めのアルコールの影響で「弾けていた」伊藤詩織さんの姿でした。その結果山口敬之さんの反訴が一部認容されることになったのです。
 このnoteでしばしば触れている菅野完さんの事例も同様の結果となっています。菅野完さんが社会運動で知り合った女性に「抱っこして」などと述べながら性行為に至ろうとしたことが性的暴行にあたるとして民事訴訟で金員の支払いを命ぜられた事例では、どう菅野完さんに不利に想定したとしても、その気があると思い込んだ相手に対して性行為をしようとして前戯に至ったか至らなかったあたりの段階で相手に拒否されて中止した以上の想定をなすことはできません。したがって、菅野完さんがレイプしたなどと発信した立花孝志NHKを何ちゃら党の党首の発言が名誉毀損で慰謝料の支払いを命ぜられるというのは当然の結果であると言えます。