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マイナー裁判シリーズ第9回「原告 黒田大輔、被告 川東大了ほか1名民事訴訟」

事件の背景

 この民事訴訟は、在日特権を許さない市民の会元副会長である川東大了さんとそよ風の望月紀季さんが神鷲皇國會元会長代理の清水勇祐さんなどとともに、平成25年3月29日に公明党所属の山口勝京都府議会議員の自宅や事務所前で街頭宣伝活動を行い、その際に黒田大輔さんが代表を務める日本を護る市民の会の名前やメンバーのハンドルネームなどを挙げたことが名誉毀損にあたるとして、川東大了さんと望月紀季さんに対し、黒田大輔さんが民事訴訟を提起したものです。
 この民事訴訟では被告となった二人と同様に街頭宣伝活動で表に立っていた神鷲皇國會元会長代理の清水勇祐さんが被告になっていませんが、おそらく黒田大輔さんが住所等を把握することができなかったために被告となっていないものと思われます。
 民事訴訟は東京地方裁判所で審理され、川東大了さんと望月紀季さんは黒田大輔さんに対して10万円の金員の支払いを命ぜられた判決が言い渡され、その後判決が確定しています。
 この民事訴訟では、川東大了さんが裁判所に提出した神鷲皇國會元会長代理の清水勇祐さんの陳述書が非常にユニークなものとなっています。これにつきましては機会があればご紹介したいと思います。

訴状

請求の趣旨

1 被告らは、原告黒田に対し、連帯して金100万円及び平成25年3月29日から支払済まで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告らの負担とする。

請求の原因

第1 当事者

1 原告

(1) 黒田大輔

 原告の黒田大輔(以下、「原告黒田」という。)は、行政書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランニング技能士等の複数の国家資格者であり、保守系市民団体「日本を護る市民の会」(以下、「日護会」という。)の代表である。原告黒田は、インターネットその他において他者から「クロダイ」と略称され、自らクロダイと名乗ることもある。
 原告黒田は、宗教法人 創価学会(以下、「創価学会」という。)の信者による組織的な尾行、嫌がらせ及び誹謗中傷といった所謂「集団ストーカー」について、被害者の相談その他の調査を行うことを業務としている。
 また、原告黒田及び日護会は、創価学会及び信者が指定暴力団を悪用し、信者が集団ストーカーを行っている事実、及びそれらの反社会性を周知し、反社会的なカルトに対する主教法人格の剥奪及び厳重な課税の必要性について、議員、役所及び一般国民に理解してもらうための活動を行っている。
 これらの業務及び活動の結果、原告黒田及び日護会は、創価学会及び公明党の関係者と常に激しい対立関係にある。

(2) 日護会について

 日護会は、平成19年12月8日に設立され、本部、神奈川支部、関西総局(京都支部)及び福岡支部があり、現在までの幹部は、代表1名、副代表2名、(1名は神奈川支部長と兼務)、事務局長1名、関西総局長1名及び福岡支部長1名である。
 かつて、日護会には一般会員も存在したが、一般会員は、平成23年5月までに全員が名簿から抹消され、それ以後は現在まで幹部以外の会員及び一般会員は存在しない(なお、関西総局では、平成24年10月から独自の条件で「隊士」を募集しているが、現在まで合格した者はいない)。
 また、原告黒田は、創価学会員およびその結託者による「日護会関係者への成り済まし」を防止するため、平成25年1月20日にインターネット上で次のとおり宣言した。

「平成25年夏の参議院選挙が終わるまで日護会の活動は、代表、各副代表、事務局長、京都支部長又は福岡支部長という現在の幹部が必ず臨場します。つまり、日護会幹部が誰も現場にいない活動は、日護会とはまったく無関係です。これはカルト創価信者又は結託者による成り済ましの防止です」

 当該宣言は、現在もインターネットに掲載してある。

2 被告ら

(1) 被告川東大了

 被告川東大了(以下、「被告川東」という。)は、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)なる団体の元副会長であるが、過去も現在も日護会の幹部、会員及び隊士ではない。
 被告川東は、平成23年1月以降、原告黒田及び他の日護会幹部との連絡及び面会を全く行っていない。

(2) 被告望月紀季

 被告望月紀季(以下、「被告望月」という。)は、現在、市民団体「そよ風」の関西支部長であるが、過去も現在も、日護会の幹部、会員及び隊士ではない。
 被告望月は、平成22年以降、原告黒田及び他の日護会幹部との連絡及び面会を全く行っていない。

第2 被告らの妨害行為(原告黒田への名誉毀損及び業務妨害、甲1~5)

1 京都市伏見区十九軒町での成り済まし及び責任転嫁並びに煽り行為

(1) 被告ら、訴外清水及び他4名(以下、これらを併せて「被告ら7名」という。)は、平成25年3月29日13時11分頃から14時43分頃にかけて、公明党京都府議会議員の山口勝(以下、「山口府議」という。)の自宅及び事務所(京都市伏見区十九軒町(番地省略)及び同町(番地省略))付近において、拡声器を用いた大音量の威嚇活動を執拗に行い、その状況をインターネット生放送「ニコニコ動画」(以下、「ニコ生」という。)で配信し、それを視聴していた被告ら7名の結託者が投稿したコメントを読み上げた。(以下、これらを「威嚇活動1」という。)
(2) 威嚇活動1は、①山口府議の母親(以下、「母親」という。)及び一般住民を無断撮影したうえ、②山口府議について『クルクルパー、できそこないの議員、人間のできそこない』(訴外清水発言)、創価学会及び公明党について『強姦宗教、痴漢政党』(被告川東、被告望月及び訴外清水発言)、④母親に対し『お宅の息子さん、大変なことされているんですよ』(参加者発言)及び⑤一般住民に対し、『もっかい、もっかい言ってみ?もっかい言って?言われへんのけ?もう言われへんのけ』(訴外清水発言)といった執拗な恫喝及び誹謗中傷を行うものであった。
 これらは、山口府議、母親、一般住民、創価学会の名誉を毀損して侮辱し、母親及び一般住民の肖像権を侵害する犯罪行為及び不法行為である。
(3) 被告ら7名及びその結託者は、これらの犯罪行為及び不法行為の責任を無関係な原告黒田及び日護会に押しつけるため、以下のような虚偽の事実を流布した。

①『もうなんか日護会の下部組織になっている「そよ風」、日護会、頑張ってます。』(被告望月発言)

②『日護会の復活か、京都ならケンケンちゃん(原告注:日護会関西総局長、訴外仲村兼栄)連れてきなよ川東、ケンケンいた、クロちゃんいる?川東さん最近クロダイとあった?クロダイと密会したんやな、日護会といえば川東さん』(投稿コメント)
③『クロダイちゃん』(訴外清水発言)
④『クロダイちゃん。実はね、カメラのおらへんところでね。実は。』(被告川東発言)
⑤『操っているの』(被告望月発言)
⑥『実は』(被告川東発言)
⑦『実は、屋根の上で立っていますわ、どっかの。』(訴外S発言)
⑧『日護会完全復活』(被告川東及び被告望月発言)

 これらは、被告らが日護会関係者であるかのごとく成り済ますことによって、原告黒田及び日護会の指示又は共謀関係に基づいて被告ら7名が犯罪行為及び不法行為を実行したかの如く演出するものである。
 被告ら7名及びその結託者は、それをニコ生に流布し投稿コメントで煽ることによって、被告ら7名の犯罪行為及び不法行為の責任を無関係な原告黒田及び日護会が粗暴で下劣な威嚇活動を主導したかのような印象を一般視聴者に与えて原告黒田の名誉を毀損した。また、原告黒田の人間性が粗暴で下劣であるかのような印象を与え、一般視聴者が原告黒田へ業務依頼することを躊躇するような雰囲気を作出して原告黒田の業務に対する信用性を貶めた。

2 京都市伏見区南大島町での成り済まし及び責任転嫁並びに煽り行為

(1) 被告ら7名は、平成25年3月29日15時10分頃から15時40分頃にかけ、創価学会伏見平和会館(京都府伏見区桃山南大島町67-19、以下、「会館」という。)付近において、拡声器を用いた大音量の威嚇活動を執拗に行い、その状況をニコ生で配信し、それを視聴していた被告ら7名の結託者が投稿したコメントを読み上げた(以下、これらを「威嚇活動2」という。)。
(2) 威嚇活動2は、嫌がらせで会館のインターホンを鳴らし、現場にいない者が過去に行った創価学会と無関係な内容の演説を録音したものを大音量で鳴らし、大音量に抗議した一般住民に対し、『こら、おのれ、うるさいなら耳ふさいどけ、くされ、くされ、あほ』(清水発言)といった暴言を吐くものであった。
 これらは、創価学会の会館業務を妨げ、一般住民の平穏を著しく害し、脅迫する犯罪行為及び不法行為である。
(3) 被告ら7名及びその結託者は、これら犯罪行為及び不法行為の責任を無関係な原告黒田に押し付けよう都市、京都市伏見区十九軒町で行った成り済まし及び責任転嫁及び煽り行為について訂正又は謝罪することなく、日護会の指示又は共謀関係に基づいて犯罪行為及び不法行為を実行したかのごとく演出した。
 被告ら7名及びその結託者は、それをニコ生へ流布し及び投稿コメントで煽ることによって、被告ら7名の犯罪行為及び不法行為の責任を無関係な原告黒田及び日護会が粗暴で下劣な威嚇活動を主導したかのような印象を一般視聴者に与えて原告黒田の名誉を毀損した。また、原告黒田の人間性が粗暴で下劣であるかのような印象を与え、一般視聴者が原告黒田へ業務を依頼することを躊躇するような雰囲気を作出して原告黒田の業務に対する信頼性を貶めた。

3 被告らの悪質性、計画性及び共同性

(1) 悪質性

 被告らは、日護会の幹部、会員及び隊士ではない。原告黒田は、少なくとも平成22年以降に被告川東及び被告望月に面会及び連絡したことは一度もなく、訴外清水、他の参加者及びコメント投稿者とは面識さえない。
 また、原告黒田は、平成25年3月29日の被告ら7名の威嚇活動には参加していない。関東にいた原告黒田が、京都における被告らの威嚇活動に参加することは不可能である。
 さらに、原告黒田は、被告ら7名の威嚇活動1及び2について被告ら7名その他と全く連絡しておらず、「第2・1(3)」における被告らの名誉毀損及びその結託者の発言及びコメントが悪質な業務妨害であることは明らかである。
 加えて、「成り済まし」による犯罪行為及び不法行為並びに無関係な者への責任転嫁は、法治及び自由主義社会に対する挑戦であり、断じて許されない行為である。

(2) 計画性

 被告ら7名及びその結託者は、原告黒田及び日護会が創価学会及び公明党と激しい対立関係にあることを知悉のうえ、創価学会及びその関係者が、威嚇活動1及び2について被告ら7名と併せて原告黒田及び日護会を提訴及び告訴又は告発する口実を与えている。
 例えば、山口府議その他が、被告ら7名を告訴又は告発したとき、被告ら7名及びその結託者が虚偽の供述を行い、原告黒田の指示又は共謀関係に基づいて犯罪行為を実行したと主張した場合は、全く関係のない原告黒田及び日護会関係者が家宅捜索を受けるといった理不尽な状況が作出される。
 被告ら7名及びその結託者が、威嚇活動1において唐突に「クロダイ」及び「日護会」の発言及びコメント投稿を行ったのは、こういった理不尽な状況を意図的に作出しようと計画していた証左である。

(3) 共同性

 被告川東及び被告望月は、訴外清水及び他の参加者と共にニコ生のカメラに向かって発言し、演説し、投稿コメントを読み上げ及びこれらへ積極的に賛同の意思を示す発言を繰り返した。また、被告川東及び被告望月は、訴外清水、他の参加者及びコメント投稿者の犯罪行為及び不法行為を制止することなく、威嚇活動1及び2並びにニコ生に参加し続け、成り済まし、責任転嫁及び煽り行為に対する訂正又は謝罪を行わなかった。
 よって、被告川東及び被告望月が、他者の行為を自己の行為として利用する意思のもと実際に利用したのは明らかであり、被告らは、他の参加者及びコメント投稿者の行為も含めた全ての不法行為責任を共同して負う。

4 補足

 原告黒田は、これらの成り済まし、責任転嫁及び煽り行為に対し、既に捜査機関に法手続きを実行している。また、訴外仲村兼栄も弁護士に相談する予定である。

5 原告黒田の受けた損害

 威嚇活動1及び2に係るニコ生のリアルタイムの視聴者は1,500名を超えている。ニコ生のアーカイブの視聴期間が1週間であることに鑑みると、総視聴者数は数千名から1万名と推察される。
 また、被告らの不法行為は、成り済まし、責任転嫁及び煽り行為による名誉毀損だけでなく、原告黒田の生活維持に不可欠な業務、特に、創価学会の被害者から受ける相談に係る原告黒田の業務の信用性を貶めた点で極めて悪質である。名誉毀損及び業務妨害で被告黒田が受けた全ての損害を金銭に換算すると金100万円を下らない。

第3 結語

 したがって、原告黒田は、民法709条及び710条に基づき、請求の趣旨に記載の判決を求めて本訴を提起する。