原告世耕弘成自由民主党参議院幹事長、被告中野昌宏青山学院大学教授の民事訴訟が和解により終結
世耕弘成自由民主党参議院幹事長が統一教会出身だとするツイートなどが名誉毀損にあたるとして中野昌宏青山学院大学教授が提訴された民事訴訟が和解により終結しました。
表現をめぐる名誉毀損等の民事訴訟で和解に至った場合に表現者と名誉毀損を主張する者のいずれに有利な和解であったかについて、私は表現そのものの存在が許されたか否かで判断しています。今回の和解において、原告である世耕弘成自由民主党参議院幹事長が統一教会を関係がないことが当事者間において確認され、被告である中野昌宏青山学院大学教授のツイートが削除されていますからろくな論拠も持ち合わせずに被告がツイートをなしたものであったことがわかります。
中野昌宏青山学院大学教授の学者としての自覚はどこへ
この民事訴訟で驚いたのは、中野昌宏青山学院大学教授のツイートに根拠がまったくなかったことでした。学者とは自らの専門分野に関して実験や論考を重ね、論理を組み立てて結論を導き出す論文を執筆して世に問うのが主な仕事だと聞いていますが、この学者が何の根拠もなくある人物が統一教会の出身だとツイートすることとの矛盾をどのように整理なさっているのでしょうか。
青山学院大学教授ともなるとデマツイートで他人の名誉を毀損しても「ごめんなさい」と言わなくてもよいようです。この方は実験や論考によって真実を追及する学者としてだけでなく人間としても何か大事なものを持ち合わせていない方のようです。
偏向する弁護士ドットコムニュース
民事訴訟を報ずる記事でしばしばおかしな記事を掲載する弁護士ドットコムニュースですが、今回も同様でした。
和解条項について東京地方裁判所が示した意見は、事前に削除要請や内容証明郵便による請求があれば被告による反訴がなされなかったのではないかというものであると思いますが、そのようなものがあったとしてもイデオロギーから被告がツイートを削除したと考えることは非常に難しかったと思います。また、この意見において「(スラップ訴訟は許されないんだという)公人を思いとどまらせる教訓」などは見出すことはできませんし、「実質上の完全勝訴」というのは依頼人に対するリップサービスと考えるのが妥当であると私は思います。