週刊文春というこの国の害悪8 ~所詮「噂の眞相」のコピーでしかなかった週刊文春~
写真週刊誌が問題視されていた時代の出来事
かつて、写真週刊誌の報道姿勢が社会問題となっていた時期がありました。自ら命を絶った女性アイドルの遺体の写真を掲載したり、写真週刊誌フライデーの取材で北野武さんと親密な交際をしていた専門学校生がフライデーの記者の取材によって負傷したことなどに怒った北野武さんがたけし軍団を引き連れて講談社のフライデー編集部を襲撃したりしたのもこの頃でした。
この頃に、朝日新聞がコラムで写真週刊誌の問題を取り上げて批判したことがありましたが、その内容が酷いものでした。写真週刊誌の記者が取材対象となったときに顔を隠しながら逃げ回ったと触れ、誰でも写真週刊誌の取材は嫌なのだとそのコラムは結論付けていました。それに対して写真週刊誌の編集部の者が反論しました。そのような取材をなしている以上、同じような取材を受ける立場になることは覚悟しており私は堂々と取材を受けるというものでした。この時に写真週刊誌もそれなりの覚悟をもって仕事をしているのだと感銘を受けたのを覚えています。
そして、現在その取材や記事が大きく問題視されている週刊文春の元編集長の新谷学文藝春秋総局長がご自身の高邁な取材姿勢について持論を繰り広げたようです。
完全に勘違いしている新谷学文藝春秋総局長
この新谷学文藝春秋総局長は何か勘違いをなさっているようにしか思えません。ゴシップ記事は社会的意義などなく、世間の人々の覗き見趣味という下卑た欲求を満たすためだけのものです。ただ、そのような趣味を満たすことも認められなければなりませんから、週刊文春などの週刊誌やスポーツ紙がそのような役割を担っているのです。そのようなゴシップ記事が立花隆さんの「田中金脈」記事のようにたまに世の中を動かすことがあるにすぎません。
かつて、ゴシップ記事こそが社会的意義があると勘違いした雑誌が存在していました。岡留安則さんが編集発行人を務めた「月刊 噂の眞相」です。この雑誌は社会的意義を前面に押し出していたために自らの記事の内容について反省することなど皆無で、漫画家の小林よしのりさんの秘書という一般人を標的にしてデマ記事を掲載するなど報道加害を繰り返していました。そして、その記事に対してなされた損害賠償の額に音を上げたとしか考えられないタイミングで噂の眞相は発行されなくなりました。その月刊噂の眞相の元記者を多く受け入れているのが週刊文春であるとも聞いています。
そして、新谷学文藝春秋総局長が編集長時代の週刊文春の記事の一つに山尾志桜里元衆議院議員(現在は「菅野志桜里」と名乗っています)の不倫報道がありました。その当時、ある人物が山尾志桜里元衆議院議員を取材しようとしている週刊文春の記者の動向を監視していたところ、週刊文春に依頼された弁護士から中止するように申入れがなされたと、当時山尾志桜里元衆議院議員をゴー宣道場などで呼ぶことの多かった小林よしのりさんが「ゴーマニズム宣言」で触れていました。つまり、朝日新聞がまともな裏付けもせずになした例のコラムが長い時代を経て新谷学週刊文春編集長(当時)によって現実化された瞬間でした。ひょっとしたら「週刊文春の守り神」などというみっともない二つ名を持つ喜田村洋一弁護士が書面の作成を行ったのかもしれませんが、そうだとすればずいぶん情けない仕事をおやりになったようで心から同情申し上げます。
ゴシップ報道こそ必要な裏付け取材
ゴシップ報道は、政治経済など高尚な議論はなされませんが、その記事で充分に人の命を奪うことができるものでもあります。西岡研介さんが週刊文春に掲載した福岡での教師によるいじめでっち上げ事件の記事は、無実であるにもかかわらず「殺人教師」と顔写真、実名、家の写真を晒すもので、西岡研介さんが今も「売文屋」を続けていられるのは偏に記事にした教師が西岡研介さんのデマ記事に耐えて生きる道を選んだからであると思います。週刊文春は西岡研介さんがなしたデマ記事でも懲りずに今度は木原誠二衆議院議員の妻を標的として、週刊文春の記事の中ですでに木原誠二衆議院議員の妻が殺人被疑事件に一切関わっていないことが明らかになっているにもかかわらず、未だに「木原事件」などとその事件を称しています。ひょっとしたら週刊文春は木原誠二衆議院議員の妻が福岡の教師とは異なる道を選んでしまった場合に、「家族を守ることができなかった」などとマッチポンプでもおやりになるつもりなのでしょうか。
テレビ番組などで芸能界に入って間もない若年のアイドルグループなどのインタビューで週刊誌について「なぜあんな嘘ばかり書くのだろう」などとコメントがなされることが定番となっていますが、週刊文春をはじめとするゴシップ週刊誌は自らの言動によって人々の下卑た趣味を満たす雑誌から完全な社会悪に変わってしまったと言ってよいでしょう。