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草津町「批判」を正当化する者が論拠とする選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事

隠岐さや香東京大学教授の場合

 草津町の新井祥子元草津町議会議員の虚偽告訴によって、黒岩信忠草津町長が身に覚えのない強制性交の濡れ衣を着せられた事件について、隠岐さや香東京大学教授はかつてこう述べていました。

#草津温泉には行かない
のタグができてますね。私もしばらくの間、この件を思い出さずに草津の名前を見れなくなるでしょう https://t.co/dzzos7DUd2

@okisayaka

司法の場で適切な裁きがあることを信じ見守っています。冤罪があるならば晴れるといいですね。 同時に、立場としては弱いはずの方の尊厳が守られることを切に祈っております。 このツイートに謝罪の必要は感じていません。実際、皆さんも草津という単語でこのことを今も思い出しておられるようですし

@okisayaka

司法で決着がつけば、きっと草津の名は私の中でこの件から切り離されることでしょう。

@okisayaka

 新井祥子元草津町議会議員の虚言を真に受けて、「#草津温泉には行かない」などというハッシュタグを拡散させておきながら、身に覚えのない強制わいせつ罪の疑いで告訴された黒岩信忠草津町長に対して「冤罪があるなら晴れるといいですね」とか、明らかに虚言であるとわかるような事実で黒岩信忠草津町長を強制わいせつで告訴した新井祥子元草津町議会議員に対して「立場としては弱いはずの方の尊厳が守られることを切に祈っております」などと、2022年(令和4年)10月31日に新井祥子元草津町議会議員が虚偽告訴と名誉毀損で在宅起訴されたこの時点においても、草津町に対して「新井祥子元草津町議会議員が虚偽告訴をなしていて黒岩信忠草津町長の強制わいせつ被疑「事件」が冤罪であったとすれば」という仮定をつけて「#草津温泉には行かない」などと拡散したことが誤りであったなどと謝罪することはおろか、事実が明らかになるであろう将来においての謝罪すら拒否していたのです。
 そして、隠岐さや香東京大学教授がこのようなグダグダの新井祥子元草津町議会議員を支援していたという事実を正当化していると思われるのが選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事です。
 なお、画像はnoteで「草津温泉」と検索して表示されたものをお借りしています。

群馬県草津町の「町議リコール」住民投票がはらむ、性被害の事実以前の大きな問題 « ハーバー・ビジネス・オンライン/ 現代の魔女狩りだと感じた。

@okisayaka

選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事の何が問題なのか

 隠岐さや香東京大学教授が新井祥子元草津町議会議員のリコールが不当であると考えた論拠の一つとなっているのが選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事であることまでは明らかとなりました。それではその記事の何が駄目なのかについて検証していきましょう。記事の引用部分においては、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんが強調した部分をきちんと再現して、より記事の印象を伝えるように努めました。

群馬県の温泉町、草津町で行われた「異常な」住民投票

 11月16日告示、12月6日投開票で、群馬県草津町の新井祥子議員のリコール(辞職)を問う住民投票が行われました。リコールが問われることになったのは、新井祥子議員が黒岩信忠町長から町長室で性被害に遭ったと告発をしたところ、町長が事実無根だと反論。逆に、告発をした新井祥子さんの方が破廉恥な嘘をついて議会の品位を傷つけたとして、懲罰動議が出されて可決。それだけでは終わらず、議長の黒岩卓さんが中心となってリコール運動を開始。必要な数の署名が集まったことから、このたびリコールを問う住民投票が行われることになったのでした。
 草津町の人口は、令和2年12月1日時点で6211人。草津町議会の定数は12で、この町で唯一の女性議員が新井祥子さんでした。この異様とも言える住民投票については既にいくつかのメディアが報じていて、真相に迫ろうと奮闘しているライターもいるようですが、住民投票が行われた12月6日の時点では、どちらが本当のことを言っているのか、住民にはまったく判断がつきませんでした。というのも、裁判の判決が出ているわけでもなければ、警察の捜査が終わっているわけでもないので、当事者以外に真実を知っている人はいないからです。つまり、この住民投票は「憶測」でしか判断できなかったということになります。

「憶測でリコール」が成立する群馬県草津町の闇

 町長からの性被害に遭ったという新井祥子さんの告発は、もし真実だとすると、かなりのインパクトがあります。ただし、黒岩信忠町長はこれを真っ向から否定していて、新井祥子さんに対しては裁判も起こしています。
 どのような性被害を受けたのかという新井祥子さんの主張は告発本に書かれているのですが、一方の黒岩信忠町長もメディアのインタビューに堂々と「事実無根だ」と答えていて、町長室のドアは常に開いていたと述べています。
 こうなってしまうと、素人にはどちらが本当のことを言っているのか全然わかりません。当事者以外に、誰一人として断定的にモノを言える人がいない。普通は、こんな状態で住民投票が行われることはありません。裁判や警察の捜査で新井祥子さんの嘘がハッキリしたというのであれば、その事実をもってリコールを問うこともあるでしょう。しかし、現時点で新井祥子さんの話が嘘だったと確定させる要素はありません。町長の言っていることが真実だと思えるかどうかという、完全なる「憶測」です。
 こうなると、今後の捜査や裁判の判決次第で、新井祥子さんが冤罪で辞めさせられていたんだとわかってしまう可能性が出てきてしまいます。本当はこんな状態で住民投票が行われていること自体、とても恐ろしいことなのです。

ハーバービジネスオンライン「群馬県草津町の『町議リコール』住民投票がはらむ、性被害の事実以前の大きな問題」

 この選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事で主張されている内容については、「虚偽告訴が有罪であると確定していない新井祥子元草津町議会議員を住民投票で辞めさせるなどけしからん」に尽きます。しかしながら、草津町まで行って議会で何が議論されていたのかを調査することなく、温泉旅館や公民館の写真を撮影し、ちょこちょこと住民に話を聴いただけという取材のイロハをしらない選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんは、草津町議会でどのような議論がなされて新井祥子元草津町議会議員の解職を求める住民投票を行うに至ったのかについてまったくわかっていないのです。
 解職を求める住民投票がどのような議論を経てなされるに至ったのかについては、全国フェミニスト議員連盟からの抗議文とそれに対する草津町議会の見解で明らかとなっています。

 昨年末、新井議員は、群馬県知事の審決で、草津町議会からの数の暴力による不当な除名処分が取り消され議会に復職しました。しかし、町議会議長などが呼びかけ人となり、新井議員解職の住民投票を求めて3317票の署名が集められました。裁判の日程は未定、警察の捜査も終わっていない中、客観的事実認定のないまま12月6日、住民投票が実施され解職賛成2542票・反対208票で新井議員は失職しました。町議会議長らが呼びかけ人となって動いたこの住民投票は、地方自治法が想定した住民投票の趣旨から逸脱している、と私たちは考えます。

全国フェミニスト議員連盟「新井祥子議員に対する草津町議会の除名処分と議長主導の住民投票に抗議します」

 そして草津町議会からの回答文には新井祥子元草津町議会議員の解職を求める住民投票が実施されるにあたり、新井祥子元草津町議会議員の何が問題とされたのかについて述べられています。

令和2年12月16日
全国フェミニスト議員連盟 御中
草津町議会 議長 黒岩 卓

貴団体からの抗議文書に対する当議会の見解

 草津町議会においては、新井祥子議員のリコール成立により、確かに女性議員が不在という状況になっています。しかしながら、男性議員が女性議員の政治参加を妨害しているような事実はありません。
 政治参加への意志は基本的に当事者に個別に委ねられるものであり、草津町の意思決定に参加したいと思われる方には、女性・男性を問わず立候補をして頂きたいと考えております。
 新井祥子前議員については、貴文書においては「性被害を告発したこと自体を否定する」人権侵害とのご見解ですが、電子書籍出版後の議会において、告発内容の矛盾点が指摘されても、同氏は議会での説明責任を果たさず、「裁判で証拠を示す」との弁解に終始しました。新井氏が中沢康治議員とともに、この”性被害”なるものを理由として町長に対する不信任決議案を提出し、その賛成討論にて「電子書籍で告発した内容はすべて事実です」と述べている以上、議場においてその真実性について説明責任を果たすべきであったと考えます。
 特に本年12月1日の定例議会において指摘のあった、

① 新井議員が「町長が証拠隠滅のために町長室の模様替えをした」と語ったものの、本人のイラスト以外に模様替えを裏付ける写真や目撃者等が一切出ていない件
② 新井氏が公開した町長との面談時の”秘密録音”の内容は、電子書籍においては平成27年1月8日に、町長との面談時(新井氏の言う、町長による性加害のあった直前ならびに最中)に語られたと記述されている件(これが事実であれば、性行為に直結する音声が記録されているのが自然であり、それを公表すれば、町長による性行為の事実が証明できるはずであること)

については、新井氏の告発が事実であることを前提として今回の抗議文を提出された貴会のご見解を、是非お示し頂きたく存じます。
 令和元年12月に当議会が行った新井前議員への除名懲罰が群馬県の自治紛争委員の答申に基づく県知事の判断によって取り消されたことは、当議会としては真摯に受け止めております。ただその後のリコールに関しては、地方自治法に基づき(選挙管理委員や町職員は請求代表者・署名の受任者にはなれませんが、議員が請求代表者となることは違法ではありません)、多くの町民の声を反映させるために合法的に実施したものです。
 リコールの請求・署名収集の活動は、事務手続き等においても多大な労力を要することであり、議員として状況を傍観することは許されないという観点から、議員と一般の方々、あわせて19名の連名にて請求代表者となることで、その責任を負おうと考えたものであり、議員による圧力との指摘はあたらないと考えます。実際、署名運動においては、200名を超える一般町民の方々に受任者になって頂き、わずか10日で町民の半数を超す署名が集まりました。
 なお、リコールの署名収集、ならびに住民投票においては、町のホームページや各公共施設、さらには投票所の記載台において、解職請求者からの「請求の趣旨」と新井氏による「弁明の趣旨」が並べて掲示されていました。「請求の趣旨」においては、

・電子書籍における新井氏の町長との性的関係に関する告白と、その件について黒岩信忠町長がすぐに内容を虚偽であるとした訴訟を提起したこと
・同書籍において新井氏が「この町では女性は”モノ扱い”です」などと、草津で働く多くの女性を貶める記述をしたこと
・議会で発言の矛盾点をしてきされても、説明責任を果たす姿勢が見られないこと
・届出のあった住居について、賃貸借契約や家賃の支払いに疑義があること

等の問題点を指摘しましたが、新井氏の答弁書においては、それらの疑問点に応えることなく、まったく的外れな弁明に終始し、さらに「卑しい言い掛かりや嘘を言っているのは、町長や解職請求を行った議員の方々です」との、根拠のない中傷が重ねられました。新井氏が、町民からの疑問点に正面から応える誠意を最後まで示さなかったことは、非常に残念であると言わざるを得ません。
 最後に 貴文書においては、女性議員に対する男性議員の性差別について言及されていますが、草津町議会は、新井氏が女性であることを理由とした排除を行なっていないことを断言いたします。新井氏が自身の『嘘』の積み重ねによって町民の信頼を得ることができず、リコールによる解職という結果となったことは、草津町にとって決して望ましいことではありませんが、その責任はひとえに新井祥子氏自身の政治姿勢に由来するものであり、町や町議会に求めるべきものではないと考えます。「民主主義を蔑ろにする」との言葉は、リコールに賛成してくださった町民の尊厳を、まさに「蔑ろにする」ものではないでしょうか。
 リコールという民主的手段によって町民各位より示された「新井祥子議員の解職」という意思決定を重く受け止め、草津町議会は町民とともに歩みを重ねていく所存です。
以上

草津町議会「貴団体からの抗議文書に対する当議会の見解」

 新井祥子元草津町議会議員の解職請求及び解職を求める住民投票が不当であると主張する主張に沿って現在様々な疑惑が報道されている齋藤元彦兵庫県知事についてもあてはめると、警察の捜査が終了したり、民事での判決言渡や刑事での判決宣告などがなされたりしない限り、解職請求を行うことは不当であるということになってしまいます。更には、捜査の終了や判決言渡、判決宣告がなされる頃には任期が満了していて解職請求の存在意義が問われることにもなりかねません。

取材の全く足りない記事にふんだんに込められた地域ヘイト

 また、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの記事においては、ふんだんに地域ヘイトが込められています。ご自身のお住まいの千葉県柏市がどれだけ都会なのかは分かりませんが、取材対象の地方公共団体を田舎扱いするのはいつものことで、今回の記事においては暗黒都市扱いするという有様です。しかも、その暗黒都市扱いしている原因が草津町議会で何が議論されていたのかという基本的な取材を怠るという自称するジャーナリストとして決定的な誤りを犯したうえで、解職請求がなぜなされたのか、なぜ草津町の住民は新井祥子元草津町議会議員を解職するという判断に至ったかがご自身の取材不足によって理解できないからとしか考えることができないというのが更に酷い点です。
 更に申し上げれば、草津温泉においては時間湯というものがあり、かなり高温の湯に客が浸かり、湯長という者が客の湯の入り方の指導を行っていました。湯長はこの指導の中で客の体調を聞くことになっており、この行為が医療行為の問診に当たるのではないかと考えて、将来的に問題となる前に湯長制度を廃止しようとしていたのが黒岩信忠草津町長らであり、湯長制度の廃止に反対して黒岩信忠草津町長と対立関係にあったのが中沢康治元草津町議会議員でした。新井祥子元草津町議会議員は元々アトピーの治療の一環として草津温泉の湯治に来ていた客で、草津温泉の時間湯が湯長制度とともに存続させるよう主張していました。新井祥子元草津町議会議員が性被害を訴えて黒岩信忠草津町長の解職請求を行った際にも中沢康治元草津町議会議員は呼びかけ人でした。選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんが草津町できちんと取材をしていれば、この程度の話を聴くことができたでしょうし、時間湯をめぐる人間関係をより詳しく記事にすることができたはずです。しかしながら、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんにはそのような突っ込んだ取材をする能力が欠けており、草津町を暗黒都市のように描く地域ヘイトだらけの記事が出来上がったのです。