ある弁護士の話
選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの訴訟代理人であった馬奈木厳太郎弁護士がセクハラ
選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの事件を受任している馬奈木厳太郎弁護士がセクハラで依頼人と深刻なトラブルとなっていることが明らかとなりました。
感謝している弁護士の話
私はといえば、選挙ウォッチャーちだいこと石渡智大さんの訴訟代理人の事例より相当大きな問題を起こした弁護士に仕事を頼んだことがありました。明らかにできる部分についてのみ触れていこうと思います。
強姦被疑事件で逮捕された友人
その連絡は友人から電話でもたらされました。
「何々さん、逮捕されたって。」
その「何々さん」も友人で、かつて保守系の市民団体に所属していました。この方は、女性関係のトラブルからその団体との民事訴訟をいくつか抱えていました。とりあえず、様子をみようと逮捕された警察署の管内から電話をもらった友人に電話してみましたがつながらず、近くの喫茶店で休んでいました。そこで連絡をくれた友人から電話が来ました。
「弁護士見つかったから、事務所に行こう。」
事務所に行くまでの間、どのようにして弁護士を見つけたのかを聞きましたが、その手法は驚くべきものでした。警察署の管内にある法律事務所を一軒一軒飛び込みで弁護を依頼しようとしたというもので、裁判所が休みであることから営業していない法律事務所がある土曜日にそのような手法で弁護士を見つけた友人の行動力には心底驚いたのを覚えています。
自信にあふれた言動が目立つ受任弁護士
その弁護士の法律事務所は四ツ谷にありました。応接室に現れた弁護士は、受任を決めた理由について、次のように答えました。
「ドアをノックする彼が必死だったから、よほど困っているんだろうと思った。」
そして、弁護士は便箋を取り出して私と友人にこう述べました。
「彼は希望を失っているかもしれないから、彼を元気付けるために手紙を書いてあげてください。」
手紙を書いている間、弁護士は刑事の弁護に関する考えや警察と検察に関する持論を話しました。刑事の弁護は経験が必要であること、検事はともかくとして警察官には刑事事件に関する認識が低くてがっかりすることが多いことなどが語られました。話を聴きながら、依頼者の前で「できる弁護士」を演じている側面がないわけではないが、自身の仕事に自信を持っている方であるという印象が残りました。
しばらくすると、逮捕された友人の先輩にあたる方が到着し、事件の見通しについて打ち合わせがなされました。弁護士からは、留置中の生活のために下着や着替えを購入しなければならないこと、不起訴となった場合の理由として「嫌疑なし」となれば理想だが「起訴猶予」であったとしても彼のために歓迎すべき結果であることなどが語られ、当面の費用として50万円が弁護士に支払われました。
不起訴釈放後、連絡が取れなくなった弁護士
その後、逮捕された友人は「嫌疑不十分」で不起訴となり釈放されましたが、その頃から弁護士と連絡を取ることができないという連絡がその友人から来るようになりました。その友人は、すでに弁護士に依頼した仕事は完了していましたが、今後強姦罪の告訴などが虚偽告訴罪にあたるとして告訴することも考えているようであったので気にはしていました。
すでに亡くなっていた弁護士
連絡が取れなかった期間が長く続いていたので、弁護士の氏名で検索してみると意外な事実が明らかになりました。その弁護士は破産により弁護士資格を喪失していただけでなく、すでに亡くなっていたことがわかったのです。自殺でした。
ウェブニュースによると、その弁護士は金策に苦しんでおり、私たちが弁護を依頼した時点では、後に詐欺事件で逮捕、起訴された人物に準備された物件に事務所を構え、その事務所の一角ではその人物が中心となった詐欺グループが詐欺行為に勤しんでいるという状況であったようです。つまり、私たちが強姦罪で逮捕された友人を救出するために打ち合わせをしていた事務所の一角では詐欺グループがせっせと「お仕事」をしていたわけです。
そして、連絡が取れなくなった理由も想像がつきました。金策のことで頭がいっぱいで、新たな事件に携わる余裕がなかったのでしょう。
ただ、この弁護士に感謝する気持ちはまったく変わりません。どのような事情があって受任してくれたかはわかりませんが、自分を守るために依頼を断ることが認められている弁護士が、リスクが高いかもしれない飛び込みの依頼を受任してくれて、しっかりと結果を出してくれたわけです。弁護士に依頼して司法サービスを受ける権利はすべての者に等しく認められるべきだと思いますが、現実には小さい事件で受けてくれる弁護士を探すのは中々大変だと思います。ある弁護士が原告訴訟代理人として提起した民事訴訟の請求額が550万円であるのもそういった事情によるものだと思いますが、どのような事情や背景があったのかは知りませんが、この弁護士はこのような事件を受任してくれたのです。感謝と共に冥福をお祈りします。