菅野完さんに関する事実と事実でないこと
菅野完さんが大袈裟太郎こと猪俣東吾さんに勝訴
大袈裟太郎こと猪俣東吾さんの発言が名誉毀損にあたるとして220万円の金員の支払いを求めて菅野完さんが提起した民事訴訟は、6月24日、大袈裟太郎こと猪俣東吾さんに22万円の金員の支払いを命ずる判決を言い渡しました。
この判決に対する菅野完さんのコメントに疑問が残る点があります。
名誉毀損を理由とした不法行為に基づく請求の場合、名誉毀損にあたると原告が主張する表現等が違法であるかどうかは次のように審理されます。
1 表現等が原告の社会的評価を低下させるかどうか
Yes 2へ
No 請求棄却
2 表現等に公益性があるかどうか
Yes 3へ
No 請求認容
3 表現等に真実性があるかどうか
Yes 請求棄却
No 4へ
4 被告が表現等の内容を真実であることを信じたことに相当性があるか
Yes 請求棄却
No 請求認容
この事件で裁判所が真実相当性について判断したということは、4の段階まで至ったということでもありますし、「被告の言動に真実性すらない」ということを誇るより、被告が表現等の内容について真実であると信じたことの相当性が認められなかったということの方が原告にとってより重要な判断だと思います。おそらく弁護士に委任して民事訴訟を提起しているのでしょうし、ご不明な点についてはもう少し弁護士から詳しいレクチャーを求めた方がよろしいのではないかと思います。
菅野完さんをめぐる事実と事実でないこと
このnoteの記事で菅野完さんはこのように述べて記事を締めくくっています。
ここで菅野完さんに関する情報等で事実であることと事実でないことを整理することで、皆さんの訴訟リスクを減らすことが可能となると思いますのでマニアックなものも含めてメモ代わりに整理しておこうと思います。
1 菅野完さんがカンパ金を横領したことがある → 事実
菅野完さんは、「People's Front Of Anti-Racism」の106万7601円のうち、90万470円を横領しました。
2 菅野完さんが新聞広告の募金を横領した → 事実ではありません
菅野完さんは、人気漫才コンビの一人の親族が生活保護を受けていたことに関する片山さつき参議院議員の言動等に抗議するため、新聞広告を掲載することを提案し、募金を集めました。その結果、毎日新聞に新聞広告が掲載されることになりました。この募金については、新聞広告の掲載を依頼した広告会社との機密保持契約の関係で広告掲載費用等を公開することができず、代替手段として公認会計士による監査を受けることを公言していましたが現時点においても監査はなされていません。この公認会計士による監査を公言した時期に小倉秀夫弁護士が会計書類のチェックを行ってもよいという申し出をしていましたが、小倉秀夫弁護士は菅野完さんの募金の趣旨に賛同するなど自分に近い立場にあるからとその申し出を辞退していました。ただ、この募金を菅野完さんが横領したという事実はありませんので「新聞広告のための募金を横領した」という表現は名誉毀損となるおそれがあります。「公認会計士による監査がなされていない」ということが「菅野完さんが横領した」ということの証拠とはならないことには注意が必要です。
3 菅野完さんがデジタルビジョン広告のための募金を横領した → 事実
新大久保でなされていた在日特権を許さない市民の会などのデモに抗議するため、菅野完さんは岡田ぱみゅぱみゅさんと一緒にデジタルビジョンに津田大介さんなどの著名人に差別反対のメッセージを伝える手法で差別反対の意思を示しました。このデジタルビジョンメッセージのための予算はほとんどなく、メッセージを依頼するための時間も2日しかないという厳しい状況下で多くの著名人からメッセージを得ることができたという成功例となりました。
この成功例の二番煎じを狙ったのが木野寿紀さんで、ヲ茶会さんが行動する保守のメンバーとして活動していたことを告白するという院内集会の前後あたりから「People's Front Of Anti-Racism」を立ち上げ、募金で集めた資金を用いてより大きな形でメッセージを伝えることを目的として活動し始めました。しかしながら、最初のデジタルメッセージで実務のほとんど一切を担った岡田ぱみゅぱみゅさんではなく、表に立つ菅野完さんをメンバーに引き入れた時点で募金の失敗は予測されていました。結局、菅野完さんによる横領という後味の悪さと、その横領を公表しない時点で在日特権を許さない市民の会などの新大久保のデモが下火になったという理由で別の活動のために流用すると発表して「People's Front Of Anti-Racism」の活動は終了しました。この活動の中で菅野完さんの横領があったことが発表されたのは、週刊金曜日の記事が発表された後でした。
なお、この「People's Front Of Anti-Racism」がデジタルビジョン第2弾と誤解されることについては、岡田ぱみゅぱみゅさんが迷惑に感じていたことも付け加えておきます。
4 菅野完さんが著作権法違反で訴えられて敗訴した → 事実
菅野完さんの著作「日本会議の研究」に関して名誉毀損による不法行為を理由として安東巖さんから慰謝料の支払いと書籍の販売差止めを求めて民事訴訟を提起され、敗訴したことは広く知られていますが、菅野完さんが著作権法違反で民事訴訟を提起されて敗訴したことはあまり知られていません。この事件は、生長の家が主催するシンポジウム会場でシンポジウムの内容を生配信したことが著作権法違反であるとしてシンポジウムの主催者から訴えられたものです。
判決で菅野完さんに支払いが命ぜられた慰謝料はそれほど多額ではありませんが、「日本会議の研究」をはじめとする著作の著作権使用料が収入の少なくない部分を占め、「月刊日本」や東村山問題に関心を持っている者なら誰でも知っている乙骨正生さんが編集発行人を務める「FORUM21」で記事を書いていた著述家の菅野完さんにとって、著作権法違反で敗訴したということは想像以上に大きな痛手であったのかもしれません。
5 菅野完さんがレイプした → 事実ではありません
菅野完さんが米国留学時に被告人となり、親族の死を理由に無断で帰国して公判が中断していたのは事実ですが、その被疑事実は同居女性に対するDVで、レイプが理由ではありません。また、自宅に招いた女性に性行為を求めた性的暴行を理由として女性から民事訴訟を提起され110万円の高額な慰謝料支払いを命ぜられる判決を言い渡されたのは事実ですが、この行為がレイプと認められた事実はありません。これは、東京地方裁判所の判決において、NHK党党首の立花孝志さんが慰謝料の支払いを命ぜられた事件でも事実ではないことが明らかとなっています。
6 菅野完さんががんを患っていた → 事実かどうかわかりません
菅野完さんは反差別運動に携わる前からがんを患っていることを公言していました。反差別運動に参加している者もそのことを認識している者も多く、在日特権を許さない市民の会のデモへのカウンターを行う前日にカウンターの者と飲んでいたとき「菅野完さんはあんな身体だから無理をしてほしくないんだ」という話を聞いたことがありました。なお、募金横領の被害者の木野寿紀さんは次のような見解であるようです。