適切な理解が適切な支援へ
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「自閉症スペクトラム総論ーもっとも大切な基本をもう一度」を終えて
昨日は、TEACCHプログラム研究会東北支部の研修会でした。講師には、当支部副代表を務めて頂いている蔦森 武夫先生(仙台市北部発達相談支援センター)にお願いをしました。
蔦森先生は、「正しい特性理解からしか適切な対応は生まれない」とお話をしてくださり、自閉症スペクトラムの方々の特性を丁寧に伝え、それらを踏まえた上で具体的な支援の方向性について示してくださりました。
会員の方々には、また会報を送らせていただきますが、個人的にとても印象的だったのは、「一般的に"優しい"人が自閉症の人にとっても"優しい"人になるとは限らない」ということでした。
ぼくは、Autism friendlyという言葉を使うことがありますが(ぼくの所属しているよこはま発達グループの理念の一つでもあります)、これはただ優しくすればいいということではなくて、ASDの方にとって、不安が少なく優しい環境を作っていくということです。
そのためには、何に対して安心し、何に対して不安や苦痛を感じるのか、つまりそれぞれの方の特性を理解するということがスタートなのだなと、改めて感じた講演会でした。
わかりやすい支援ってなんだろう?ー構造化を参考にー
特性を理解したら、次はそれに基づく支援を考えていく必要があります。TEACCHプログラム研究会東北支部としては、本日の内容を踏まえて、「具体的にどのような考え方やアイディアがあるのか」ということをお話をしていきたいと思っています。僭越ですが、ぼくがお話をさせていただきます。構造化に関する考え方をぼくからは話をし、現場での実践等は後藤まほろ先生(みやぎ発達障害サポートネット)にお話いただきます。
構造化というのは、いわゆる絵カードやパーテションを使うなどの狭い意味ではなく、それぞれは構造化=「わかりやすい環境設定」という目的を達成するための手段の一つでしかありません。
ですので、まず大切なことは手段から確認するのではなく、どうして構造化が必要なんだろうか、構造化の意味ってなんなんだろうか?という目的を共有していくことだろうと思います。
色々な構造化のアイディアは魅力的であり、構造化の考え方についての話は地味かもしれません。でも、そうした地味なことと、大切なことの軽重はイコールではありません。
ぜひ、一緒に構造化の意味や目的について学びませんか?
そうした仲間の方々を、我々は増やしていきたいと思っています。
2023東北支部活動
▼6月18日の研修会のお申込み▼
▼会員限定座談会▼
5月13日(土)18:00頃からは、東北支部会員限定の座談会を予定していますので、会員の方でご都合つかれる方は是非ご参加ください。詳細はまた会員のメーリングリストで流したいと思いますが、過去の座談会の様子は下記よりご確認ください。
▼会員限定動画▼
これまで、会員の皆さんには限定のコラムや動画を配信してきました。どれも佐々木が担ってきたことではありますが、5月頃からはそれらに加えて、支部会員の中からゲストをお招きして対談動画を配信したいと思います。
東北支部には色々なお立場の方がおられます。だからこそ、できることもあります。第一弾は、調理師の先生をお招きします。ASD特性の一つである感覚の敏感さやイメジネーション特性からくる、偏食をはじめとする、「食」に関する生活上の困難は決して少なくありません。今回は「食」をテーマにお話をお伺いしますので、東北支部会員の方で事前にご質問ある方は下記よりご質問ください(もちろん、今回のテーマに限らず、会員の皆さんからは随時ご質問をお受けしています。全てにお答えできるわけではありませんが、会員限定コラムなどで対応いたします)。なお、配信対象は東北支部会員限定ですので、ご質問も支部会員の方に限らせていただきます。
▼その他▼
ここに記載した以外にも、東北支部ではさまざまな取り組みを今後もしていきます。会員の皆さんには、「今こんなことを考えています」というのもお届けしますのでお楽しみに。
東北の自閉症支援とその未来を一緒に考えませんか?
佐々木康栄
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