自己紹介(これまでのキャリア)
先に日弁連派遣留学制度について紹介してしまいましたが、改めて自己紹介をしておきます。大枠としては大手企業法務事務所→地方自治体→ブティック事務所→留学(現在)という感じです。
珍しいキャリアになってしまっているという自覚はありますので、キャリア選択の理由なども簡単に記載しています。細かい話は、機会があれば別途書きたいと思います!
1 メインの動き
(1)司法修習まで
①2005~2008年 宮城県仙台第二高等学校
同校の卒業生で国際協力師である山本敏晴氏が講演するという貴重な機会があり、国際協力に興味を持ちました。おぼろげな興味にすぎませんでしたが、何となく貧困問題とかを勉強したいなということで東京大学経済学部に進学しました。
この頃から手品が趣味で、奇術愛好会を設立して仲間と切磋琢磨していました。
②2008~2012年 東京大学経済学部
国際協力への興味は完全に薄れていました。
大学在学中も奇術愛好会に入って手品道具を作ったり、ストリートパフォーマンスをしていたことがきっかけで知財に興味を持ち、卒論も知財について書きました(テーマは「特許の藪」)。他方、2011年に東日本大震災が起きたことがきっかけで、災害を含めて社会に起きた問題に対して「社会貢献(?)」をしたいという気持ちになりました。
知財と社会貢献(?)どっちの仕事もプロとしてできそうだ、ということで弁護士はちょうどいいと思い、法科大学院進学を決めます。
③2012~2015年 一橋大学法科大学院
④2015年 スペイン巡礼と合格発表
司法試験の受験後、徒歩でスペインの村々を巡るというカミーノに興味を持ち、2015年夏にフランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラまで800㎞ほど歩きました。村々でマジックを見せてビールとハムをおごってもらうという楽しい旅になりました。スペイン発の航空機の到着日にそのまま法務省に向かい、司法試験合格を確認しました。
⑤2015~2016年 名古屋修習
ちなみに弁護修習では豊橋に通ってました。
(2)司法修習後
①2016~2019年 長島大野常松法律事務所
知財を専門的にやりたいという気持ちはあるものの、実務に触れたことはほとんどなかったので、「知財が意外と自分に合わなかった…」となる危険も感じていました。もしそうなっても他にたくさん仕事がありそうだ、ということで大手の企業法務事務所を選びました。
この間、使える時間は限られていましたが、難民事件などもやっていました。
②2019~2021年 東松島市(特定任期付職員 法務専門監)
2019年当時、東日本大震災から既に8年が経過していました。この時点で弁護士になる前におぼろげに思い描いていた「社会貢献(?)」的なことに割く時間は(当然といえば当然なのですが)少なく、なんか違うなぁという感じになってしまいました。宮城県内の地方自治体が震災復興に関わる法務専門職のポストを公募していることを偶然知り、自分が宮城県出身であることもあって手を挙げたところ無事採用。
「震災復興×法務」といってもあまりイメージはつかないと思いますが、分かりやすいところでは震災に関連する訴訟や被災した土地で新たなビジネスをするための契約書チェックが挙げられます。
③2021年~現在 三村小松法律事務所
東松島市での任期はもともと2年間で、復興創生期間の10年間がちょうど終わるということもあり、そのまま退職しました。長島大野常松法律事務所時代にお世話になっていた先輩方とのご縁で三村小松法律事務所に入所しました。
メインの業務は知財に戻りましたが、地方自治体や地方自治体が設立した法人からの相談も受けるようになりました。
2 その他の動き
①2016年~現在 日弁連国際交流委員会
名古屋修習中に「法整備支援」なる活動を知り、国際協力への興味が多少再燃しました。(修習前には知らなかったのですが、)愛知県弁護士会や名古屋大学は「法×国際協力」に力を入れており、愛知県は法整備支援に関する情報が多く蓄積されている地域といえます。愛知県弁護士会が主催した修習生向けの研修の中で、弁護士として国際協力活動に関わるには日弁連の国際交流委員会に入るのがよい、という話を聞き、日弁連の国際交流委員会の活動に参加することにしました。
日弁連の国際交流委員会には、国際交流部会と国際司法支援部会があり、私は後者の中のJICA課題別研修プロジェクトチーム(PT)とネパールPTを中心に活動しています。
②2018年夏 JICA能力強化研修「法整備支援」に参加
JICAは多様な開発分野で数日~2週間の能力強化研修というのを実施しています。事務所の夏休みを使ってこの研修に参加し、法整備支援に関連する知識や実務を整理して学ぶ良い機会となりました。
③2023年夏 JICA能力強化研修「ガバナンス(行政)」に参加
「法整備支援」を少し遠目から見ると、国際開発の中でも「ガバナンス」分野の一つといえます。この「ガバナンス」分野には日本の法整備支援で主に関わる立法・司法分野のほか、行政分野があります。特に、開発プロジェクトでは結局地方行政が関わってくることが多く、地方行政分野は意外と重要な領域になっています。
JICAはこの分野でも能力強化研修を実施しているので、東松島市で得た経験を国際協力分野につなげられるかなと思い参加しました。
④2023年秋~2024年春 アジア経済研究所(IDE-JETRO)IDEASプログラム
国際開発分野での勉強を深めたいという考えから、アジア経済研究所が主催するIDEASプログラムの論文コースで勉強しました。週2〜3回夜にオンラインで英語の授業を受けつつ、英語で論文を執筆するというものです。私はフィリピンの地方自治体における情報公開条例の比較分析を論文のテーマにしました。
⑤2025年夏~ イリノイ大学アーバナシャンペーン校LLM
日弁連派遣留学制度を用いて、アメリカのイリノイ大学アーバナシャンペーン校のLLMに留学中です。