『ガーデン・ロスト』
前回の投稿から随分と間があいてしまいました。
とある作品の感想を書こうとしていたのですが、うまく纏められずにいたらいつの間にか時間が経っていました。
この秋は、メディアワークス文庫総選挙をきっかけにいくつかの作品を読み返しました。
今回はその中のひとつ、紅玉いづきさんの『ガーデン・ロスト』について記していきたいと思います。
(今回はおすすめ紹介ではなく私の感想を書いているだけです。本当にただの思ったことの羅列です。)
メディアワークス文庫総選挙に紅玉さんご本人も参加されていて、自著の推薦コメントをツイートしていらっしゃっいました。
そんな中で「ガーデン・ロストはリアルタイムだと言語化が辛そう」との呟きが。それを見て私は当時何を思っただろうか、とガーデン・ロストを読んだ当時のことを思い返してみました。
ところが、正直あんまり覚えていない…。
私は紅玉さんの書かれるお話が好きで、ミミズクと夜の王出版時からリアルタイムで読んでいます。ミミズクを始めとする人喰い三部作などは出版から随分と時間が経っていますが、当時読んで抱いた思いを今でも思い出せます。
しかしこの作品については、ぼやっと、よくわからないけど苦しいなぁと感じたような記憶が残っているだけでした。
当時は読書メモなんかも書いてはいなかったので振り返る術もなく。
本棚から出してきて出版年を見てみると2010年1月25日。9年前。当時14歳。中学2年生から3年生になる、そんな冬だったようです。
まだ高校生にもなっていない、中2の冬ですからまだ受験生でもないような頃でした。もしかしたら、だから感想を覚えていないのかも。読んでもピンとこなかったのかもしれません。
あれから10年弱。高校受験も、高校生活も、大学受験も、大学生活だって体験した今。もう少女と呼ばれる年齢ではなくなってしまったけれど。今の私が読んだら一体何を感じるんだろうか。気になったので読み返してみることにしました。
・・・と読み返し、そして感想を纏めてnoteに投稿しようと思っていたのですが、最初に述べたように全然纏められない……。
勿論読んでいて湧き出る感情はあるんですが、それをうまく言語化できない……。
何故。
なので、今回の投稿は纏まっていないし長いです。(なんせこの時点でまだ導入。いらない気もする。)
でも、うまく纏められなくたって、未来の自分のためにも書きます。投稿します。10年前の感想は覚えていなかったけれど、もしも10年後の私が読み返したらその時に今の私が感じたことを振り返れるように。
このnoteの目的はね、初投稿にも書いたけれど、生きていく中で触れたものたちを、感じたことを、掴まえておくためだから。だからボロボロでもアウトプット頑張ります。
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読みながら、苦しかったなぁ。
覚えのある感情に溢れていて。自分の中のそれらを掘り出されて。4人それぞれに同調しちゃって。
それが何だか辛くて。でも辛いだけではなくて。
少女達に同調すると同時に、今はそう思っていても未来ではきっと違う捉え方ができるよ、と。そんな思いも湧いてきて。
私は彼女達よりちょっぴり年を重ねてちょっぴり大人になったから。読みながら語りかけていたな。
エカの、誰かの特別になりたい。そして自分も何か特別を持っていたい。唯一になりたい。その感情に、そうだったなぁと激しく同意した。
でもその“良い”選び方も“正しい”方法もわかりはしなくて。「私はこの子のことを一番知っているんだ」って。それが大事で自信で。確かだと思えるものはそういうもので。でも本当はきっと不確かで。
あの頃の、今思えば狭い世界での、物理的な近さやかけた時間はとても大きなものだったから。
マルの、どうしようもない自分への嫌気も、家族という身近な存在の消化できなさへの苛立ちも、身に染みるものがあって。
王子様が欲しくて。魔法のような恋なんてないってわかっていても、それでもやっぱり求めちゃうのはやめられなくって。いけそうかも、好きになれそうかも、これだったら特別に“押し上げられる”かもって、そんなトライアンドエラーばかりを繰り返して。
近場の可能性にかけて信じて失うよりも、未だ0の遠い所を漁った方が何も失わないで済むから。ただどうしようもない自分のどうしようもなさがまた少し増すだけだからって。そう思って保っちゃうよねって。
オズの、自分を定義して、他人を自分なりに把握して、そうして己を固める過ごし方も。だから相手の中の自分のポジションに敏感で、怖くなってしまう感じも。見ていてキュッとした。
シバは、シバは、特にしんどいなぁ。
言葉にできない、纏められない、捉えきれないなぁ。
なんでこんなに辛いんだろうね。
確かにこれから来る春はあの春じゃないし、愛したあの春と同じものは巡って来ない。
でも、それでも、そこから未来へ向かわなければならないね。
きっと、正しさなんてなくて。本当にどうしようもないことだって実はそんなになくて。選択に、やってしまったことに殉じなければいけないなんてこともないし、生まれ直さなければ変われないなんてこともないの。
今までを否定せずに、好きだと思えるこれからをつくっていくことはできるんだよって。そう伝えられたらなって。
そんなこと言われたってわかる訳はないんだけどさ。“ちょっぴり大人”のただのエゴだけどさ。
でも、読んでいて、そんな思いが湧いてきた。
少女4人に言っているのか、過去の自分に言っているのかわからないけれど、そんな風に思った。
過去を振り返っているようで、もしかしたら今の私を確認しているのかもしれない。
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・・・やっぱり全然纏まってないしグダグタです。
でも、今この時の、私の全力で感じ切った「彼女達」について、少しは落とせたかな。できてたらいいな。
もう少しだけ大人になったら、また読み返してみたいと思います。
最後まで読んでくださった方がいたならありがとうございます。
素敵な物語です。よろしければ読んでみてください。
ねぇ、自分のことを好いてくれる人を、自分が好きだと思う人を、自分を、幸せにしてあげたいね。
していきたいね。幸せになりたいね。私もそう思う。
きっとなれるよ。大丈夫だよ。ねぇ未来の私。