振動ピアノと『ソフトさん』

2010年に発表した『振動ピアノ』をバンドキャンプでリリースした。

2010年に発表したけども正直、期待していた程の評判ではなく、どちらかと言えば
「ピンク・ロータ-を使用している」
と言う事でネタ扱いされていた気がする。
作るのは結構、大変だったのだが、どことなく『ネタ』扱い。

ライブでは2回だけやっている。

一回目は駒込のラ・グロットと言う5人くらいしか入らないスペース。
2回目は池袋ミュージック・オルグと言うハコ。

2回目の時は学生の客が多かったが、PAの人に「方向性が分からないので音質の調整が出来ない」と言われた。

で、この曲の最大のデメリットは『演奏するとピアノのチューニングが狂う』と言う事である。
で、池袋の店では案の定、チューニングが狂い、イベントの主催者から激怒のメールが届いた。

「此処で『申し訳ありません』と謝罪するのは、確信犯としてはどうかな?」

と思いメールを無視した。
ってか、無視せざるを得ない程、激しいメールだったから。

『ネタ扱い』
『演奏するとクレームが来る』

と言う事もあり
「もう、二度と演奏するか!この音源も消す!」
とCD-Rは売らなくなった。

しかし、時は流れて2021年に某学校の現代音楽家様がバイブレーターをグランド・ピアノに入れた曲を作ってまーす、と言うツイッターがあった。
「これ、俺が昔にやった事じゃねーかよ!」
と激憤した。

その現代音楽家様がパクったワケじゃないんだろうけども

専門学校卒が同じことを行うと『ネタ扱い』であり、音大卒の現代音楽家様が作ると『作品』となる。
日本が平等とか言うけど、実は韓国や中国と同じくらい激しい『学歴社会』でさ。
学歴がないとクソ扱いなんだよな。

それで憤慨したので「キチンとリリースしなくては」と思った。
だが、PCの外付けHDDを必死に探したのだが『振動ピアノ』の音源が見つからない。

「外付けに移す際に不手際があったのか?」

と思ったのだが、確か2010年に「もう、こんな(ネタ扱いされる)曲は止めよう」
と思ってHDDからも削除してしまったのである。

それで『おもとなほ』さんに連絡をした。

2010年頃にCD-Rを渡したから(その頃は売る気がなくて、適当に渡していた)。

あ、確かSDLXでも上演の話があったのだがピアノのチューニングが狂う、って事で終わったんだよな。
思えば、それなりに知名度はあったし、評価してくれた人も居たのかも知れないけども。
それで連絡をとってCDRを送ってもらう事に。

で、届いたのでバンドキャンプでリリース。

ツイッターでは、とても好評なので嬉しい・・・・とても嬉しい。

自分の過去作は削除しちゃ駄目だな、と思った。


あと、『ソフトさん』

メンバーの『自殺』により、永遠に再結成が出来なくなったバンドなのだが、よんまさんが「ソフトさんの音源が欲しい」と言う。

元々、田中智子(担当:存在)のポエトリーリーディングと共演したがっていたのだが、田中智子の自殺により頓挫。
それで、あのCDをシンセに取り込んで・・・と言う話である。

此れもおもとなほさんから送ってもらった。

よんまさんにファイル便で送ったら喜んでもらえた。

で、聴き直す。

まぁ、酷い音質である。

『ソフトさん』は元々は田中智子と村岡由子さんのディオだったらしいが、何故か私とおもとなほさんが加入。

私はアパラチアン・ダルシマーとギター、カシオトーンを担当。
村岡由子さんはティン・ホイッスル。
おもとなほさんは鍵盤楽器(ピアニカ、ピアノ)
田中智子は詩の朗読、鈴(出来る楽器が皆無だったし、ヤル気もなかったので)。

で、レコーディングしたんだけども大久保の広めのスタジオで録音したのだが、レコーダーは『KORG D1600』と言うHDDのMTRなんだが、此れが重たいんだよな。

画像1

自宅からギターと、アパラチアン・ダルシマー、MTRを必死に運んでスタジオに持ち込んだ。
だが、スタジオに入る前に私以外が皆、コンビニに行ってビールを買って呑み始めた。

「おいおい!レコーディングなんだから飲むなよ!」
と言ったら
「でも、ライブでは何時も酔っ払って演奏しているんだから、その雰囲気を出さなくては駄目じゃない?」

と言われて「それも、そうかも?」と思い私もビールを1本だけ飲んだ。

で、3~4時間でレコーディングを行った。

思えばクリックを使えば良かったんだが、何故か限りなく『ライブ録音』に近い、と言うか一発撮りになった。

で、帰宅して1週間かけて編集・・・と言ってもエフェクトをかけたり音量の調整なんだけども、この頃、既にDAWはあったのだが私はMTRに拘っていて(MTRは音にレスがないし、音質も良かった。DAWは未だに00年代のMTRに近づけていない気がする)、非常に編集はしにくかったのだが、何とか製作。
ってか、この頃のPCって、まだwindowsXPとかなんだよな。
オーディオ・インターフェースも高額だったし、DAWもクソ以下だったし(今よりも高額だった)。
貧乏人の私には現実的ではなかった。

その前に8trのカセットMTRに比べれば劇的に使いやすくなったとは言え、ミックスダウンは辛かったな。

あと、此れってマスタリングしてないんだよな。
マスタリングすれば良かったじゃん、と思うのだが当時は『マスタリング』と言う概念が私になかった。

聴き直すのが悪くない。

この頃としては悪くない音だと思う。

ただ、劇的に集客が悪いバンドだったので客が1~0人とかだった。

ミュージシャン受けするユニットだったが、客受けはしなかったよな、と言うか。

最後のライブでは観客0人だったもんな(対バンの人が5人ほど呼んでいたが、対バンは一人で5人。ソフトさんは4人で0人)。

悪くない。

過去作品を削除しちゃ駄目だな、と思った。


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