鬼滅の刃が破壊したアニメの常識
前回、書いた『鬼滅の刃のラスト』だが有識者曰く「全員は死なない」らしい。
ならば、どう言うラストがあるんだろうか。
何しろ社会現象になっており一国の首相が「全集中の呼吸で」と鬼滅の刃をネタにしている程である。
恐らくアニメの常識を超えた物凄いモノなのだろうと思う。
無い脳みそを振り絞って考えてみよう。
有識者曰く
「無限列車編の次の遊郭編からが傑作」
らしい。
遊廓編が終わり、竈門炭治郎は『柱』となる。
そのため、柱会議に出席することが多くなった。
鬼滅隊から『禰豆子』の存在はOKを貰ったとは言え鬼を連れて出席する事は肩身が狭い。
智ちに働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
その為、炭治郎は我妻善逸(善逸)に禰豆子が入った箱を預ける事にした。
「大事な妹だから。善逸、守ってくれ。頼む」
善逸は面倒臭だ、と思いながらも炭治郎に頼まれると断れない処があった。
炭治郎の笑顔の前では誰もが何もかもを許すのではないか?と思う。
「分かったよ。さっさと帰ってこいよ。次の仕事もあるんだから」
「はっはっは。安月給でこき使うよな」
「だけども安定した職業とも言えるぜ。何しろ鬼は斬っても斬っても出てくる。仕事にあぶれる、って事ぁねえ」
「それも、そうだな!」
二人、破顔一笑し、炭治郎は禰豆子を善逸に預けて柱会議に行く。
鬼殺隊当主である『産屋敷耀哉』まで行くのに急いで行っても1~2日掛かる。
柱会議は一晩中、行われる事が常なので往復1週間弱かかる事になる。
ある日、善逸は上手く寝付けないでいた。
「斬っても斬っても鬼が出てくるから仕事にあぶれない、か。だが、こんな生活がいつまで続くんだろうなぁ・・・」
と呟いた。
そこへ、木箱が空いた。
禰豆子が出てきた。
「禰豆子ちゃん・・・」
そして、善逸の横で眠った。
流石に木箱では眠りにくい様子である。
そのまま眠りに付くのかと思いきや、善逸の顔を禰豆子は眺めている。
「どうしたの?禰豆子ちゃん」
何も答えない。
答えない、と言うか猿ぐつわを噛まされているので答えようがないのだろう。
そうやって夜になると善逸の横で禰豆子が寝る、と言う日が3日ほど続いた。
その日も禰豆子は善逸の横の布団に入って来た。
善逸は何故かフト、禰豆子の布団をひきづり落とした。
勿論、何も言わない。
何故、そんな事をしたのか分からない。
禰豆子の着物をずらし、肌を露出させた。
「禰豆子ちゃん・・・」
禰豆子は何も言わずに善逸を濡れた瞳で見ている。
これが自分がしようとしている事を見過ごされているような感じを受ける。
善逸は禰豆子の白い肌に唇を付け、そして舌を這わせた。
「ッん・・・!」
禰豆子が小さく言う。
「禰豆子ちゃん・・・良い・・・?」
「ん・・・」
白い少女の肢体。その下腹部の柔らかな茂みの前に善逸は跪いた。
顔を埋めると、青草の香りがプンと鼻をつく。
善逸はその茂みに分け入り、彼女から流れる甘美な汁をあまさず飲み干した・・・。
「っ・・・禰豆子ちゃん・・・!ッグ・・・!」
「・・んッ・・・!んッ・・・!!!」
雨が降っていた。
善逸に聞こえるのは雨だれの音、そして禰豆子の白い柔肌がこすれる音だけだった。
菊の花が濡れていた。
今回の柱会議には『柱稽古』もあり、炭治郎がアジトに戻ったのは其れから一週間後だった。
「ただいま!善逸!禰豆子!」
だが、肝心の善逸も木箱もない。
視線に一枚の便箋が置いてある。
そう!善逸と禰豆子は駆け落ちしてしまうのである。
人間と鬼が夫婦として暮らすことは可能なのか?
そもそも、許される事なのか?
禰豆子を守ってくれ、と頼んだが此れは結果的に裏切りではないか?!
パニックなる炭治郎の横に『胡蝶しのぶ』が立っていた。
後を付けられていた?足音にも臭いも気が付かなかった!。
「あーあ。食べられちゃいましたね~。善逸くん」
「いや・・・!!!違う!違うんです!!!禰豆子は人間を食べない!」
「んっふふ。炭治郎くんは子供ね。
女は上の口と下の口、2つの口があるのよ。
上の口では人を食べなかったけど、善逸くんは下の口で食べられちゃったのね」
「そ・・・そんな・・・」
「女は生まれながら鬼なんですよ・・・」
おお!!!
小学生が視聴するアニメであるにも関わらず濃厚なSEXシーン、そして卑猥な台詞!!!
こんなアニメーションがあったか?!
小学生が見るアニメで、こんな設定と台詞は俺は聞いたことがない!。
そうして、善逸は木箱に禰豆子を入れて山道を急ぐ。
何処かに行く宛があるワケではない。
だが、追手が来る事は間違いない。
そう!!!感の良い人であれば分かるだろうが、此処で
『主人公が変わる』
のである。
追われる善逸と禰豆子。
追う鬼滅隊と炭治郎。
嘗ての味方は今日の敵。
善逸は現れる鬼滅隊を雷の呼吸、そして蝶屋敷で習得した『全集中』により彼等を斬っていく。
そんな善逸が休息出来るのは、鬼達のアジトしかなかった。
鬼と夫婦になりたい、と言う善逸に殺意を覚える鬼は居なかったのである。
むしろ、鬼たちにとっても其れは最後の、そして最大の希望であり善逸は先駆者だった。
少なくとも鬼達にとっては。
昨日の敵は今日の友。
善逸は鬼滅隊と戦い、疲弊しながらも勝利する。
だが、鬼滅隊も数は膨大だ。
斬っても斬っても彼等は襲いかかってくる。
鬼と夫婦になりたい、と言う話が鑑みられる事は皆無である。
そもそも、鬼滅隊の大半は尋常小学校も卒業していない連中ばかりである。
話が通じるとは思えない。
ならば道は斬る事によってでしか切り開かれない。
時として他の鬼と共闘しながら鬼滅隊と戦い続ける。
「大きな災いが来るとしても、俺は行動する事、生きることを止めるワケにいかない。鬼滅隊の存続のための、生贄にはなれない。だから お前たちは全力で俺を殺しに来て良い。俺達も全力で逃れる・・・。」
つい、数ヶ月前までは鬼を斬り殺し、今は人間を斬り殺す。
血の臭いは善逸を離してくれない。
その頃になると禰豆子は猿ぐつわを外されており、善逸と意思の疎通が可能だった。
二人きりになり、善逸は禰豆子を抱く。
何度、抱いても禰豆子は初めて抱く女のような感触であり、抱けば抱くほど離れがたい気持ちになるのだ。
そして、何度も何度も禰豆子を強く抱くのである。
明け方、禰豆子は眠りに付く頃、口を開いた。
「善逸さんは良い男ね。私を殺さないのね。どうして殺さないの」
「確かに俺は殺せない男だな。自分を主張することが出来ないよ。他人が皆、立派だと思っているワケじゃないんだが、自分を主張する権利が俺にあるとは、どうしても思えないんだ」
当然だが善逸は自分の行いが正しいとは思っていない。
むしろ間違っている。
禰豆子を抱く度に離れがたい気持ちになる。
それは禰豆子が鬼だからなのか?
それとも、女は生まれながらして鬼なのか?
だが、今となっては、どう考えようとも同じことである。
二人、何処までも逃げ続けるしかないのである。
この時点で原作もアニメも善逸が主人公である。
途中で主人公が変わってしまう漫画なんてあるか?。
殆ど純文学だろ?これ。
二葉亭四迷ですら『主人公が変わる』なんて作品は書いていない。
濃厚な濡れ場と良いさぁ(濡れ場はリアリティを追求するためヤング・ジャンプで連載された)、子供向けの漫画とは思えない。
有識者曰く「漫画で読んだほうが良い」と言うのは、この辺なんだろうか。
逃避生活が1年続いた。
善逸と禰豆子は『鬼舞辻無惨』のアジトに匿われていた。
此処が最終決戦なるだろう、と善逸は考えていた。
勿論、鬼舞辻無惨もだ。
最終決戦では鬼滅隊及び炭治郎が十二鬼月達を殺し、最後は大半が戦死しようとも鬼舞辻無惨も倒れた。
最後は炭治郎と善逸との戦いである。
一つの技しか使えない善逸だが、炭治郎との戦いは拮抗した。
そして、善逸が技を放つのだが、それが外れてしまい炭治郎は木箱に刃を向けた。
「全集中の呼吸!水の型!水面斬り!」
炭治郎が放った剣は禰豆子に向けられた。
無抵抗な禰豆子。
それは最後の兄弟愛だったか。
頭部を斬られた禰豆子はユックリと消えていく。
「善逸さん、お願い・・・。
古い古い歌が、誰が作ったのか分からないくらい古い歌が・・・。
・・・それを作った人のことも歌った人のことも
すべて忘れさられ消えさっても、その歌は残ってるように・・・。
私のことは忘れないで・・・」
そして、炭治郎は力尽き、死ぬ。
炭治郎の役目は人を食った妹を殺すことだった。
そのために、自分の命すら投げ出した。
妹を殺して自分も死ぬ。
それが炭治郎の運命、宿命、役目だった。
善逸を残して周囲には血と屍の山である。
-----30年後-----
森の中にある古びた寺がある。
そこに大量の仏像があった。
何百体もの仏像を掘っているのは禰豆子を失って以来、誰とも関わらず老いた善逸だった。
時折、空を眺めて
「女は生まれながら鬼か」
そして、今日も一人、善逸がノミを打ち付ける音が山に木霊する。
カーン・・・カーン・・・カーン・・・
もうすぐ初夏である。
色々な小説や漫画を引用しまくったが、こう言う「ええ???そんな展開ってあるか?」って言うモノなのだと思う。
「ってか、このシーンって原作者へ許可を貰っているのか?」
みたいな。
そう言えばTVアニメで2013年の『リトルウィッチアカデミア』には映画『AKIRA』のシーンのパクリなのかオマージュのシーンがある。
『AKIRA』は色々な処でオマージュと言うかパクられているけど。
最終話を知りたいので『鬼滅の刃』を漫画で買おうかと思ったが、古本だとプレミアがついているので手が出せない金額である。
ってか、余り面白いとは思えない漫画には出せない金額である。
映画を見てみるか・・・と思案中。
ってか、三人称で書くのは辛すぎる。
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