『やまなし』自由進度学習
『やまなし』と自由進度学習というテーマでお話したいと思うんですけれども、最近校内研究とか授業公開とか、他校の授業協力の場でもよく見る場面があったので、私は授業していないんですけれども、自分ならこうするかなって考えながら授業を観ているので、忘れないうちに言葉に残しておこうかなというふうに思っております。
大事な前提
まず『やまなし』、教科書が変わって重点指導目標が変わりましたよね。「考えの形成」だったのが「精査解釈」に変わったのが大きな変化ですね。
今の「考えの形成」とか「精査解釈」ってちょっと専門的な話になるんですけれども、わかりやすく噛み砕くと、前の教科書のときにはまとめていくところ、つまり「考えの形成」が重点指導事項だったんですね。
なので、「宮沢賢治研究所」なんていう言語活動とかが結構ぴったりだったかなって思っていて、いろいろ情報を見つけて考えを集めて、最後に自分はどう考えるのか、宮沢賢治とは何かっていう結論とか、思いをまとめる力をつける単元だったかなと思うんですね。
ですが、指導事項の重点が変わって、その一つ前ですね、まとめる前の深めていくところ、「精査解釈」という箇所になったんですね。昔の方が良かったなっていうふうに言っている人もいるんですけれども、私は、この変更はいいんじゃないかなって思っています。より表現の効果とか、比喩とか、『やまなし』ってやっぱり独特の文章じゃないですか。だからこそ、もっとそこにフォーカスできるっていう面では非常にいいのかなって思っています。言語活動も「宮沢賢治研究所」とか、考えの形成に寄ったものをやっていたんですけれども、もっと気軽なのに変わってもいいのかなっていう感じがしていますね。
感想ツリーや掲示板ぐらいな感じで、パパッとPadletとかに「僕はこの箇所はこう思ってる」みたいなのを学年でね、6年1組、2組、3組とかみんなで混ざり合って意見をし合ったりするみたいな、ちょっとライトな感じでもいいのかなって思っていたりします。皆さん、「精査解釈」に重点が変わった『やまなし』、どんな感じで進めていますか?皆さんの周りではどのように進めている方が多いでしょうか?
『やまなし』自由進度学習
ただね、個人的には自由進度学習はちょっと進めにくくなったかなと思っています。別にいいんですけどね。自由進度学習を入れるのが目的でも何でもないですからね。私はやっぱりこの「考えの形成部分」、まとめる部分と自由進度学習の相性は非常に個人的にはいいなと思ってよく好んでやってるんですね。なぜならば、そこの部分では勝手に進みたいし、勝手に戻りたいし、やり直したいし、好きなことをいろいろやりたい場所であると思うんですよ。「考えの形成」、例えば宮沢賢治の他の作品を読みたいなとか、「先生、ちょっと読んでいいですか」とか、「もう1回題名に込めた思いから再構築してみよう」とか、それぞれ思いや注目している観点や読みの視点もバラバラなので、だから自由進度というか、一斉一律ではなくて、自由に進めることで指導目標に到達できるっていうふうにやっぱり考えているというところですね。
新教科書での『やまなし』
なので「精査解釈」となれば、自由進度というよりかは自由選択制の方がいいのかなと思っていますね。表現の効果に注目するグループ、比喩に注目するグループ、宮沢賢治の生い立ちに注目するグループ、他の宮沢賢治作品に注目するグループみたいな感じで、興味を持ったところを重点的にやって、ワールドカフェみたいな形式も取り入れつつ、それぞれが学んだところを伝え合ったり広げていったりするのがいいんじゃないかなと思っております。
★★★音声で聞きたい方はVoicyで話をしていますので、どうぞ。
2023年、2024年の3月に単著を出版させていただきました。こちらもご興味あれば、どうぞよろしくお願いします。
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