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自由進度学習のメリット

自由進度学習の学習スタイルを用いるメリットは本当にたくさんあります。本記事では二つに絞ってお伝えしたいと思います。

1つ目のメリット〜自分のペースで学べること〜

一つ目は、自分のペースで学べることです。進める子がどんどん進めるという方に目がいきがちでですが(もちろんそちらもメリットですが)

私はむしろ、授業スピードが速すぎて困っていた子たちにとって、自由進度学習が大きな助けになっていると実感しています。今まで授業についていけず、理解が追いつかない子たちが、何度も繰り返し学ぶことで救われる学習スタイルだと思います。

これまでは、そのような子たちを休み時間や家庭で補習しなければならなかったのが現状でした。私も学生時代、家庭科の裁縫が全くできなかった経験があります。授業でいきなり「今日は、たまむすびをやりましょう」と言われても、自分は全くできず、友達も教えてくれる余裕がない、先生も忙しく目の前にいない、という状況で本当に困っていました。そのため、家に帰って親に教えてもらっていましたが、それだと自分の時間を削って無理やりやらされている感じがありました。

また、印象的だったのは、SNSで見た投稿で、休み時間に逆上がりの特訓をしていた先生と生徒の話です。ようやく逆上がりができるようになったその子が発した言葉は「これで自由に遊べる」だったそうです。これは、授業時間外の活動がどれだけ子どもにとって負担になるかを考えさせられるエピソードです。逆上がりができた喜びよりも、教師からの解放に喜びを感じていたわけですから、苦手な子が自分のペースで授業中に学べる仕組みは非常に重要だと感じます。
結局、授業時間内に集中して学べると、その自信が家庭学習や休み時間の学びにも繋がっていくのです。授業時間外でやりたくないことでも、「できるかもしれない」「楽しいかもしれない」と思えるきっかけが授業にあれば、自然と学びが広がっていくのです。

2つ目のメリット〜授業の考え方、子どもの捉え方が変わる〜

次に二つ目のメリットですが、これは教師側のメリットです。自由進度学習を導入することで、授業「観」、子ども「観」が変わってくるんですよね。「観」っていうのはどう捉えているかとか考えているかみたいなイメージです。客観的主観的の「観」です。

一斉指導のスタイルも有効な方法の一つだと思うし、これからも使われていく教育手法だと思います。ただ、1時間目から6時間目まで基本的に一斉指導のスタイルだと、この「観」が広がらないかなって思います。
例えば授業「観」、皆さんの考える「いい授業」ってどう考えていますか?
私の若い頃で言えば、先生の話を全員が目を見て聞いてるとか、黙って話を聞いたり何度も手を挙げたりしているとか、全体交流で反応があること、子供同士の発表が教師が当てなくても連鎖することなどが「いい授業である」と捉えていました。
でも自由進度学習のようなスタイルの授業を見ると、見る側の「観」が変わるんですよね。だって教師はほとんど黒板の前で喋ったり、子供を当てたりしてるわけじゃなくて、子供たちの活動場所をぐるぐると回ってるわけですからね。さっき言ったような「いい授業とは?」の捉え方考え方を変えていかないと、目の前の参観授業から学ぶことができなくなってしまうんです。

授業の「観」が変われば、当然、子供「観」も変わっていきます。一つの例としてみんなと違うことをしていたら「それは後でね」とか「何やってんだ」って思われてた子たちが「何やってんの?先生に教えてくれる?」という存在に変わっていきます。

まとめ

「観」が変わることが二つ目の大きなメリットかなと思います。今日は自由進度学習の手法を取り入れるメリット、たくさんある中の二つを紹介しました。
一つ目が、子供側のメリット自分のペースで学べるということ。
特に苦手な子にとって効果がものすごく高いなと実感してます。
二つ目は教師側のメリットです。授業「観」、子供「観」が変わりますというか、変わらざるを得なくなります。学習スタイルが違うというのはそういうことです。ぜひ取り組まれてほしい学習スタイルかなと思います5分からでも10分からでもできます。

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